出版社 : 早川書房
安奈は、自分にそっくりな女性を町で見かけた。それが奇怪な出来事の始まりだった。後日、探し人のチラシが届き、そこには安奈と瓜二つの顔が描かれていた。掲載の電話番号にかけるとつながったのは…さつきは養護施設で育ち、謎の援助者“足長仮面”のおかげで今まで暮らしてきた。突如、施設に不穏なチラシが届く。そこにはさつきと瓜二つの女性の願が描かれていて…“双生児ダーク・サスペンス”。
近未来英国、フリーカメラマンのティボー・タラントは、トルコのアナトリアで反政府主義者の襲撃により最愛の妻メラニーを失ってしまう。住まいであるロンドンに帰るため、海外救援局に護送されるタラントだったが、道中悪夢のごとき不確実な事象が頻発する。彼の現実は次第に歪みはじめ、さまざまな時代を生きる違う男の人生に侵食されていく。第一次世界大戦中、秘密任務を負うことになった手品師、女性パイロットに恋するイギリス空軍の整備兵、夢幻諸島で名をあげんとする奇術師…。語り/騙りの名手プリーストがこれまでの自作のモチーフを美しいパッチワークのごとくつなぎあわせ、めくるめく世界を生み出した集大成的作品。
エマ・ワトソン、トム・ハンクス主演、2017年11月10日全国ロードショー「ザ・サークル」原作。〈サークル〉によりメイの家族も救われ、すべては順風満帆と思えた。しかし〈サークル〉が推進する各種の運動に、メイは違和感を覚えるようになり……。
ロンドンの住宅街に建てられた奇妙なまでにシンプルな家。新進気鋭の建築家が手がけた、この一切の無駄が廃された家に住む女性たちには、なぜか不幸が訪れるのだったーー。この家にはどんな秘密が隠されているのか? 様々な語りが交錯する、全米ベストセラー
現代日本SF誕生から60周年を記念して、第一世代作家6人の傑作選を日下三蔵の編集により刊行するシリーズ。第2弾は、日本SFの巨大なる父、小松左京。デビュー短篇にして直木賞候補作「地には平和を」、小松自身が最も好きな自作と語る中篇「神への長い道」、そして半世紀前にネットワーク社会の弱点を予見した長篇『継ぐのは誰か?』ほか、人類進化を生涯のテーマとした小松SF傑作中の傑作8篇を収録。
大阪南部を走る路面電車、通称・阪堺電車。なかでも現役最古のモ161形177号は、大阪の街を85年間見つめつづけてきたー戦時下に運転士と乗客として出会ったふたりの女性の数奇な運命、バブル期に地上げ屋からたこ焼き店を守るべく分闘するキャバクラ嬢たち、撮り鉄の大学生vsパパラッチvs第三の男の奇妙な対決…昭和8年から平成29年の現代まで、阪堺電車で働く人々、沿線住人が遭遇した事件を鮮やかに描く連作短篇集。