出版社 : 批評社
スサノヲ 烈火のごとく怒りてスサノヲ 烈火のごとく怒りて
鬼子母神…人なり山のこがねの石を奪われてしまったが、それでもなお、生きる誇りを呼び戻したスサノヲは、未生以前の矜恃を保ち続けている出雲の里を心の支えに、地に迸る熱と天に放つ光とで、“核なき未来”を切り拓かんとする!
澱河の府澱河の府
天明七年八月の大坂に起った事件が事の発端である。ある明け方、本町橋東詰にある西町奉行所の門前で、有馬家の侍が何者かの手で惨殺された。この侍は曾根崎の色里で湯屋の抱え女郎らを殺したため、有馬家蔵屋敷より奉行所に引き渡されようとしていた。大坂町奉行として大坂城京橋口の東町奉行所に着任した土屋志摩守(冬馬)は、西町奉行所の犯人捕縛に力添えして東町より人数をくりだした。この捕り物の直後、土屋冬馬が道修町の大店を尋ねたところ、この大店の一人娘には四天王寺の御殿に妾奉公にいくという難儀が強制されていた。大坂の闇はどれほど深いのか…。武士の“矜恃と正義と愛”に生きる!土屋冬馬、八重の波乱の行状記。
非器の城非器の城
時は元禄前夜、老中堀田備中守の策謀により、徳川綱吉が五代将軍として歴史の舞台に登場する。凡人にして尋常ならざる性格の綱吉は、手にした権力を恣に行使し、御三家に並ぶ名門、越後高田の松平家を忽ちにして改易する。さらに、大目付渡辺大隅守を大老酒井雅楽頭の身代わりとして八丈島に流罪に処する。水戸光圀はこれを見て、江戸城は「非器の城」になったと嘆いたのだが…。
獅子の虫獅子の虫
田沼意次の嫡男・山城守意知、殿中で斬られる!法制史研究のエキスパートが史料を渉猟して構想した時代小説。武士社会の条理と不条理の狭間で強かに生きる、徳川幕政下の人間模様をミステリアスな筆致で活写する!
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