出版社 : 朝日新聞出版
北町奉行同心の夫を亡くしたうめは、堅苦しい武家の生活から抜け出して独り暮らしを始める。気ままな独身生活を楽しもうと考えていた矢先、甥っ子の隠し子騒動に巻き込まれ、ひと肌脱ぐことを決意決意するが…。遺作にして最後の長篇時代小説。
両国の川開きの日、船頭・多吉の屋根船に乗り移った浪人は、商家の旦那を殺して姿を消した。幼馴染みで同心の音之進と調べ進めるうち、その男は堂々と姿を現すが、それと呼応するように、多吉に想いを寄せる女中のお文が何者かに連れ去られ…。人気シリーズ第四弾。
ある女性の周辺で起きた不可解な死は事件か事故か、それとも“呪いによる殺人”なのか?杉下右京と冠城亘が隠された真相を追う「守護神」、煙のように消えた男の捜索依頼を受けた二人が、独特なシガーの香りを手掛かりに連鎖する事件を解き明かしていく「チェイン」、冴えない保険営業マンが余命宣告され、今までしたくてもできなかったことをしようと企む「人生のお会計」など6篇を収録。
老中だった父の横死に絡む御家騒動のため、公儀に病死と届けられ、居場所を失った大垣沖信。彼は月島真十郎と名を改め、用心棒稼業に身をやつすが、やがて幕府内に蠢く悪事に単身斬り込んでいく!父の復讐に燃える真十郎の剣が私腹を肥やす悪を薙ぐ、書き下ろし新シリーズ。
夏でも雪と氷河に覆われる“北部辺境区”で、Dは戦闘士バレンから「“神祖”が残した六つの“道標”を辿れ」と告げられた。道標を手に入れると、貴族にならずとも不死になれるという…。それを狙う者、そしてそれを護る貴族たちとの闘いに、Dは自ら身を投じていく。“神祖”の目的は何か?六つの道標の先にあるものとは!?
人並みの感情を失った代わりに、あらゆる情報を瞬時に記憶する能力を得た監察官・小田垣観月。彼女は二年前のブラックチェイン事件に絡んだ爆弾の行方を追い、証拠物の巨大保管庫“ブルー・ボックス”を探るが、いつしか警察内部に斬り込むことになり…。新シリーズ第一弾!
目をこらすと今も見える鬱蒼とした原宿の館に出没する女の子、二〇世紀を生き抜いたミシン、おじいちゃんの繰り返す謎の言葉、廃墟と化した台湾人留学生寮。温かいユーモアに包まれ、思わず涙があふれる7つの幽霊連作集。
女性事務員ネゴロ、塾通いの小学生ヒロシ、若手サラリーマンのフカボリ。ビルの物置き場で、3人は物々交換から繋がりができる。そんなある日豪雨警報が流れー。古ぼけた雑居ビルに集う見知らぬ者同士のささやかな交わりを温かな手触りで描いた長編小説。
孫娘の婚約騒ぎ、娘婿の浮気、演劇に傾倒する末息子。隠居中でもおばあさんの悩みはつきないが、人生の荒波をくぐりぬけた、明治生まれの女性の知恵と気骨としたたかさで家族の厄介事の解決に奔走する。昭和初頭の家族をユーモア満点に描いた痛快小説。
大分から上京し大都女学校に赴任した新米教師の信子。初めての東京生活に戸惑い、学校を二分する校長と教頭の勢力争いに巻き込まれ、一筋縄ではない寮の女生徒たちに手を焼きながら、信子は持ち前の度胸と真っ直ぐさで奮闘する。爽快な女版『坊っちゃん』。
アストラギウス歴7215年。2年の停戦の後、ギルガメス、バララント両星域軍は、再び戦火を交えようとしていた。ギルガメスの首星メルキアでは再徴兵が開始され、これに反対する勢力の鎮圧には、実戦テストを兼ねて新型A・Tが投入された。そのひとつ、桁外れのパワーと、青の騎士に対する異常な反応とで周囲を驚かせたW-1には、人類の運命を左右する恐るべき秘密が隠されていた。名作アニメ『装甲騎兵ボトムズ』のインサイド・ストーリーが復活!幡池裕行氏の挿画も完全収録!!
大戦再開を機に両陣営の人類を根絶やしにし、一型装甲兵士が生み出す新人類にアストラギウス銀河を支配させるーロリンザーの手で進められている、この恐るべき『メルキア騎士団計画』を阻止するために、ケインは軍基地を次々と爆破していった。だが、孤独な戦いを続けるケインの前に、究極兵器レグジオネータに搭乗するK’が立ち塞がる…。名作アニメ『装甲騎兵ボトムズ』のインサイド・ストーリーが復活!幡池裕行氏の挿画も完全収録!!
「江戸が終わって20年。妖たちがそう簡単にいなくなると思うかい?」モダン銀座の派出所に勤める巡査・原田と滝の元へは、瞬く間に成長する少女や鎌鼬に襲われた噂など、不思議な厄介ごとばかり持ち込まれて…!?ゾクゾク妖怪ファンタジー、第1弾。
ゴミ屋敷での変死事件を捜査する、警視庁特別取締官の星野美咲。その現場で、生物学者兼獣医の相棒・鷹木晴人が注目したのは一輪の白い花だった。一方で美咲は、被害者の息子夫婦の挙動に微かな違和感を抱く。その二つが結びついた時に現れる、おぞましき犯人像とは?
小規模なテロが頻発するようになった日本。実行犯たちは実生活では接点がないものの、一様に、冷たい社会に抵抗する“レジスタント”と称していた。テロに関わらざるをえなくなった、それぞれの人物の心象と日常のドラマを精巧に描いたエンターテインメント大作。
時は戦国時代。出雲の山奥で、幻の鋼づくりを代々継承してきた家の跡とり・伍介。乱世の中で己の無力を噛み締めた青年は、村を守る力を得るため、侍になるべく一人旅立つ。劇団EXILE・青柳翔主演、モントリオール世界映画祭で最優秀芸術賞受賞の映画を完全ノベライズ。
夜の公園で池に飛び込もうとする全裸の女。特命係の亀山薫が駆けつけたが、そこに女の姿はなかった。その代わり、池の中から頭蓋骨が見つかってしまう。幽霊の仕業?とても信じてもらえないと思いつつ、薫が冗談交じりに話してみると、杉下右京は並々ならぬ興味を示して…。
九州豊後・安見藩の女医である桑山伊都子は、目付方の椎野吉左衛門から藩重臣の佐野家一族の女たちを“生かす”よう命ぜられる。佐野家当主の了禅と一族の男子は藩主に叛旗を翻し、ことごとく上意討ちとなっていた。生き残った了禅の妻ら佐野家の女たちは白鷺屋敷に軟禁されており、伊都子は傷を負った者の治療も担っていた。佐野家の嫁や女中のなかに懐妊している女子がいるらしく、安見藩お世継ぎ問題とも関わりがあるようだ。やがて、死んだとされていた次男・千右衛門が生きているとのうわさが流れ、白鷺屋敷に烏天狗の面を被った曲者が忍びこむが、何者かに殺されてしまう。面の下から現れたのは…。