出版社 : 早川書房
フェイヤーダル人からローダンたちに、惑星プレーンドム訪問を許可する連絡がきた。テストでは合格しなかったにもかかわらず、何者かの介入により、許可がでたのだ。プレーンドムには、行方不明のテラに関して情報を持つと思われる、テルムの女帝の謎を解く鍵があるにちがいない。だが、ローダンのほかに、フェイヤーダル人が指定してきた同行者七人は、異種族との交渉経験のすくない“ソル”生まれの若者ばかりだった。
オッド・トーマスは、海辺の町に引き寄せられるようにしてやって来た。そこで暮らし始めた彼は、海と空が真っ赤に染まる悪夢を何度も見るようになり、桟橋で謎めいた若い女性アンナマリアと出会う。彼女はなぜかオッドのことを知っているようだった。悪夢と関係のある怪しげな男たちから彼女を守りつつ、この町で何が起きているか調べるオッドは、やがて恐るべき陰謀を知ることに!オッドが人生の転機を迎える注目作。
人類がいなくなった海辺で、スノーマンは夢うつつを漂っている。思い出すのは、文明があったころの社会。スノーマンがまだジミーという名前だった少年時代。高校でめぐりあった親友クレイクとかわした会話。最愛の人オリクスとのひとときー。誰がこんな世界を望んでいたのだろうか。そして、自分はなにをしてしまったのだろうか。カナダを代表する作家マーガレット・アトウットが透徹した視点で描き出す、ありうるかもしれない未来の物語。
ワシントンDC。麻薬、貧困、人種間の争いが蔓延する街ー。刑事ラモーンは、この街の犯罪との終わりなき闘いに日々神経をすり減らしている。そんな彼でさえ、やるせなくなる事件が起きた。犠牲者は少年で、しかも息子の友人。事件の解決を心に誓い捜査を始めたラモーンは、二十年前の未解決連続殺人事件との類似点に気づく。さらに他の殺人事件との意外な関連性も浮かびあがった。事件をめぐり、人間の欲望と執念が交錯するなか、明らかになる真相は…。家族の絆を軸に描く、哀切に満ちた傑作長篇。バリー賞受賞作。
21世紀後半、「大災禍」と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、見せかけの優しさや倫理が横溢する“ユートピア”。そんな社会に倦んだ3人の少女は餓死することを選択したーそれから13年。死ねなかった少女・霧慧トァンは、世界を襲う大混乱の陰にただひとり死んだはずの少女の影を見るー『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。第30回日本SF大賞受賞、「ベストSF2009」第1位、第40回星雲賞日本長編部門受賞作。
元ボクサーのジョーはヴァンクーヴァーの高級ホテルで警備責任者を務めている。かつて経営者のレオを何者かの襲撃から護ったのがきっかけだった。ある夜、ホテルでレオの愛人だったメイドが殺される事件が起きる。ジョーは犯人探しを命じられるが、鍵となるレオの過去には濃密な死の香りが満ちていた…。ダークスーツがよく似合う、謙虚でクールなニューヒーロー登場!MWA賞に輝くスタイリッシュ・ハードボイルド。2010年のアメリカ探偵作家クラブ“MWA”賞最優秀ペイパーバック賞受賞作。
私立探偵サニー・ランドルがジェッシイのもとを訪れた。パラダイスの新興宗教団体に入信した娘を連れ戻してほしいという両親の依頼を受けたのだ。だが、その両親も心配なのは世間体で、娘に対する愛情は薄い。サニーはジェッシイの協力を得ながら娘のために奔走する。一方、ジェッシイはギャングの下っ端が射殺された事件の捜査に着手した。殺された男のボスは、奇妙なことに別のギャングのボスと隣同士に住み、美しい双子の姉妹をそれぞれ妻としている。ボスたちの邸宅へ聞き込みに訪れたジェッシイが見たのは、嫉妬をおぼえるほど幸福そうな二組の夫婦の姿だった。しかしその直後、くだんのボスの一人が先の殺人とよく似た手口で殺されているのが見つかる。不自然な共存を続けるギャングたちの中でいったい何が起きているのか…。プロとして仕事に邁進するジェッシイとサニー。お互いに破れた愛を引きずってきた二人は、いかなる未来へ向かうのか。愛と警官魂の物語ー巨匠ロバート・B・パーカーによる警察署長ジェッシイ・ストーン・シリーズ、ここに終幕。
「あなたはとことん見下げ果てた人間です」私は二十ドルぶんの通貨を、デスクの向こう側に少し押し出した。「君は二十ドルぶん、彼のことを案じていた。しかし何を案じているのか、もうひとつよくわからない」行方不明の兄オリンを探してほしいー私立探偵フィリップ・マーロウの事務所を訪れたオーファメイと名乗る若い娘は、20ドルを握りしめてこう言った。いわくありげな態度に惹かれて依頼を引き受けることとなったマーロウ。しかし、調査を開始した彼の行く先々で、アイスピックでひと刺しされた死体が!謎が謎を呼ぶ殺人事件は、やがてマーロウを欲望渦巻くハリウッドの裏通りへと誘う…。村上春樹が「愛おしい」作品と呼び、翻訳を熱望した『かわいい女』、ついに半世紀ぶりの新訳なる。
ワリク・カウクの調査報告によれば、黒い宇宙船であらわれた異人は、ノルウェーのナムソスに謎めいた基地を建設していた。地球侵略にひとしい行為を許すわけにはいかないと、アラスカ・シェーデレーアたちも、研究者ドウク・ラングルの調査船でナムソスに向かう。異人の目的はなにか。人類失踪との関連は?テラ・パトロールのメンバーが一丸となって解明しようとした矢先、ラングルの命を狙うべつの存在があらわれた。
サンダル木の精霊フォーンのフォレストは、ある日友人の木靴木のフォーンが失踪してしまったことを知る。守護精霊を失った木靴木は、このままではおぞましいマンダニアの木と同じになってしまう!木を助けるには、新たな守護精霊になるフォーンを見つけるしかない。よき魔法使いハンフリーの助言に従い、フォレストは夢馬のインブリとともに、アイダ王女の頭のまわりをまわる不思議な世界ープテロへと旅立つが…。
解き放たれた“破壊”神が、人々を戦わせ世界を破滅に導いている。隠された貯蔵庫を探し求めるエレンドとヴィンは“西領”ファドレクス・シティの舞踏会で、街の支配者ヨーメンと対峙する。いっぽう“北領”のウルトーは、ケルシャーを崇拝する“同志市民”クェリオンが支配していた。貯蔵庫を探してこの街に来たセイズドとブリーズは、先に潜入していたスプークと合流するが?!さまざまな謎が明かされゆく怒涛の第二巻。
先の大戦の激戦地だった太陽系辺境の小惑星セドナには、今も膨大な数の遺骨が眠る。ゴロこと尾野碁呂空曹は、任務中の事故で脳に障害を負い、この星に赴任した。穏和な老人イーイーさん、旧型アンドロイドのクイミクと、たった3人でセドナに暮らし遺骨を収集する日々。ナノマシンの嵐で独自進化した生態系を持つこの星と、3人の鎮魂の祈りが深く共鳴するとき、ささやかな奇蹟が結晶するー俊英作家の癒しと再生の物語。
妻ジュリーの親族に招かれメキシコの田舎を訪れたギデオン夫婦。だが平和なはずのその村で、不審な死体が二体も見つかっていた。銃創があるのに弾の出口も弾自体も見当たらないミイラ化死体と、小さな村なのに身元が全く不明の少女の白骨死体だ。村の警察署長の依頼で鑑定を試みたギデオンは次々と思わぬ事実を明らかにするが、それを喜ばぬ何者かが彼の命を狙い…一片の骨から迷宮入り寸前の謎を解くスケルトン探偵。
その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く…そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。新訳決定版。
ローダンたちは惑星マクントに足どめされたまま、身動きできずにいた。バリアに阻まれ、アトラン率いるSZ=1に連絡することもできない。トバールグの出方を待つばかりという状況のなか、乗員たちはしだいに退屈しはじめた。そのひとり、ガルト・クォールファートは、世話係のポスビやマット・ウィリーの手を逃れて船内をうろつく。しかし結局は捕まってしまい、例のとおり緊急外科手術をほどこされることになるが…。
“神智圏”の化身、上位存在たるプロスペローにより、ハーマンは古典的人類へ伝達すべき大量の知識を脳内に詰めこまれた。彼は愛しい妻アーダのもとへ帰るべく、果てしなき旅に出る。一方、イリアム平原における戦況は激変していた。怒れる神ゼウスが、ヘラをはじめギリシア勢を支援する神々に鉄槌を下したのだ。神々の庇護を失なったギリシア軍勢は、今にも壊滅しそうに思われたが!?巨匠のSF叙事詩、ここに堂々完結。
16年前、高名な画家だった父を毒殺した容疑で裁判にかけられ、獄中で亡くなった母。でも母は無実だったのですー娘の依頼に心を動かされたポアロは、事件の再調査に着手する。当時の関係者の証言を丹念に集める調査の末に、ポアロが探り当てる事件の真相とは?過去の殺人をテーマにした代表作を最新訳で贈る。
野良猫オルドウィンはいつでも腹ぺこ、食べ物をくすねては追われる日々だ。だが、そんな孤独で危険な暮らしはとつぜん終わる。ちょっとした偶然から、魔法使いの弟子ジャックの使い魔として選ばれたのだ!魔法使いと相棒のファミリアは強い絆で結ばれ、魔法の能力でたがいを助けて偉業を達成する。魔法なんて使えない、けれどジャックといっしょにいたいオルドウィンだが…。そんなある夜、ジャックたち三人の弟子がさらわれてしまう。相棒の魔法使いたちを助けるため、ファミリアの三びきは旅に出ることに。猫のオルドウィンと、アオカケスのスカイラー、そしてアマガエルのギルバート。動物たちの長くきびしい旅が今、はじまる!全米の大人と子どもが絶賛する、傑作冒険ファンタジイ。