出版社 : 東京創元社
戦後、東京。 暗闇の底に灯る一瞬の生の輝き。 占領と復興の十年、名もなき人々の 人生と犯罪を描破する珠玉の六編。 ある男は、上海から空輸されたダイヤモンドの行方をめぐって追手から逃げるーー飛行士として空を駆けた日々に思いを馳せながら。 ある少年は、みずからと似た境遇の浮浪児を集めて地方の農家に身売りするーーそれが彼らにとっての幸福に違いないと信じながら。 ある女は、紙芝居の出版社で働く傍ら許婚とともに義兄の帰りを待ち続けるーー父のいなくなったこの国で自由とは何か悩みながら。 一九四五年、第二次世界大戦の終結とともに被占領国となった日本の状況は一変した。あらゆるものを失い、時に犯罪に手を染めてもなお、生きるために人々はもがく。惨めにも、時に気高く。占領と復興の十年を駆け抜けた名もなき人々の生を描破する珠玉の六編。 ■収録作品 「幽霊とダイヤモンド」 「少年の街」 「手紙」 「軍人の娘」 「幸運な男」 「何度でも」
読書メーター読みたい本ランキング第1位 (月間 単行本部門 集計期間:5月2日ー6月1日) 『52ヘルツのクジラたち』本屋大賞受賞作家、町田そのこ最新作! ずっと夜のままかもしれない。 そう思ったあの日、 あなたがわたしの光になった。 自分の居場所を探し続ける人々をあたたかく照らす、 本屋大賞受賞作家による、心ふるえる傑作小説。 蛍が舞う夏祭りの夜──山間にある小さな町に暮らす中学生の坂邑幸恵と桐生隆之は、生きるために互いの秘密を守り合うことを決めた。それから十五年後、大人になった幸恵と隆之の予期せぬ再会が、家族や友人、町の人々の人生に大きな影響を与えていく。明かせぬ秘密を抱え、思い描いた道のりではなかった。それでも、この小さな光が照らす世界を大切に生きたい。一人一人のささやかな祈りを描いた、心震える傑作小説。
懐かしくも恐ろしい恐怖を掻き立てる名著『怪談』 その真髄を再現し、読者の意表をつく戦慄を与える 令和の『新・怪談』、ここに誕生! ーー東雅夫(アンソロジスト/文芸評論家) 日本ホラー小説大賞受賞作家が 新境地を切り開く、傑作ホラー短編集 会社員の森下は、単独登山中に滑落死した同僚・能見香織の慰霊のため、上司と先輩の三人で雪山に赴く。山荘の主人から、「この山には遭遇した人間に〈問いかけ〉をする雪女の伝説がある」と聞かされた翌日……(白い吐息 新釈「ゆきおんな」)。大勢の死者を出したツアーバスの事故から、奇跡的に生還した芳一。後遺症で視力を失うも、一躍脚光を浴びて……(午前零時の講演会 新釈「耳なし芳一」)。その他「ろくろ首」「水飴を買う女」「貉(むじな)(のっぺらぼう)」と、有名作をモチーフにした全五編を収録。小泉八雲の代表作『怪談』刊行から約百二十年、妖しくおぞましい世界が令和に蘇る! ■収録作品 「白い吐息ーー新釈「ゆきおんな」」 慰霊登山に向かった会社員たち。山荘で「この山には雪女の伝説がある」と聞かされた翌日…… 「デラシネの頭骨ーー新釈「ろくろ首」」 不可解な殺人事件と二つの失踪事件を、刑事が追うが…… 「マイ・ファミリーーー新釈「水飴を買う女」」 仲が冷え切った夫婦。妻が夫に、「勤め先に水飴を買う女の幽霊が来る」と言い出し…… 「午前零時の講演会ーー新釈「耳なし芳一」」 多くの死者を出したバス事故の生還者が、次々に事故死し…… 「『贖罪(しょくざい)』という名の人形ーー新釈「貉(むじな)(のっぺらぼう)」 急逝した人形作家の追悼展に、夜な夜な幽霊が現れて……
恐喝者は血を流して倒れており、 発見した捜査官も何者かに襲われる。 自らも当事者になってしまった 捜査官シグルデュル=オーリは 複雑に絡んだ事件を解きほぐせるのか。 世界じゅうを魅了する、北欧ミステリの巨人による 〈犯罪捜査官エーレンデュル・シリーズ〉第8弾 レイキャヴィク警察の犯罪捜査官シグルデュル=オーリは、友人から厄介な相談を受けていた。妻の姉夫婦がいかがわしい写真を撮られ、それをネタにゆすられている。表沙汰にならないように写真のデータを取り戻してほしいというのだ。恐喝者である女性の家に行ってみると、女性は頭から血を流して倒れており、シグルデュル=オーリ自身も何者かに殴られて昏倒してしまう……。犯罪捜査官エーレンデュルが行方不明のなか、同僚のシグルデュル=オーリが自らが巻き込まれた殺人事件の捜査を進める。 北欧ミステリの巨人の人気シリーズ第8弾。訳者あとがき=柳沢由実子
大倉崇裕、辻堂ゆめ、米澤穂信 三選考委員絶賛! 一杯二千円のコーヒーを 連日注文する男の目的とは? ‟推理合戦”を楽しむ 桜戸大学ミステリ研究会の二人組が 日常で出合った五つの謎。 第1回創元ミステリ短編賞受賞作を収録した青春ミステリ短編集 一杯二千円もするコーヒーを週に三度注文しては、飲み残していく客「朝からブルマンの男」、途中下車して遅刻しそうだった友人が、先に行った自分となぜか同時に高校入試の会場に到着した「受験の朝のドッペルゲンガー」、単身赴任中の父親が帰宅する金曜日の夕食だけ味が落ちるという、郷土料理研究会の会員宅のご飯の秘密「ウミガメのごはん」など、桜戸大学ミステリ研究会の二人組が出合った謎を描く全五編を収録。謎の魅力、推理する楽しみを詰めこんだデビュー短編集。 ■収録作品 「朝からブルマンの男」 「学生寮の幽霊」 「ウミガメのごはん」 「受験の朝のドッペルゲンガー」 「きみはリービッヒ」
どうやら俺は、人間としては、 こいつのはじめての友人になったらしい。 皆川海。ランス・ファーロング。 不思議の国イギリスで、彼らの‟冒険”が幕を開ける。 著者の初期作品を代表する人気シリーズを初単行本化。 書き下ろしを含む短編5編を増補した愛蔵版! イギリスで遭遇したのは妖精や精霊、そして頻繁に倒れる赤毛の青年だった。英国ウィッツバリーに留学した皆川海(ミナガワ・カイ)は、自宅に現れた妖精を追い出すために叔母が呼びつけた英国特別幻想取締報告局のランス・ファーロングと出会う。ともに幻想的生命体を見る能力を有するふたりの青年が“ファンタズニック(幻想事件)”と向き合ってゆく姿を描いた傑作ファンタジイ! 全6巻の文庫(ポプラ文庫ピュアフル刊)を2巻ずつ収め、書き下ろしや未収録の短編を増補。さらに新たな著者あとがき、文庫版に続いてカバーイラストを手掛ける人気イラストレーター、ハルカゼさんによる描き下ろしカラー口絵2点も収録した、全3巻の愛蔵版です。 ■1巻収録 「ファンタズニック」 逃げるように日本から英国に渡ったカイが出会ったのは、妖精やゴーストがらみの不思議な出来事と、それを扱う英国特別幻想取締報告局の青年ランスだった。 「ミッドサマー・イヴ」 夏至前夜が近づくと妖精たちは各地でイタズラをし、人間を惑わせる。どうやら今年はカイとランスが住むウィッツバリーに妖精の国への道が現れるらしく……。 【1巻書き下ろし短編+未収録短編紹介】 「ひとつ屋根の下」(書き下ろし) ミニトマトとパンとビーフジャーキーだけを摂取し続けるランスの生活に、ついにカイが我慢の限界に。 「テディベア」(未収録) 「報告局の子どももテディベアといっしょに寝たりすんの?」というカイのなにげない問いがここまでややこしい話になるとは……。 「月夜の銀貨」(未収録) 妖精によって道に迷わされたときには、服を裏返しに着ればいい……はずだったが!? 「She is here.」(未収録) 死んだ妻と話していると言い張る5歳の娘が姿を消した。探し回る父の前に現れたのはカイと名乗る日本人の青年だった。 「‘What’s he like?’」(書き下ろし) 故郷を遠く離れ、ウィッツバリーでひとり暮らす皆川鞠子のもとに、何年も会っていなかった甥の海がやってきた。戸惑う鞠子だったが……。
誰もいないはずの家で聞こえる 襖が開閉する音、 触れていないのに落下する遺影、 ひとりでに動くこけし、 そして鏡に映る黒い人影 「ベストホラー2024」(国内部門) 『このホラーがすごい!』2025年版(国内編)宝島社 第1位の『深淵のテレパス』に続く 〈あしや超常現象調査〉シリーズ待望の続編! 「あしや超常現象調査」の芦屋晴子と越野草太は、古い一軒家でポルターガイストに悩まされる人物の依頼を受ける。世界で起こったポルターガイスト現象から法則性を導き出し、独自の対策を編み出して超常現象に立ち向かう二人。やがて現象は収束した……と思った矢先に、依頼人が失踪してしまう。さらに晴子と越野の周囲までもが奇怪な現象に蝕まれ始め──。 「ベストホラー2024」(国内部門)、『このホラーがすごい! 2025年版』(国内編)で1位に輝いた『深淵のテレパス』に続く、〈あしや超常現象調査〉シリーズ第2弾!
五人に何があったのか 事件はなぜ起きたのか 関係者の証言から展開される、息を呑む心理劇 『慟哭』『愚行録』の著者、新たなる到達点 避暑地の別荘で、事件は起こった。三十歳を間近に控え、久しぶりに顔を揃えた五人の男女。インターナショナルスクールで出会って以来二十年以上の付き合いになる重成、聡也、梨愛、夏澄、雛乃は、海外赴任が決まった重成の送別も兼ねて、葉山にある聡也の別荘で旧交を温めていた。ところが深夜、雛乃が頭から血を流した状態で死体となって発見される。続けて梨愛が「私が殺したの」と告げ、警察に連行されてしまう。五人の関係は、一夜にしてひとりが被害者に、ひとりが被疑者になる悲劇へ転じた。幼馴染みの面会も拒否し、殺害の動機を語ろうとしない被疑者。弁護士は、残された関係者三人の証言をあつめる。しかし、同じ出来事を語っていても、当事者たちの思惑は三者三様に異なり、証言を重ねるごとに人物像と関係性はめまぐるしく変貌していく。果たして五人の間には何があったのか。あの夜、なぜ事件は起きたのか。関係者の証言から展開される、息を呑む心理劇の結末はーー。
あなたが集めてきたものは、決して無駄なんかじゃない ペットボトル飲料のおまけ収集を通じて生まれた、 孤高な同僚との交流を描いた表題作をはじめ、 一見価値のないものを大切にする人々の姿を 優しく綴った愛おしい短編集 地方の不動産会社で働く瑞季は、鬱屈した日常の中、自分だけの小さな楽しみとして「アルパカのヤスオ」のキーホルダーをひそかに集めている。ところが、孤高を貫いて怖がられている先輩社員の今泉さんとの意外な共通点やささやかな交流を通じて、瑞季の心に少しずつ変化が訪れるーー表題作をはじめ、誰かにとっては価値のないものを大事に集める人と、その心を汲み取ろうとする人たち。そんな彼・彼女たちが、ぎこちないながらも心を通わせていく姿を優しく綴った、五つの物語からなる愛おしい短編集。 ■収録作品 「梅雨が来る前に」 「きみは湖」 「トカゲのいる闇」 「ハマエンドウが咲いていた」 「へびつかい座の見えない夜」
■2025年の要注目翻訳ミステリを一挙ご紹介。特集「『自由研究には向かない殺人』著者最新作の先行掲載などで贈る 謎解きの故郷にして最前線──英国ミステリ特集!」。■気鋭による、香港を舞台にした映画をめぐる物語。新連載、一色さゆり『電影ノスタルジア』。■読切 〈呻木叫子〉シリーズ最新作、大島清昭「蘆野家の怪談」。母親が愛娘に抱く疑惑を描く、君嶋彼方「娘の呼吸」。■第25回本格ミステリ大賞全選評、一挙掲載ほか。
寄せては返す、波と幻。 コーンウォールの海辺を舞台に 現実と幻想が静かに混ざりあう、 13の忘れがたき短編 サマセット・モーム賞受賞作 『潜水鐘に乗って』に続く 珠玉の第二短編集 巨大なアンテナ設備の近くにある家で、幼い娘を育てる父親が体験する数々の異変(「アンテナ」)、なにげなく漂着物を砂浜に埋めたことで老夫婦が巻きこまれる思わぬ事態(表題作)、中年になり帰郷した男が振り返る、キャンプ場で姉と過ごした子供時代のあれこれ(「海辺のうた」)……。 海沿いに点在する無人の家、大潮の日にだけ行ける入り江、漂着物が絶えず流れ着く砂浜、さびれたキャンプ場……英国コーンウォールの海辺に見られるありふれた場所では、ふとしたはずみに幻めいた現象が起こり、もの哀しくも美しい物語がいくつも紡がれる。現実と幻想の境目で生まれた、いずれも忘れがたき13の短編を収録。サマセット・モーム賞受賞作『潜水鐘に乗って』に続く、珠玉の第二短編集。解説=石井千湖 ■収録作品 「空っぽの家」 「アンテナ」 「すぐの未来に」 「帰郷」 「出て行け」 「ソルトハウス」 「漂着物、または見捨てられたものたち」 「波乗り」 「嵐の日」 「死者たちの年」 「ケーブル」 「海辺のうた」 「漂流するクラゲたち」
小学校卒業以来の再会。 長閑な過疎の町の思い出は、 それぞれの「嘘」で反転するーー 新人離れした豊富なアイディアと展開で描く、‟嘘つきたちの競演” 第1回創元短編ミステリ短編賞受賞作を含む、デビュー短編集 過疎化が進んだ町で小学校時代を過ごした大地は、二十年以上前の卒業以来初めて東京で同級生二人と再会する。虫取りやスイカ割りなどのノスタルジックな思い出話は、自然と五年生の時に起こった事故の話に移っていく。リーダー格の少年・翔貴が沼に落ちて昏睡状態となり、目覚めぬまま最近亡くなった水難事故の真相とは? 第一回創元ミステリ短編賞受賞作「嘘つきたちへ」など、全五編の“嘘つきたちの競演”。注目新人のデビュー短編集。 ■収録作品 「このラジオは終わらせない」 「ミステリ好きな男」 「赤い糸を暴く」 「保健室のホームズ」 「嘘つきたちへ」
警察署に届いた電報には、 被害者だけでなく別の名前が記されていたーー ヴィクトリア朝の女性電信士、 技術と知識で姿なき殺人者を追う 黄金期の英国本格の香気溢れる第33回鮎川賞受賞第一作 ヴィクトリア朝大英帝国の巨大情報網の核となった電信事業。それを担う一員である電信士のローラ・テンパートンは、仕事と家庭を持つという夢の間で悩む日々を送っていた。 ある晩、彼女は電信局を訪れた局長アクトンの甥ネイト・ホーキンスを案内するが、アクトンは密室と化した局長室で死体となって発見された。容疑者と目されたネイトの無実を確信したローラは、自らの職能を活かして調査に乗り出す。翌日、警察署には謎めいた電報が届くが、そこには被害者アクトンともう一つ別の名が記されており……。 本格ミステリならではの趣向を随所に凝らした第33回鮎川哲也賞受賞第一作。
祖父が遺したのは大量の古書と、 二十あまりの黒檀の小箱 対独協力者として弾劾された教師が 晩年探し求めたものとはーー 祖国、信仰、そして音楽の記憶を辿るべく 青年は歴史の迷宮に足を踏み入れる 〈図書館の魔女〉シリーズの俊英が贈る 知的探求の喜びに満ちた最新長編ミステリ 二〇一七年、フランス中部に位置する都市リモージュの新聞社に勤める事件記者ジャンゴ・レノールトは、亡き祖父マルセルの遺品整理のため、彼が晩年を暮らした寒村を訪れる。戦後、対独協力者として断罪された祖父は、一族から距離を置いてこの地に隠れ住んでいた。生前会うことがなかった祖父が遺したのは古書の山と、二十あまりの黒檀の小箱──そこに隠された意味とは何か? ジャンゴは西洋古典学を研究する大学院生ゾエ・ブノワの協力のもと、祖父が希求した真実を求め歴史の迷宮へと足を踏み入れる。〈図書館の魔女〉シリーズの俊英が満を持して贈る、知的探究の喜びに満ちた長編ミステリ。
【ミソピーイク賞候補作】 あらゆる所蔵機関から失われた一枚の道路地図 それは隠された世界への招待状ーー 新鋭が放つ傑作幻想小説! 元地図学者のネルは、ニューヨーク公共図書館の高名な地図学者である父の急死を知らされる。父はなぜか、平凡な一枚の道路地図を大切に隠していた。だが、価値がないはずのその地図の複製は、あらゆる所蔵機関から失われていた。父の死の翌日に図書館を襲い、煙のように消えた殺人犯の狙いもこの地図らしい。ネルは地図の秘密を探っていく。その地図は、隠された世界への招待状だった──新鋭が放つ傑作幻想小説。2023年ミソピーイク賞候補。解説=渡邊利道
■時代もジャンルも超え、「作家と編集者」は、いかにして物語を作り出すのか? 蝉谷めぐ実、藤野恵美らの短編小説と、上條一輝、田中寛崇などのエッセイで贈る、特集「作家と編集者」。■ダブル新連載スタート! 寺地はるな「マダムにきけ」。丸山正樹「デフ・ヴォイス5」。■嶋津輝、砂村かいり、松樹凛、ロバート・ロプレスティによる読み切り掲載。■第25回 本格ミステリ大賞候補作決定&第25回 本格ミステリ大賞予選会選評・選考経過ほか。
愛の深すぎるゲーマーたちには、どうしてかユーモアと哀愁が宿る。 いまも昔も、--遠い未来も。……………宮内悠介(作家) 愛あり涙あり、恐怖陰謀信念あり……。 つまり、ゲームは人生ってこと!? 宇垣美里(フリーアナウンサー・俳優) 月と地球でオンライン対戦?タイムアタックは命懸け? 『ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム』の鬼才が贈る、 極上のゲーム小説11編 プレイヤーに開発者、レビュアーや配信者……あまりにゲームを愛しすぎた人々は、その過剰な愛ゆえに運命を狂わせた。極限状況で編み出された奇抜な戦術。人生を賭したクリア時間への挑戦。ともに遊ぶことによって結ばれた、ほかの何よりも固い絆──臨界を超えた先に異才作家が見出した、至高のゲームSF11編。 ■収録作品 「それはそれ、これはこれ」 「お前のこったからどうせそんなこったろうと思ったよ」 「「癪(しやく)に障る」とはよく言ったもので」 「邪魔にもならない」 「全国高校eスポーツ連合謝罪会見全文」 「ミコトの拳」 「ラジオアクティブ・ウィズ・ヤクザ」 「これを呪(のろ)いと呼ぶのなら」 「本音と、建前と、あとはご自由に」 「“たかが”とはなんだ“たかが”とは」 「曰(いわ)く」
ミステリ界の巨匠の軌跡、ここにあり! 〈金田一耕助〉シリーズ、〈由利麟太郎〉シリーズ、 ノンシリーズから精選した傑作17編 本格推理、耽美小説、時代小説など 多彩な作品を堪能できる、珠玉の短編集! ミステリ界の巨匠・横溝正史。本格推理、耽美小説、時代小説など多岐にわたるジャンルで活躍した著者の軌跡を堪能できる傑作十七編を、入手困難な初出誌と初刊本をもとにして執筆順に収録。寄宿舎内で起きた、死体のない殺人を描くデビュー作「恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)」。かつて亡き姉と過ごした蔵の中で、少年が遠眼鏡で見たある光景が語られる「蔵の中」。河を流れてきた、胸に短刀が刺さった蝋人形が悲劇の幕開けを告げる、〈由利麟太郎〉シリーズ「猫と蝋人形」。『犬神家の一族』の原点ともいうべき名品の雑誌掲載版「車井戸は何故軋る」。殺人の濡れ衣を着せられた男が隣人・金田一耕助に救われる、「蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)」。著者没後に発表された、記憶喪失の女性の正体をめぐる「空蝉処女(うつせみ おとめ)」などを精選して贈る、珠玉のベスト短編集! ■収録作品 「恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)」 「河獺(かわうそ)」 「画室(アトリエ)の犯罪」 「広告人形」 「裏切る時計」 「山名耕作(やまなこうさく)の不思議な生活」 「あ・てる・てえる・ふいるむ」 「蔵の中」 「猫と蝋人形」 「妖説孔雀樹(ようせつくじやくのき)」 「刺青(いれずみ)された男」 「車井戸は何故軋る」 「蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)」 「蜃気楼島(しんきろうとう)の情熱」 「睡(ねむ)れる花嫁」 「鞄の中の女」 「空蝉処女(うつせみおとめ)」
全国の中学・高校の皆様から絶賛の声が続々届いています! 誰かのことを知るのに、「遅い」ことはないのだと思いました。 ー群馬県立前橋東高等学校 三年 M・Kさん 彼は未来の友人であり、明日の私でもあるのかもしれません。 ー都立上野高等学校 二年 M・Tさん 私も彼のように時折、思い出してもらえるような人になりたいと思った。 ー千葉県立松戸向陽高等学校 二年 I・Yさん こんなにも切なく、こんなにも優しい震災の小説を読んだことがない。 ー仙台市立加茂中学校 図書館事務 M・Kさん 日々過ごしていく中で忘れてしまうことはあるけれど、 彼が教えてくれた感情を忘れたくない。 ー自由の森学園高等学校 三年 A・Tさん 読み始めてから読み終わるまで、 ずっと面白くて切なくて読む手が止まらなかったです! ー埼玉県立浦和第一女子高等学校 一年 A・Nさん 今も悲しみの中にいる方々が、この本を読んで少しでも救われますように。 ー国府台女子学院中学部 一年 K・Hさん 当たり前の日常は決して永遠ではないのだと気づかされました。 ー各務原市立中央中学校 二年 M・Sさん この物語のそれぞれが持つ『隠し事と向き合う』点が私は面白いと思いました。 ー都立小平高等学校 二年 K・Fさん 自らの悪癖に苦しみながらも人とのつながりを求めたその姿は、 ただひたすらに尊いものでした。 ー鴎友学園女子高等学校 二年 Y・Mさん あの日、菅原晋也は私たちの前から姿を消した。 彼が過ごした、高校三年間の軌跡の物語。 東北地方沿岸部のとある高校。そこで起こるささやかな謎の中心には、いつだって彼がいた。校舎が荒らされた前夜に目撃された青い火の玉。プールサイドで昼食を取っていたとき、話しかけてきた同級生を水中に突き飛ばしてしまった女子生徒の真意。テーマ不明の、花瓶に生けられた花の絵。そして、高校卒業後大学に入学するまでの何者でもなかった2011年の"あの日"以来、私たちの前から姿を消してしまった彼自身──。これは大切なものほどなくしてしまう悪癖に悩まされ、それでも飄々と振る舞う青年が歩んだ、高校生活3年間の軌跡を辿りなおす物語。
【ネビュラ賞・ローカス賞受賞作】 言語の力が世界を支配する ふたつの言語における単語の意味のずれから 生じる翻訳の魔法によって、 大英帝国が覇権を握る19世紀ーー 秘密結社ヘルメスは帝国に叛旗をひるがえす。 銀と、ふたつの言語における単語の意味のずれから生じる翻訳の魔法によって、大英帝国が世界の覇権を握る19世紀。英語とは大きく異なる言語を求めて広東(カントン)から連れてこられた中国人少年ロビンは、オックスフォード大学の王立翻訳研究所、通称バベルの新入生となり、言語のエキスパートになるための厳しい訓練を受ける。だが一方で、学内には大英帝国に叛旗を翻す秘密結社があった。言語の力を巡る本格ファンタジー。ネビュラ賞、ローカス賞受賞作。