出版社 : 早川書房
益田一族がいなければ、日本は四度滅びていただろう@@白村江の戦い、元寇、秀吉の朝鮮出兵、そして幕末の開国と、外敵から日本を護るため、歴史の裏側で尽力した山陰・益田家の、四つの時代の人々を描く連作集。政治、諜報、戦記、そして文明への志の物語。
南北戦争下のルイジアナ。戦場での過酷な体験に苛まれ、伯父の農園で無為な日々を送る外科医のウェイド。殺人容疑を掛けられ、ウェイドの助けを借りて農園から脱走した奴隷女性のハンナ。さまざまな運命に翻弄される彼らが、最後にたどり着いた真実とはーー。
クリスマス間近のある夜、湖畔の町で若い司書のジェニファーが殺された。容疑者は交際相手のトラヴィスで、犯行を認めていた。彼をよく知る地元弁護士のヴィクトリアは、犯行を信じられず、友人の大学教授キャメロンに無実を証明してほしいと調査を依頼する。
仕事はぼちぼちで、海外旅行なんて行けないけれど、ルームメイトと乾杯する小さなテラスはある──『フィフティ・ピープル』のチョン・セランが、明るい未来が見えない世界だからこそ、ささやかな希望を失わずに生きる人々をおかしみをもって描く、掌篇小説集
地下都市に暮らすテリンは、もはや人が住めなくなった地上へ行くことを切望していた。師匠のイゼフが地上の素晴らしい夕焼けの美しさや夜空を横切る星の輝きを教えたから。だがテリンは地上へ行ける"派遣者"になるための試験の直前、不思議な幻聴を体験する
バイク事故で夫を亡くした作家は、20年後、思い出の家を手放す今、再び問いに向き合う。もしも、あのとき別の選択をしていたら事故は避けられたのか? 悲劇の日までの二十数年にわたる結婚生活の「あのとき」の数々を見つめ直す。ゴンクール賞受賞の感動作
1880年、“ニューヨーク・ヘラルド”唯一の女性記者であるエリザベスは、血を抜かれて、ミイラのように布に包まれた女性の遺体を発見する。社交界担当から犯罪担当の記者へと転身した彼女は、ニューヨークの暗部を探る調査を始める。新たな遺体が発見される度に、エリザベスの書いた記事はニューヨークの富豪や有力者たちを巻き込んで話題となるが、連続殺人犯も記事を読んでいるようで、彼女を嘲笑うかのように犯行を重ねていく。愛する家族にも危険が迫るなか、犯人の正体に思い当たったエリザベスだったが…
1985年、アイルランドの小さな町。寒さが厳しくなり石炭の販売に忙しいビル・ファーロングは、町が見て見ぬふりをしていた女子修道院の“秘密″を目撃しーー優しく静謐な文体で多くの読者に愛される現代アイルランド文学の旗手が贈る、史実に基づいた傑作中篇
夏の甲子園出場をかけた京都府大会決勝。木暮東工業のエース投手・権田至の投げたボールが、境風学園の強打者・仁科涼馬の頭部を直撃した。「あんな球、避けられるでしょ」少年はなぜそのような突き放した言葉を放ったのか? 鮮烈な京都青春物語。
平凡な男・【楊偉/ヤン・ウェイ】は、出張先のC市のホテルでミネラルウォーターを飲んだところ腹痛で倒れ病院に連れ込まれる。そこは巨大で得体のしれない不気味な迷宮だった。『三体』著者劉慈欣も瞠目する、中国SF四天王の一角・韓松が放つ不条理SF《病院》三部作開幕篇
どんな難問パズルもたちどころに解いてしまう天才パズル作家マイク・ブリンクは、ある日、心理士のセサリー・モーゼスに刑務所に呼び出される。セサリーの担当する囚人ジェス・プライスが作成したパズルを解いてほしいというのだ。マイクはジェスのパズルを解き明かすが、そのパズルの中には、彼女が助けを求めていることと、世界を揺るがす巨大な陰謀が進行していることを伝えるメッセージが隠されていた。ジェスを救うため、マイクは彼女が犯した殺人事件の再調査を始める。事件の現場となったハドソン川のほとりに建つセッジ館で彼は、13世紀のユダヤの神秘家アブラハム・アブーラフィアが作った奇妙な暗号“神のパズル”にであうが…。“ワシントン・ポスト”が選ぶ2023年のベスト・スリラー。
なぜか年中、雪に閉ざされた町キンバリー・クラーク・ウェイマスは、児童小説の聖地巡礼の地として有名。だが、観光の目玉である関連グッズ店の店主ビリーが店を閉めて引っ越そうとしたことで、不動産業者や作家や探偵やプロの幽霊を巻きこみ、町は大騒動に!
年じゅうクリスマスの町キンバリー・クラーク・ウェイマス最大の観光名所である小説関連グッズ店“ミセス・ポッターはここにいた”。その店主ビリーが店を閉め、町を出ていくー衝撃のニュースに、町は大騒動に!探偵ドラマの影響で優秀な捜査員ぞろいの住人や記者たちは、さっそく調査に乗りだした。そんな町に、幽霊屋敷にしか住まないホラー作家夫妻が興味を示す。幽霊を雇い、ビリーの家を幽霊屋敷に改装する!?そして、この町の危機は『ミセス・ポッターはじつはサンタクロースではない』の著者ルイーズ・キャシディ・フェルドマンその人にも知らされた…。不思議な町の風変わりな人々の物語。
オーレリーは18歳。グルノーブル郊外にある団地に生まれ、地元の大学に入ったばかり。勉学に励み、輝かしいキャリアを進み、両親の属する労働者階級から離れようと思ったのに、待っていたのは、息もできないほどの退屈と孤独だった。「平等社会」とは名ばかりのシステムに閉じ込められただけだった。友達も恋人もできず、鬱々としていたある日、コロンビア人留学生のアレハンドロに出会う。彼を通してオーレリーは外の世界を知るも、アレハンドロはやがて別の地へ行ってしまう。ここにとどまる意味を見失った彼女は、パリへ向かう。華やかな街での惨めな日々が待っているとはまだ知らずにー。経済危機と社会格差にあえぐ世代の人々のリアルを突きつけ、鬼才「ウエルベックの後継者」と評される、フランスの新鋭のデビュー作!
2045年、国際独立市テラ・アマソナスの指導者チェリー・イグナシオが、軍事企業〈グッドフェローズ〉の捕虜を銃殺する。この虐殺をレポートしようとした迫田城兵は事実確認プラットフォームにより配信を拒否されてしまう。果たして人類に何が起こっているのか?
「老いぼれを燃やせ」-老人ホームで暮らすウィルマは視力が衰え、幻覚症状が現れていた。踊り騒ぐ小さな人の群れが見えるのだ。ある日、米国の老人ホーム連続放火事件の報せが入る。やがて彼女の施設も暴徒に取り囲まれ…。「アルフィンランド」-ファンタジー小説シリーズで成功を収めたコンスタンスは、かつて恋人に酷く裏切られた経験があった。そんな彼女が仕組む復讐とは?「蘇えりし者」「ダークレディ」とで三部作を成す。「岩のマットレス」-ヴァーナは退職後、北極圏クルーズ船で旅に出た。そこにいたのは、高校時代に彼女の人生を変えた男。これまで4人の夫を看取ってきた彼女は、ある計画を立て…。「フリーズドライ花婿」-インチキ骨董商のサムには妄想癖があった。自分が殺され女性医師に解剖されるところを思うと、心が癒やされるという。そんなサムがオークション用の倉庫で出くわしたものは?人間心理の闇を見つめ、痛いほど的確に、強烈なユーモアをもって描き出す9つの作品を所収。予言的ディストピア小説『侍女の物語』の著者による傑作短篇集!
1881年、エセックス沿岸のレイ島。医師シメオンは、体調不良に悩む叔父オリヴァーが住む島唯一の建物ターングラス館を訪れ、オリヴァーから衝撃的なことを告げられる。彼の義理の妹で、とある事情から館に監禁されているフローレンスが、オリヴァー毒殺を画策しているというのだ。なぜフローレンスは監禁されることになったのか、そしてオリヴァーが感じる殺意の正体とは。謎を解き明かす鍵は、1939年のカリフォルニア、デューム岬にあるガラスでできた屋敷に住む一家の物語が書かれた小説の中にあるというが…。
1988年、英国の田舎町チャンプトン。英国国教会の司祭ダニエル・クレメントは悩んでいた。教会にトイレを設置するか否かをめぐり、村が真っ二つに分かれてしまったのだ。そんななか、夜の教会で事件が起こる。地主一族ド・フローレス家の関係者が剪定ばさみで喉を掻き切られ殺されたのだ。犯人は村民なのか?動機は一体?ダニエルが司祭として遺族や住民に寄り添い、話を聞くうちに、村の歴史と住民の裏の顔、そして事件の全貌が浮き彫りになっていく…。英国国教会の現役司祭による注目作!
竜の騎手たちが魔法の力で守る国ナヴァール。書記官を目指していた二十歳のヴァイオレットは、軍の司令官である母親の命令で、バスギアス軍事大学で騎手を目指すことに。だがそこは、入学者の大半が過酷な訓練で命を落とす、死と隣り合わせの場所だった!彼女は所属する第四騎竜団(フォース・ウィング)の冷酷で有能な団長ゼイデンにも命を狙われることに。ヴァイオレットを待ち受ける極限状態での恋、友情、そして命懸けの戦いの行方はー。アメリカで400万部以上を売り上げ、書評サイトGoodreadsで130万人が★5.0と評価、この1冊でロマンス要素のあるファンタジー「ロマンタジー」の大ブームを巻き起こした話題のベストセラー“フォース・ウィング”シリーズ開幕。
バスギアス軍事大学の第四騎竜団の候補生たちのなかで、ヴァイオレットは持ち前の頭脳と敏捷さを武器に、危険な戦いを続けていた。だがどんなに能力がある候補生も、竜に選ばれなければ騎手にはなれない。ましてや、小柄で華奢なヴァイオレットは、竜と絆を結ぶことができるのか…?その試煉の日まで生きのびた彼女を、思いがけない結果が待ち構えていた!そんななか、第四騎竜団の団長ゼイデンに、ヴァイオレットは強く惹かれていく。何重にも絡みあった因縁の宿敵である彼にー。Amazon MGM Studiosで映像化進行中!“ニューヨーク・タイムズ”ベストセラーリストに1年以上ランクインを続け、42カ国で翻訳が決定した、大人気ロマンティック・エンターテインメント。