出版社 : 早川書房
東京スカイツリー崩壊!? 歴史の闇に隠されていた世界最古の遺物〈郭公の盤〉をめぐって不気味な欲望と忌まわしき陰謀が交錯する。二人の鬼才が想像の限りつくした、奇想と怪異の現代伝奇ロマン!
16世紀中国、明王朝末期、ときの皇帝、正徳帝は暗殺を恐れて、四人の影武者を引き連れて、すべての行動を行なっていた。「五札の君」と呼ばれる彼らは、帝とその完璧な複製であり、皇后や側近でさえ、見分けがつかないほどであった。ある日、帝の寵愛する天文学者が新星を発見する。学者によると、この星は国の破滅の前兆を示しているという。先帝に倣い、都を離れて凶星の消失を待つことにした帝は、南方へ狩猟の旅に出発する。帝ら五札の君を乗せた巨大な船には、三百人の宮女を娼婦にした色街が再現されており、道中「孔子の空中曲芸」なる奇妙な行為が行なわれていた。その行為を行なっているのは帝なのか、それとも、影武者なのか…?パリ在住中国人作家の著者が、明王朝滅亡の要因をつくったとされる第11代皇帝の人生を、虚実ないまぜて描いた艶笑譚。
残虐なドルージャン王の後宮から無事イムリールを救出したフェードル。そして一行は“唯一の神”の御名をもとめ、目的地を南の辺境サバへとさだめた。しかし厳しい自然環境と異邦の古き民にはばまれ、旅は想像を絶する過酷なものとなる。はたしてフェードルは御名を手に入れて天使ラハブの呪いを解き、旧友ヒアシンスを解放できるのかー荘厳なるクライマックスが待ち受ける、話題の歴史ファンタジイ・シリーズ完結篇。
“ソル”はケロスカーの計算者ドブラクの力を借りて、ふたたび地球を探す旅に出た。その途中で、未知の宇宙船の大編隊に包囲される。細長く優美な外観を持つ異船をあやつっていたのは、未知銀河の惑星クマントに住む種族、トバールグだった。かれらの意図もわからないまま、ローダンたちはクマントへの着陸を余儀なくされてしまう。タッチャー・ア・ハイヌはダライモク・ロルヴィクとともに、惑星の偵察に向かったが…。
2022年、経済危機や戦争で混乱状態にあった地球を、突如地殻変動と疫病が襲い、世界は崩壊した!そしてこの災厄こそ、異星生命体クリアンが引き起こしたものであった。生体エネルギーを食料とする彼らは、またたくまに全世界を支配し、人類はその食料と化した。だが、この怖るべき敵とその配下の怪物たちに立ち向かう者がいた。人間の持ち特殊能力を顕在化させた戦士の軍団ー“狼”“猫”“熊”たちが敢然と戦いを挑んだのだ。
ミシンと手芸の店を営むステラおばさんの裏稼業、それは女性を苦しめるクズ男に過激な天誅を下すこと!ある日、以前助けた若妻クリッシーが子供を別居中の夫にさらわれたと泣きついてきた。どうやら徹底的なお仕置きが必要ねーだが、その夫は怪しげな犯罪組織と関わっているようで…ヤバい奴らを向こうに回し、ステラとクリッシーの熱い戦いが始まった!!タフな毎日を生き抜く女性たちへ、主婦作家が贈る応援歌。
人口のほとんどが女性で占められているオヴァロンの惑星に、フラグメント船とともに着陸した“ファラオ”の男性乗員たちは、思いもよらぬ攻撃をうけていた。結婚相手を求めるオヴァロンの惑星の女性たちが、あの手、この手で男性乗員を誘惑しつづけるのだ。いっぽう、レジナルド・ブルは、もうすぐ帰還するはずの“ソル”のために、宇宙船の燃料製造施設を作ろうと考え、オヴァロンの惑星の執政官と交渉を開始するが…。
遥か未来の地球、古典的人類たちは女主人アーダが暮らす邸宅アーディス・ホールに集い、殺戮機械へと変貌した下僕ヴォイニックスの攻撃に備えていた。武器を用意し、柵を築き、なんとしてでも最後の砦を守らんとする人類たち。だが脅威は音もなく迫り来つつあった。一方、英雄アキレウスは死せるアマゾンの美しき女王、ペンテシレイアを蘇らせんとしてオリュンポス山麓を訪れるが…。巨匠の壮大なるSF戦乱絵巻第2巻。
エルフ、ドワーフ、人間など異種族が入り乱れるこの大陸で、北方諸国は南のニルフガルド帝国の侵攻を受けた。激しい戦争がシントラ国の犠牲のすえ幕を閉じた二年後、魔法剣士ゲラルトは、人里離れた砦で少女シリに訓練を授けていた。折しもゲリラ集団が跳梁し、短かった平和が綻びつつあるなか、シリを狙う者の魔手がそれぞれに忍び寄るーポーランドを代表する作家による、大ヒットゲームTHE WITCHER原作。デイヴィッド・ゲメル・レジェンド賞受賞。
なぜ私なの?-賭博師シェルの奸計により少女娼婦バロットは爆炎にのまれた。瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にして万能兵器のネズミ、ウフコックだった。法的に禁止された科学技術の使用が許可されるスクランブルー09。この緊急法令で蘇ったバロットはシェルの犯罪を追うが、そこに敵の担当官ボイルドが立ち塞がる。それはかつてウフコックを濫用し、殺戮の限りを尽くした男だった。代表作の完全改稿版、始動。
少女は戦うことを選択したー人工皮膚をまとい、高度な電子干渉能力を得て再生したパロットにとって、ボイルドが放った5人の襲撃者も敵ではなかった。ウフコックが変身した銃を手に、驚異的な空間認識力と正確無比な射撃で、次々に相手を仕留めていくバロット。しかしその表情には強大な力への陶酔があった。やがて濫用されたウフコックが彼女の手から乖離した刹那、ボイルドの圧倒的な銃撃が眼前に迫る。緊迫の第2巻。
それでも、この世界で生きるーバロットは壮絶な闘いを経て、科学技術発祥の地“楽園”を訪れ、シェルの犯罪を裏づけるデータがカジノに保管された4つの100万ドルチップ内にあることを知る。チップを合法的に入手すべく、ポーカー、ルーレットを制してゆくバロット。ウフコックの奪還を渇望するボイルドという虚無が迫るなか、彼女は自らの存在証明をかけて、最後の勝負ブラックジャックに挑む。喪失と再生の完結篇。
メイン州の森の若き猟区管理官マイクの留守番電話に、ある夜疎遠だった父からの伝言が残されていた。息子を捜す切迫した声ー翌朝マイクは父が殺人の容疑者となったことを知る。密猟をはじめ軽犯罪の常習犯である父だが、殺人者ではないはずだ。森へと逃げ込んだ父の無実を信じ、必死の調査を続けるマイクの思いは報われるのか?父子の葛藤と青年の成長の物語の中に、自然と人間への愛が深く息づく感動のサスペンス。
波瀾にみちた幼年時代を送った少女ゾーイは、コロニー防衛軍を退役したジョンとゴースト部隊出身のジェーンの養女となり、植民惑星ハックルベリーで幸せな日々を送っていた。やがて両親とともに新たな植民惑星をめざすが、宇宙船は目的の星に到着しなかった。しかも、ゾーイたちは思いもよらない陰謀にまきこまれていく…『最後の星戦』をゾーイの視点から描き、その知られざる冒険の旅を明らかにするシリーズ第四弾。
すべての子どもたちが人工授精で誕生し、掌にノードを埋め込まれて生活する時代。人々はノードを介して情報や思念を交換する。中2の少女、不動火輪と滝口兎譚は授業の自由課題で小学校の遠足バス転落事故を調査し、死亡前の生徒の思念記録を偶然手に入れた。その記録に関わる大きな陰謀と、二人の家庭の事情が複雑に絡み、遂に事件は勃発するー大人世界の不条理に抗う少女たちの絆を描く、俊英作家の新世代青春小説。
死んだほうがいい。死にたくない。生き残るー。“天国への階段”をシンボルとするマルドゥック市。ある夜、少女娼婦ルーン=バロットは、賭博師シェルの奸計により爆炎にのまれる。瀕死状態の彼女を救ったのは、委任事件担当者にしてネズミ型万能兵器のウフコックと、ドクター・イースターだった。一命をとりとめたバロットはシェルの犯罪を追うが、その眼前に敵の事件担当官ボイルドが立ちはだかる。それはかつてウフコックを濫用し、殺戮の限りを尽くした因縁の相手だった。壮絶な銃撃戦の果てバロットとウフコックは、シェルが運営するカジノで自らの有用性をかけた勝負に挑む。過去の自分と向き合い、生きる意味を考え始めたとき、バロットの最後の闘いが幕を切ったー。少女の喪失と再生を描いた著者の最高傑作に、大幅な改訂を加えた新版、堂々刊行。