出版社 : 扶桑社
早漏、インポテンツ、腟痙攣ーこれらを完治させるという、フリーバーグ医師の治療法ーそれははたして「売春」か、それとも悩める男女への「福音」か?性治療訓練士と呼ばれる専門家が、医師の指導のもと、愛撫その他を通じ文字通り患者に接するこの治療法、密室でおこなわれていることもあり、そのため、姿を変えた売春の疑いありとして、いくつかの州では禁止されてもいた。さて、日頃から道徳の頽廃を糾弾する牧師スクラフィールドは、一躍名を上げんものとフリーバーグの性治療への攻撃を開始した。この騒ぎに巻き込まれ、地方検事、性治療訓練士や患者たちは右往左往する。はたして正義の女神は誰に微笑むのだろうか?百発百中のベストセラー作家ウォーレスが性に悩む全ての人々に送る、愛と感動のエンターテインメント。
お笑い王国・天下の吉本興業で、女性マネージャーが殺された。彼女が担当していたのは横山やすしと西川のりお。アクの強い2人の芸人を抱えた美人マネージャーは、殺されるべくして殺されたのか?社内に連続して起こる難事件解決にのり出すのは、吉本興業会長林正之助、89歳。実在する登場人物129人。果たして犯人は、あなたの知っている、アノ人物-か?
〈二年前のことだ。そのころから、ぼくのあたまはおかしくなり始めたー〉ぼくの名前はチャーリー・デッカー。プレイサーヴィル・ハイスクールの最上級生だ。ぼくは、代数のアンダーウッド先生と、歴史のヴァンス先生を父のピストルで射殺した。あっという間のできごとだった。しかし、だれもいまおこっていることを信じられない。警官隊がやってきてぼくたちを遠巻きに包囲している。ぼくとクラスメートたちは日常世界から切り離された世界に漂いだした。まるで白日夢のような、しかし緊迫した時間がながれていく。五月のある晴れた一日、教室で一体なにがおこったのか?モダンホラーの巨匠スティーヴン・キングが高校生の不安定な心の世界を、同世代の視点からあざやかに描いた、異色の青春サスペンス小説。
満月の夜、東京・麻布の高級住宅街で、美人モデルが、首を鋭利な刃物で横一文字に掻き切られて殺された。それよりひと月ほど前にも、やはり麻布で若い美人ばかりが、心臓と性器を抉り取られて殺された。信じがたいことだが、娘たちは“悪魔の生け贄、悪魔の花嫁”として殺されたのだ。そしていま、こともあろうに緋沙子と恋人・翔の2人にも悪霊が取り憑いてしまった。突然、部屋の壁がさざ波のようにくねり出して、そこから生きた蛇がポトッ、ポトッ…。2人の裸身を這いまわり、ついには黒い蛇の群れにも埋もれてしまった。美貌のホラー・クィーンが、「血のピアス」に続いて贈る待望の“血のシリーズ”第2弾。
2068年。チャンネル40のTVレポーター、オカダノブヒコは20世紀末のドキュメンタリー番組を企画したが、トップには受け入れられず、その理由については言葉を濁されるだけだった。何か割り切れないものを感じたノブヒコは、1988年へのタイム・トラベルを敢行した。そこは、80年前のトーキョー、武道館。ジョージ・マイケルのコンサートに熱狂する少年少女たち。2068年のコンピューター・ディスコでは体験することのできない若者たちの健康的なエネルギーに包まれながら、一緒に踊り出したノブヒコに、隣の席の女が囁きかける。「あなたは、狙われている」-1988年という“過去”のもうひとつの都市で着々と進行する恐怖のプロジェクトとは“何”?
舞台はヨークシャーの古城。といっても内部は改装され豪奢なヘルス・クリニック。その保養所に集った脛に傷もつ客たち。妻との離婚が決定的となった中年医師。落ち目のTVプロデューサーとその母親。彼の恋人。英国に敵意を抱くアイルランド娘。筋骨隆々のオランダ人等々-。事件は中年医師が到着すると起きた。オランダ人が室内プールの底から死体で発見されたのだ。そして、元税務調査官の経歴を持つ私立探偵プリングル氏が飄々と登場する…。
アラバマ州の小さな町、キャサリン市のゴミ捨て場で警察本部長バリントンが殺されていた。額に丸い石を撃ちこまれて。つづいて市長が市役所内でこめかみに丸い石を撃ちこまれて死んでいた。凶器は何か?そして動機は?地元紙の社会部長キール・セント・ジェイムスのもとへ“リトル・デビッド”と名乗り男が怪電話をかけてきた。張りこみ中のキールを謎の男が襲う。軽快なユーモアとシャープな語り口で展開するアメリカン・ローカル・ミステリー。
『ファウル・ショット』の事件以来、探偵稼業を休んでいたローレン・スウィフトに町の保安官リドリー・キャンベルが仕事を依頼してきた。近々行われる郡の保安官選挙に出馬を予定している男レスター・ビーヴァンズについてさぐってほしいというのだ。調査を開始したスウィフトの周囲でいやがらせが頻発する。法外な選挙資金を投入してまで保安官をめざすビーヴァンスの野望とは何か?ローカル私立探偵ローレン・スウィフト・シリーズ第二弾。
キャシーは37歳。兄クリスと2人の子供、ジョーリイとバートと共にサンフランシスコ近郊に住んでいる。ジョーリイは14歳、バートは9歳に成長していた。平隠な日々を送っているかに見える家族。が、過去の忌わしい記憶で頭が混乱したバートの言動がしだいに変化しはじめた。黒いヴェールの老女と出遇った時を境に彼は狂暴化する。本書、ドーランギャンガー・サーガ第3作目の主人公は、ジョーリイとバートである。2人の眼と耳を通して物語は進行していく。
20年にわたる暴力と謀略の世界に別れを告げ、FBIを辞めたピート・ケッターは静かな町カスケードへ帰ってきた。法律家として再出発し、平穏な生活を送ることを夢みて。だがー次々と女性が殺されるという事件に彼の夢は破られた。一見穏やかな故郷の荒廃に気づいたピートは、姿なき殺人者を追ううち、捨てたはずの「狩人」としての情熱の甦りを感じていくー。苦悩する男の変貌を息子との交情を通じて描く、新鋭ウイルツの人間ドラマ!
引退したギャングのボス、フランク・ディシリアが死んだ。未亡人カレンには、400万ドルとフロリダの豪邸が遺された。ただし、条件があった。フランクは、カレンが浮気しないよう遺産管理者に命じて、彼女に近づく男たちを脅迫するようにしたのだ。そこへ2人の男があらわれた。用心棒ローランドと流れ者のマグワイア。400万ドルとカレンの魅力に目がくらんだ男たちが火花を散らす、これこそまさしくレナードの真髄、人間味あふれる悪党たちの物語だ。
ヒューストンの広告会社ランガー・メディア社で映像技師がむごたらしい刺殺死体で発見された。技師は殺される数時間前に戦争カメラマンからあるビデオカセットを受け取ったがそれは現場から消えていた。戦争カメラマンは戦場の暴力シーンをビデオに収めるのが得意な男だった。長期休暇中のヘイドン刑事は同僚から現場復帰を誘われこの事件を担当。捜査を進めるヘイドン刑事の前に、暴力に憑かれた異様な男の姿が浮び上がった…。
ロサンジェルス近郊の小都市ハンティントン・ビーチで酒屋が襲撃され、警官は犯人を射殺した。しかし襲撃犯は銃を持っておらず、警察は窮地に立たされた。だがこれはある巨大な陰謀の発端にすぎなかった。その陰謀の名は〈ベイルファイア〉。たった1人のテロリストが全市の機能を麻痺させ、壊滅させようというのだ。そして、警官が次々と惨殺される。その狙いは?謀略小説と警察小説をみごとに融合した新鋭の第1級ベストセラー・サスペンス!
ニューヨークで開かれている米ソ軍縮会談の席から、ソ連の科学者ラビノビッチが亡命を図った。「軍縮会談をふっとばす重大な情報がある」ラビノビッチはこう言ったが、その中身を明かす前に、KGSに彼の身柄を奪還された。重大な情報とは何か?米国の影の巨大情報機関DIAのロスとライルは、ことの真相を探るべく調査に乗りだした。だが、KGBは彼らの動きをしつように妨害。ついには2人の生命を狙うべく、殺し屋をさしむけたのだった…。
米国の巨大情報機関DISのエージェント、ロスとライルはKGBに復讐を誓った。謎を解く鍵はアフガニスタンにある。そこで行われる〈SCIMITAR〉プロジェクトがポイントだーそう確信したロスとライルは、アフガニスタンへ潜入。ソ連の謀略の証拠を掴むべく、決死の探査行が始まった。だが、ここにもKGBの手はのびていて、危機が次々と二人に襲いかかった…。米ソ軍縮会談の驚くべき裏面を雄大なスケールで活写する、本格軍事情報小説!
ロンドン近郊ヴァーカスター市の大聖堂から16世紀の誤植聖書「ラティマー・マーシー」が盗まれた。折しも、当地で催されるアート・フェスティヴァルのためにやって来た劇作家マルトラヴァースは自分の推理力を試す絶好の機会とみて調査に乗り出した。ところがその矢先、彼の演劇仲間で当地を訪れていた女優ダイアナ・ポーターが姿を消したのだ。しばらく後、彼女の手首とおぼしきものが発見された…。1986年度CWA最優秀新人賞受賞作品!
ザニーが初めて人を殺したのは6歳のときだった。自宅に疎開していた4歳の坊やを池に沈めたのだ。続いてパン屋のおじさんを焼殺ー。だが、だれもザニーの犯行とは思ってもみなかった。彼女があまりにもあっけらかんとしていたからだった。薄々事情を察した両親は、ザニーを修道院の寄宿学校へ入れたのだが、そこでもまた…。英国の気鋭女流が、美少女の心の奥底に潜む魔性をえぐり出す、悪夢のような異常犯罪小説登場!
元国務省の謀報員チャーリー・ブルーワーは、罠にはまり刑務所暮らしをしていた。ある日、彼にイランの謀報員が接近、保釈と引き換えに、ハイテク装置の部品を米国からイランへ密輸してほしいともちかけた。その装置を完成させれば、イランは中東を制覇できるーと。やむなくブルーワーはその危険きわまりない任務に着手した。そして、その瞬間から、米国政府とブルーワーの間に、追う者と追われる者の息詰まる攻防戦が始まったのだった…。エドガー賞作家の最新ハイテク謀略小説。
7月の夕暮れのカイロ。アラブ人テロリスト・グループが合衆国国務次官一行を襲った。が、襲撃は失敗。かわりにアメリカ人の親子マリア・マイケルズとジョーイが誘拐された。マリアはニューヨーク・マフィアのドン、パードレの一人娘だった。合衆国大統領は早速関係者を招集、事態の収拾にのりだすが、一向に進展をみない…。無能な政府に業を煮やしたパードレはついに直接行動に打って出る。部下をひきいてホワイトハウス襲撃を決定したのだ。