2009年3月15日発売
テリー・レノックスとの最初の出会いは、“ダンサーズ”のテラスの外だった。ロールズロイス・シルバー・レイスの車中で、彼は酔いつぶれていた…。私立探偵フィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。何度か会って杯を重ねるうち、互いに友情を覚えはじめた二人。しかし、やがてレノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。が、その裏には哀しくも奥深い真相が隠されていた…村上春樹の新訳で読書界の話題をさらった永遠の名作が、読みやすい軽装版で登場。
鷹狩り中の将軍家治が襲われた。幕閣が混乱する中、大目付・大河内政盛は、失言から老中・田沼意次に謹慎を命ぜられてしまう。その頃、政盛の息子の右京は、恋仲の綾音とともに四国の遍路路で、若者たちを炭鉱にかり出され、圧政に苦しむ領民と出会った。事件の背後に見え隠れする老中と親藩、そして風魔一族。右京は真相にたどり着けるのか?書下し傑作時代活劇。
芸能プロダクションの三十周年パーティで専務の浅井が襲われた。意識を回復した当人は何も覚えていなかったが、その晩死亡した。会場で浅井は浮浪者風の男を追って出て行った。共同経営者である高田、鹿島、浅井を探して対馬から来たという。ついで鹿島も同様の死を遂げた。事件の鍵は対馬に?渋谷署の辰巳刑事は整体師・竜門と対馬へ向かう。好評、辰巳&竜門シリーズ。
京都。修学旅行でグループ行動をしていた七人の中学三年生。知恩院に向かうバスで、その中の一人の女生徒・小野寺冬葉が忽然と消息を絶ったー。二十年後。三十五歳となった六人に、突然、失踪した冬葉からメールが送られてくる。「わたしを憶えていますか?」運命に導かれて再会した同級生たちに、次々と不可解な事件が襲いかかる…。
十五歳の記憶の中の少女はいつも哀しげにフルートを吹いていた。冬葉は生きているのか?彼女が送ったメッセージの意味は?離婚、リストラ、薬物依存、不倫…。過去の亡霊に、次第に浮き彫りにされていく現実の痛み。苦悩しながらも人生と向き合う、六人の三十五歳の闘い。「今」を生きる、すべての人に贈る、渾身のサスペンス・ミステリー。