出版社 : 早川書房
"ジャムを演じる"アグレッサー部隊に配属された深井零と雪風はレイフとともに、日本空軍の田村伊歩大尉が駆る飛燕ほか地球連合軍との模擬戦に臨んだ。伊歩のジャム探知能力を高く評価するクーリィ准将は、彼女に雪風を操縦させる思惑を秘めていたが──。
浪人の奥津慶四郎は、郡上領で年貢算定法が変更され、領民が重税に苦しむさまを知る。村を代表する惣次郎を慶四郎は助け、領主の金森頼錦の非道を江戸に訴えるが、頼錦はさらなる圧政で人々を苦しめる。慶四郎は惣次郎が命を賭してとる最後の手段を見届け……
売れない役者の佐枝子は、ホラー映画脚本家の紹介で、都内の団地で頻発する怪奇現象を調査するドキュメンタリー映像のレポーターを務めるが、老婆が斬首されたと噂の部屋で大蛇の這いずった跡を目撃し……ギリシャ神話の世界が現実を侵食するホラーSF大作!
過酷な牢獄から、豪華絢爛な宮殿へ! ロアは突然、妖精の王が開催する太陽妃選考会への参加を命じられる。王の伴侶の地位を得るため10人の候補者が4つの試練を戦うのだ。彼女を待ち構えているのは、死、それとも誘惑? 話題のロマンタジー・シリーズ開幕篇
人気作家のアリスはダブリンを離れて田舎に移り住み、倉庫作業員の男性と知り合う。アリスの親友アイリーンは恋人との別れから立ち直れずにダブリンで鬱々と暮らし、アリスと長文メールを交わすが……。社会の理想と現実の差に苦しむ若者たちを描いた長篇小説
詐欺まがいの投資話でエマやアンから恨みを買うウィカムが、パーティの最中に殺された。キャサリンの娘とエリザベスの息子が嵐で閉ざされた館で起きた怪事件に挑む! 『高慢と偏見』『エマ』『説得』……オースティン作品の登場人物が織りなす正統派ミステリ
アフリカにある動物たちの王国ジダダは、植民地支配から民を救った建国の父オールド・ホースの政権誕生40周年を迎えた。だが、ジダダの民たちは気づいている。この栄光の影で犠牲となる者たちの声を。ブッカー賞最終候補に選ばれたジンバブエ版『動物農場』。
学生時代の友人に再会した作家は、「最期の時間を一緒に過ごしてほしい」と頼まれる。友人は末期がんだった。そして、心の準備ができたら薬を飲んで死を選ぶという。思いがけぬ日々のなかで作家が見たものはーー。全米図書賞受賞作家による感動作。映画化原作
下級騎士のベルベットの家に、10年前、貧しさから侯爵家に養子に出した妹が王子から婚約破棄されて帰ってきた。妹を想い侯爵家へ返したいベルベットだが妹には何か目的があるようで……姉妹愛が世界を救うハートフル異世界ファンタジー登場。書き下ろし短篇付
二十一世紀半ばに文明は滅んだ。山奥の僻村イリス沢に生き残った少数の人々は原始的な農耕と苛酷な封建制の下で命を繋いでいる。そんな時代でも、少女たちは《イリス漫画同好会》を結成して青春を謳歌していた。文明の放課後を描くポストアポカリプス部活SF。
男性が死の間際に「御羊」に変身する一族に仕える「わたくし」はその肉を捌き血族に食べさせることを生業とするアンドロイド。ついに大旦那が御羊になったある日、「わたくし」は儀式の準備を進めるが、一族の者たちは「御羊」に対して複雑な思いを抱いていた
仙界の太白金星に住む李長庚は、観音菩薩の奸計によって天竺へと向かう三蔵法師に八十一の試練を与えることになった。だがそこには、仙界の大物たちが企てる隠された目的が見え隠れしていた。人間界も巻き込んだ壮大な計画の鍵は、孫悟空にあるというが……。
17歳のキアラは、兄と二人暮らし。父は病死、母は獄中。ラッパーを夢見る兄のため、隣家の孤独な少年のため、彼女は職を探す。ある夜、思わぬことから、売春を始める。愛する者を心の支えとして働くキアラだったが、やがて街を揺るがす騒動に巻き込まれ……
2020年、アイスランド。パンデミックの影響でレストランを畳んだクリストファーのもとに一通のメールが届いた。差出人は50年前に突如姿を消した元恋人ミコ。あの日、彼女はなぜ自分のもとを去ったのか。彼女への想いと悲恋の傷を抱え、彼は日本へ向かう。
巨大冷蔵庫で八千万人を未来へ送る計画を描く「時間移民」、『三体』でも活躍した天才理論物理学者、丁儀を襲った衝撃を描く「朝聞道」など全13篇を収録。世界的ベストセラー作家、劉慈欣の卓越した想像力が味わえる『円』に続く日本オリジナル短篇集第二弾!
主人公ロイの住む山間の村。彼の弟カールは、新妻シャノンとともに村をリゾート地へする計画を携えて帰ってきた。リゾート化計画は、村を豊かにするためだとカールは言う。だがロイは、弟の本心は村を支配することにあると察していた。そこに殺人事件が起こり……。
香港返還まで残り2年に迫った1995年、香港の犯罪組織はニューヨークへと活動の拠点を移そうとしていた。マフィアとのつながりを持つ刑事バークは、組織潜入のために香港からニューヨークへとやってきた。だが、ある日、彼は自身の過去を知る人物と出会い……
17歳の運び屋の風子に、ある荷物を運んでほしいという依頼が持ち込まれた。一度走った道をすべて記憶している風子は、持ち前の運転技術を活かして長野県の諏訪を目指す。ヤクザや新興宗教、某国のスパイまでもが荷物を狙うなか、彼女は依頼を完遂できるのか
児童作家のアグネスと親友のポリーには、80年にわたる思い出、お互いに理解できない男たちへの愛憎、心の奥底で分かち合う秘密があった。そこへ若い女性編集者のモードが現れたとき、二人が長年沈黙し続けてきた、この岬で暮らす人々の過去が明らかになる。