出版社 : 新人物往来社
明治政界を揺がす陸軍省を舞台にした汚職・贋札事件。それを追う司法省警保寮少警部の謎の死と薩長土肥の暗闘。小栗上野介が秘匿したといわれる財宝をめぐって事件は意外な展開へ…。“秘宝シリーズ”第3弾。サントリーミステリー大賞受賞作家が放つ渾身の歴史ミステリー。
鉢形城攻防を描く歴史小説。天正18年(1590)、北条氏邦(氏康三男)を城主に戴き、豊臣秀吉の大軍を迎え撃つ関東の名族藤田一族は、鉢形城(現・埼玉県寄居町)に拠って勇戦敢闘1ケ月、ついに落城する。その知られざる戦記、藤田一族の秘史を描く大型新人の力感溢れる長編歴史小説。
南北朝争の世に文芸の心を持して生きる兼好法師はきびしく己を律しながらも、また夢みる法師でもあった。あやしく揺れる幻の女人は延政門院一条であり、苛烈な政治家として知られる足利直義との間にも不思議に相通う心の微妙な共鳴があった。異色歴史小説。
1917年4月、ロシア革命の動乱下、トボリスクに幽閉された皇帝ニコライ2世を救出し、“シベリア国家”を樹立すべく日英共同の作戦が立案される。この作戦の打ち合わせのため英国情報部からサマセット・モームが来日。参謀本部第1部長宇垣一成は、日本側の救出隊の隊長に、ハルビン特務機関員でロシア語に堪能な志摩薩之介中尉を選ぶ。そして、この救出隊は姫路の“陸軍懲治隊”の者で編成することを志摩に命じる。“陸軍懲治隊”とは、不良卒ばかりを集めた最低にして最強の囚人部隊である。2カ月の猛訓練の後、志摩を隊長とする1行8名は極寒のシベリアへ…。第5回サントリーミステリー大賞・読者賞のダブル受賞の気鋭が放つ渾身の長編歴史ロマン。
日本赤十字社の社員として大陸に渡った志摩たち救出隊は、オムスク駅で日本大使館補芦田均の出迎えを受け、英国側と作戦を練り直すため、モスクワに向かう。ペトログラードでは、レーニンによって指揮されたボルシェビキが武装峰起、臨時政府を倒して政権を掌握した。一方、元秘密警察の調査部次長ワシリー・イワノフは、甥のゲンリヒ・ヤーダとともに怪僧ラスプーチンが秘匿したというロマノフ王朝の厖大な財宝を手に入れるべく、皇帝一家が幽閉されているトボリスクへ…。果たしてニコライ2世救出は成るか?財宝は誰の手に!シベリアを舞台に息づく間もなく展開する救出行!第5回サントリーミステリー大賞・読者賞のダブル受賞の気鋭が放つ本年度最高の話題作。
明治39年3月25日、米国の富豪ヘンリー・ジフの来日を機に中国の古美術に詳しい一人の老漢学者が失踪した。黒岩涙香の命によりシフの来日目的をさぐる「万朝報」の記者・天童晋介の前に陸軍参謀本部の影が…。シフと接触を図ろうとする功刀参謀本部少佐。そして参謀本部の裏文庫の地下に秘匿されている中国の古美術品の数々…。虹家コレクションとよばれるこの古美術品をめぐって次々におこる殺人事件。虹家コレクションとはいったい何か。その秘密とは…。中国の古美術の謎に挑む気鋭の長篇歴史ミステリー。