小説むすび | 出版社 : 東京創元社

出版社 : 東京創元社

新釈 小泉八雲『怪談』新釈 小泉八雲『怪談』

発売日

2025年7月22日 発売

懐かしくも恐ろしい恐怖を掻き立てる名著『怪談』 その真髄を再現し、読者の意表をつく戦慄を与える 令和の『新・怪談』、ここに誕生! ーー東雅夫(アンソロジスト/文芸評論家) 日本ホラー小説大賞受賞作家が 新境地を切り開く、傑作ホラー短編集 会社員の森下は、単独登山中に滑落死した同僚・能見香織の慰霊のため、上司と先輩の三人で雪山に赴く。山荘の主人から、「この山には遭遇した人間に〈問いかけ〉をする雪女の伝説がある」と聞かされた翌日……(白い吐息 新釈「ゆきおんな」)。大勢の死者を出したツアーバスの事故から、奇跡的に生還した芳一。後遺症で視力を失うも、一躍脚光を浴びて……(午前零時の講演会 新釈「耳なし芳一」)。その他「ろくろ首」「水飴を買う女」「貉(むじな)(のっぺらぼう)」と、有名作をモチーフにした全五編を収録。小泉八雲の代表作『怪談』刊行から約百二十年、妖しくおぞましい世界が令和に蘇る! ■収録作品 「白い吐息ーー新釈「ゆきおんな」」 慰霊登山に向かった会社員たち。山荘で「この山には雪女の伝説がある」と聞かされた翌日…… 「デラシネの頭骨ーー新釈「ろくろ首」」 不可解な殺人事件と二つの失踪事件を、刑事が追うが…… 「マイ・ファミリーーー新釈「水飴を買う女」」 仲が冷え切った夫婦。妻が夫に、「勤め先に水飴を買う女の幽霊が来る」と言い出し…… 「午前零時の講演会ーー新釈「耳なし芳一」」 多くの死者を出したバス事故の生還者が、次々に事故死し…… 「『贖罪(しょくざい)』という名の人形ーー新釈「貉(むじな)(のっぺらぼう)」 急逝した人形作家の追悼展に、夜な夜な幽霊が現れて……

英国幻視の少年たち1英国幻視の少年たち1

著者

深沢仁

発売日

2025年6月30日 発売

どうやら俺は、人間としては、 こいつのはじめての友人になったらしい。 皆川海。ランス・ファーロング。 不思議の国イギリスで、彼らの‟冒険”が幕を開ける。 著者の初期作品を代表する人気シリーズを初単行本化。 書き下ろしを含む短編5編を増補した愛蔵版! イギリスで遭遇したのは妖精や精霊、そして頻繁に倒れる赤毛の青年だった。英国ウィッツバリーに留学した皆川海(ミナガワ・カイ)は、自宅に現れた妖精を追い出すために叔母が呼びつけた英国特別幻想取締報告局のランス・ファーロングと出会う。ともに幻想的生命体を見る能力を有するふたりの青年が“ファンタズニック(幻想事件)”と向き合ってゆく姿を描いた傑作ファンタジイ! 全6巻の文庫(ポプラ文庫ピュアフル刊)を2巻ずつ収め、書き下ろしや未収録の短編を増補。さらに新たな著者あとがき、文庫版に続いてカバーイラストを手掛ける人気イラストレーター、ハルカゼさんによる描き下ろしカラー口絵2点も収録した、全3巻の愛蔵版です。 ■1巻収録 「ファンタズニック」 逃げるように日本から英国に渡ったカイが出会ったのは、妖精やゴーストがらみの不思議な出来事と、それを扱う英国特別幻想取締報告局の青年ランスだった。 「ミッドサマー・イヴ」 夏至前夜が近づくと妖精たちは各地でイタズラをし、人間を惑わせる。どうやら今年はカイとランスが住むウィッツバリーに妖精の国への道が現れるらしく……。 【1巻書き下ろし短編+未収録短編紹介】 「ひとつ屋根の下」(書き下ろし) ミニトマトとパンとビーフジャーキーだけを摂取し続けるランスの生活に、ついにカイが我慢の限界に。 「テディベア」(未収録) 「報告局の子どももテディベアといっしょに寝たりすんの?」というカイのなにげない問いがここまでややこしい話になるとは……。 「月夜の銀貨」(未収録) 妖精によって道に迷わされたときには、服を裏返しに着ればいい……はずだったが!? 「She is here.」(未収録) 死んだ妻と話していると言い張る5歳の娘が姿を消した。探し回る父の前に現れたのはカイと名乗る日本人の青年だった。 「‘What’s he like?’」(書き下ろし) 故郷を遠く離れ、ウィッツバリーでひとり暮らす皆川鞠子のもとに、何年も会っていなかった甥の海がやってきた。戸惑う鞠子だったが……。

不等辺五角形不等辺五角形

発売日

2025年6月12日 発売

五人に何があったのか 事件はなぜ起きたのか 関係者の証言から展開される、息を呑む心理劇 『慟哭』『愚行録』の著者、新たなる到達点 避暑地の別荘で、事件は起こった。三十歳を間近に控え、久しぶりに顔を揃えた五人の男女。インターナショナルスクールで出会って以来二十年以上の付き合いになる重成、聡也、梨愛、夏澄、雛乃は、海外赴任が決まった重成の送別も兼ねて、葉山にある聡也の別荘で旧交を温めていた。ところが深夜、雛乃が頭から血を流した状態で死体となって発見される。続けて梨愛が「私が殺したの」と告げ、警察に連行されてしまう。五人の関係は、一夜にしてひとりが被害者に、ひとりが被疑者になる悲劇へ転じた。幼馴染みの面会も拒否し、殺害の動機を語ろうとしない被疑者。弁護士は、残された関係者三人の証言をあつめる。しかし、同じ出来事を語っていても、当事者たちの思惑は三者三様に異なり、証言を重ねるごとに人物像と関係性はめまぐるしく変貌していく。果たして五人の間には何があったのか。あの夜、なぜ事件は起きたのか。関係者の証言から展開される、息を呑む心理劇の結末はーー。

漂着物、または見捨てられたものたち漂着物、または見捨てられたものたち

寄せては返す、波と幻。 コーンウォールの海辺を舞台に 現実と幻想が静かに混ざりあう、 13の忘れがたき短編 サマセット・モーム賞受賞作 『潜水鐘に乗って』に続く 珠玉の第二短編集 巨大なアンテナ設備の近くにある家で、幼い娘を育てる父親が体験する数々の異変(「アンテナ」)、なにげなく漂着物を砂浜に埋めたことで老夫婦が巻きこまれる思わぬ事態(表題作)、中年になり帰郷した男が振り返る、キャンプ場で姉と過ごした子供時代のあれこれ(「海辺のうた」)……。 海沿いに点在する無人の家、大潮の日にだけ行ける入り江、漂着物が絶えず流れ着く砂浜、さびれたキャンプ場……英国コーンウォールの海辺に見られるありふれた場所では、ふとしたはずみに幻めいた現象が起こり、もの哀しくも美しい物語がいくつも紡がれる。現実と幻想の境目で生まれた、いずれも忘れがたき13の短編を収録。サマセット・モーム賞受賞作『潜水鐘に乗って』に続く、珠玉の第二短編集。解説=石井千湖 ■収録作品 「空っぽの家」 「アンテナ」 「すぐの未来に」 「帰郷」 「出て行け」 「ソルトハウス」 「漂着物、または見捨てられたものたち」 「波乗り」 「嵐の日」 「死者たちの年」 「ケーブル」 「海辺のうた」 「漂流するクラゲたち」

遊戯と臨界遊戯と臨界

発売日

2025年3月19日 発売

愛の深すぎるゲーマーたちには、どうしてかユーモアと哀愁が宿る。 いまも昔も、--遠い未来も。……………宮内悠介(作家) 愛あり涙あり、恐怖陰謀信念あり……。 つまり、ゲームは人生ってこと!? 宇垣美里(フリーアナウンサー・俳優) 月と地球でオンライン対戦?タイムアタックは命懸け? 『ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム』の鬼才が贈る、 極上のゲーム小説11編 プレイヤーに開発者、レビュアーや配信者……あまりにゲームを愛しすぎた人々は、その過剰な愛ゆえに運命を狂わせた。極限状況で編み出された奇抜な戦術。人生を賭したクリア時間への挑戦。ともに遊ぶことによって結ばれた、ほかの何よりも固い絆──臨界を超えた先に異才作家が見出した、至高のゲームSF11編。 ■収録作品 「それはそれ、これはこれ」 「お前のこったからどうせそんなこったろうと思ったよ」 「「癪(しやく)に障る」とはよく言ったもので」 「邪魔にもならない」 「全国高校eスポーツ連合謝罪会見全文」 「ミコトの拳」 「ラジオアクティブ・ウィズ・ヤクザ」 「これを呪(のろ)いと呼ぶのなら」 「本音と、建前と、あとはご自由に」 「“たかが”とはなんだ“たかが”とは」 「曰(いわ)く」

車井戸は何故軋る 横溝正史傑作短編集車井戸は何故軋る 横溝正史傑作短編集

ミステリ界の巨匠の軌跡、ここにあり! 〈金田一耕助〉シリーズ、〈由利麟太郎〉シリーズ、 ノンシリーズから精選した傑作17編 本格推理、耽美小説、時代小説など 多彩な作品を堪能できる、珠玉の短編集! ミステリ界の巨匠・横溝正史。本格推理、耽美小説、時代小説など多岐にわたるジャンルで活躍した著者の軌跡を堪能できる傑作十七編を、入手困難な初出誌と初刊本をもとにして執筆順に収録。寄宿舎内で起きた、死体のない殺人を描くデビュー作「恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)」。かつて亡き姉と過ごした蔵の中で、少年が遠眼鏡で見たある光景が語られる「蔵の中」。河を流れてきた、胸に短刀が刺さった蝋人形が悲劇の幕開けを告げる、〈由利麟太郎〉シリーズ「猫と蝋人形」。『犬神家の一族』の原点ともいうべき名品の雑誌掲載版「車井戸は何故軋る」。殺人の濡れ衣を着せられた男が隣人・金田一耕助に救われる、「蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)」。著者没後に発表された、記憶喪失の女性の正体をめぐる「空蝉処女(うつせみ おとめ)」などを精選して贈る、珠玉のベスト短編集! ■収録作品 「恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)」 「河獺(かわうそ)」 「画室(アトリエ)の犯罪」 「広告人形」 「裏切る時計」 「山名耕作(やまなこうさく)の不思議な生活」 「あ・てる・てえる・ふいるむ」 「蔵の中」 「猫と蝋人形」 「妖説孔雀樹(ようせつくじやくのき)」 「刺青(いれずみ)された男」 「車井戸は何故軋る」 「蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)」 「蜃気楼島(しんきろうとう)の情熱」 「睡(ねむ)れる花嫁」 「鞄の中の女」 「空蝉処女(うつせみおとめ)」

願わくば海の底で願わくば海の底で

著者

額賀澪

発売日

2025年2月19日 発売

全国の中学・高校の皆様から絶賛の声が続々届いています! 誰かのことを知るのに、「遅い」ことはないのだと思いました。 ー群馬県立前橋東高等学校 三年 M・Kさん 彼は未来の友人であり、明日の私でもあるのかもしれません。 ー都立上野高等学校 二年 M・Tさん 私も彼のように時折、思い出してもらえるような人になりたいと思った。 ー千葉県立松戸向陽高等学校 二年 I・Yさん こんなにも切なく、こんなにも優しい震災の小説を読んだことがない。 ー仙台市立加茂中学校 図書館事務 M・Kさん 日々過ごしていく中で忘れてしまうことはあるけれど、 彼が教えてくれた感情を忘れたくない。 ー自由の森学園高等学校 三年 A・Tさん 読み始めてから読み終わるまで、 ずっと面白くて切なくて読む手が止まらなかったです! ー埼玉県立浦和第一女子高等学校 一年 A・Nさん 今も悲しみの中にいる方々が、この本を読んで少しでも救われますように。 ー国府台女子学院中学部 一年 K・Hさん 当たり前の日常は決して永遠ではないのだと気づかされました。 ー各務原市立中央中学校 二年 M・Sさん この物語のそれぞれが持つ『隠し事と向き合う』点が私は面白いと思いました。 ー都立小平高等学校 二年 K・Fさん 自らの悪癖に苦しみながらも人とのつながりを求めたその姿は、 ただひたすらに尊いものでした。 ー鴎友学園女子高等学校 二年 Y・Mさん あの日、菅原晋也は私たちの前から姿を消した。 彼が過ごした、高校三年間の軌跡の物語。 東北地方沿岸部のとある高校。そこで起こるささやかな謎の中心には、いつだって彼がいた。校舎が荒らされた前夜に目撃された青い火の玉。プールサイドで昼食を取っていたとき、話しかけてきた同級生を水中に突き飛ばしてしまった女子生徒の真意。テーマ不明の、花瓶に生けられた花の絵。そして、高校卒業後大学に入学するまでの何者でもなかった2011年の"あの日"以来、私たちの前から姿を消してしまった彼自身──。これは大切なものほどなくしてしまう悪癖に悩まされ、それでも飄々と振る舞う青年が歩んだ、高校生活3年間の軌跡を辿りなおす物語。

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