出版社 : 文芸社
テレビでは連日連夜「小泉首相が平壌を電撃訪問」のニュースが報じられていた。その直後、横浜の寿町の市営アパートで老女が殺された。犯人は、手紙の行方を韓国語で尋ね、老女が否定するとサバイバルナイフで首筋を斬りつけ、立ち去ったー。伊丹夏生は、元陸上自衛隊員で、除隊後、ミャンマーの少数民族、カレン族の解放軍の傭兵として戦っていた。歌舞伎町と新宿西口で焼肉店を経営する朴昇一は、密かに伊丹と連絡を取り、彼の帰国をうながした。伊丹は朴から、寿町で殺された母親のことを話され、殺人の動機となった手紙のコピーを見せられた。その手紙には、なにが書かれていたのか!?北朝鮮の闇を抉る、衝撃の書下ろし社会派ミステリー!
不破竜次は、元新宿署刑事課強行犯係の刑事だった。硬骨な正義感の刑事だった不破は警察内部の不正に安易に妥協しないので、“はぐれ刑事”として、凶悪な犯罪者たちを追い詰めつづけた。ある時、上司の不正を許せず、殴りつけ、辞職した。新宿歌舞伎町のカラオケ店のオーナーとなった不破には、隠れた別の顔があった。卑劣な罠にはまった不運な人たちの代理人として、復讐請負人を裏稼業にしていたのだ。そんな不破のもとに、美しい依頼人が訪れた。夫の仇討だったー長篇ネオ・クライム・サスペンス!!
千丈の堤も蟻の一穴から。一党独裁国家の中国は支配力の弱い周辺部から崩壊をはじめる。はじめは徐々に、だが、台湾戦争で一気に破滅へと突き進む。かつて強大な統一国家だった秦が脆くも崩れ去ったように。だが、台湾戦争は日本にとっても、国家存亡をかけた重大な危機でもある。海洋覇権に活路を求めようとする中国が死にもの狂いで日本、そして米国へ戦いを挑むからだ。中国の魔手は台湾から、次は沖縄へと延びていく。近未来軍事サスペンス、警告の書!
帝国テレビに入社して、憧れの報道局のレポーターになった桜庭よしみだったが、現場中継の最中、たびたび姿を消したため、テレビ局をクビになってしまう。やっとの思いで、富士桜テレビのアシスタント・キャスターとなり、“熱血ニュース”のお天気コーナーを担当することになった。今度こそ失業したくないと願うよしみだが、またしても、本番直前に東京湾アクアラインで大事故が発生してしまう。生活のかかった“正義の味方”は出動するのか!?-そのうえ、B型人間だけを狙う、“B型暗殺教団”が出現した!どうする、スーパーガール!!
いじめで苦しむ子供が少しでも減りますように、優しさに包まれた世界が広がりますように。小学校を舞台にした2つのいじめを描くオムニバス小説。悲しみをかかえるアユミと鮎菜がそれぞれに見出した道は…。子供だけでなく、学校や教師、現代社会に一石を投じる渾身の一作。
誰にでも総決算をして踏み出す決意をする不思議な一年がある。転機は必ずやって来る。受身になるより招きよせれば、未練や不安は消えてゆく。脱サラに向けて歩き始めた、それはダイアナ・スペンサーが事故に遭った年のこと。