出版社 : 東京創元社
掟か国か 竜王の侵略の足音が 精霊の恵深き国ハスティアに迫る。 だが、国を護る魔法師は 精霊の掟により魔法で攻撃することが 禁じられていた。 侵略を前に魔法師ジオラネルの選んだ道は…… 『夜の写本師』で日本のファンタジイ史を 塗り替えた著者が描く新たな世界 精霊の恵み深き国ハスティア。幼い頃から卓越した魔法の力を発揮したジルは、国に仕える魔法使いとなった。だが、平和な国ハスティアを虎視眈々と狙う者がいた。竜の血を引く王を戴くドリドラヴの侵略に、掟により魔法を使う攻撃を禁じられているフォーリたちは苦悩を深める。魔法で戦えば精霊たちが滅んでしまうというのだ。ジルたちの選んだ道は……。『夜の写本師』でデビューした異世界ファンタジイの紡ぎ手が放つ渾身の傑作。
愛媛で起きた学生の事故死と、 三十年後に東京で起きた資産家殺人。 過去と現在が交錯する時に明かされる真相とは? 強い絆で結ばれていたふたりの音楽仲間。 ひとりは転落死し、ひとりは失踪した。 日本推理作家協会賞受賞作家の新境地、慟哭と郷愁のミステリ 東京・赤羽の路上で資産家が殺害された。赤羽署初の女性刑事・黒光亜樹は、本庁から来た癖の強い先輩刑事とコンビを組まされ、彼と対立しながらも懸命に捜査を続けるが、なかなか容疑者は浮かんでこない。同じ頃、松山大学マンドリンクラブのOG・国見冴子は、仲間二人と母校の取り壊し予定の部室棟を訪れていた。すると部室の黒板に、三十年前に失踪したクラブのメンバー・高木圭一郎が最近書き残したと思しき「その時鐘は鳴り響く」を見つけて驚く。それは四年生の夏合宿で事故死した篠塚瞳を含め、五人の間で頻繁に言い交わしていた言葉だった。瞳の死後に失踪した高木は、なぜ今になって部室を訪れ、この言葉を残したのか? 冴子たちは当時の事故について調べ始めるが……。
あなたに特別な招待状を送ります 非常な現実にうちのめされかけたルーシー だが、物語の魔法が彼女を救った 『チャーリーとチョコレート工場』に捧げる 読んだ人みんなが幸せになる物語 新しい本を書きました。今回の本は世界に一冊しかありません。とても勇敢で、賢く、願いを叶える方法を知っている人に差し上げます。遠い昔、最も勇敢だった読者のみなさん数名に、本日特別な招待状をお送りします。 ルーシーは大好きな作家ジャックからの招待状を手に〈時計島〉に渡った。そこには彼女を含め四人の男女が招待されていた。ジャックの出す問題に答えて優勝した者が〈時計島〉シリーズ最新作の版権を得られる。ルーシーはゲームを勝ち抜くことができるのか、そして心からの願いを叶えることができるのか? 現代版『チャーリーとチョコレート工場』、本があなたを幸せにする、心あたたまる物語。訳者あとがき=杉田七重
「お山の腹を満たすために、遺体とその魂が必要です」 風もないのにカラカラとまわる無数の風車 死者が呼ぶ声 死の山が僕らを誘うーー 一気読み必至!俊英が描くノンストップホラー長編 やむを得ない事情で、殺し屋の遺体運搬係となった日置学。浅木というその男の指示のもと、遺体を見捨てられた別荘地の奥に埋めてきたが、そこもそろそろ手狭だという。裏社会では、学の祖母の出身地にある山に遺体をこっそり処理できるという噂があり、浅木に命じられた学は恋人の夢花と共に、祖母が六十年以上前に出たきりの山奥の集落を訪れるが……。集落の神社で祀られている山の頂では、御神体とされる巨石と地面に刺さる無数の風車が異様な雰囲気を纏い二人を誘う。一度は東京に戻った二人だが、山に心を囚われた夢花を救うために学は再び彼の地に向かう。
デビュー作にして 2025年本屋大賞ノミネート! 投稿作であることも忘れ手に汗握った。 読者を没入させるストーリーテリングができる方だ 青崎有吾 とにかく書きっぷりが達者で、私は作品の半ばまで読んで 「これが今年の鮎川賞だな」と確信した 東川篤哉 良質なサスペンスドラマのように、主人公が歩みを進めるたびに 真相に近づいていく展開は見事のひと言 麻耶雄嵩 救急医・武田の元に搬送されてきた自身と瓜二つの溺死体。 彼はなぜ死んだのか、なぜ同じ顔をしているのか。 「俺たち」は誰なんだ。 現役医師が描く医療×本格ミステリ 第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作 救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とはーー。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第三十四回鮎川哲也賞受賞作。
■第34回鮎川哲也賞選評、および第2回創元ミステリ短編賞選評&受賞作・歳内沙都「桜越しに空を撮る」掲載。■本邦初訳短編掲載などで贈る、特集「美しくも歪(ゆが)んだ世界へようこそー ジョン・コナリーの物語」。■気鋭による傑作読切 古矢永塔子「私たちの愛の巣」、嶋津輝「稲子のカフェー」掲載。■新野剛志が贈る、終戦まもない東京を活写する連作『粒と棘』、堂々の連載最終回ほか。
第二次世界大戦下のヨーロッパで 敵国の書物を収集せよーー 実在の図書館司書に材をとり、 本を愛する者たちの闘いを描いた、 心揺さぶる傑作長編! ベストセラー作家の本領発揮 1942年、第二次世界大戦下。ニューヨーク公共図書館で働く司書のマリアは、大統領令に基づく任務を帯び、ポルトガルのリスボンに旅立つことになった。その任務とは、身分を偽り、戦略分析のため枢軸(すうじく)国の刊行物を収集すること。報道写真家の母をスペイン内乱で亡くしたマリアは、危険を冒してでも戦争を終わらせたいという強い想いを抱いていたのだ。 同時期、リスボン。書店を営む青年ティアゴは、書類偽造の天才である書店員ローザとともに、迫害から逃れようとするユダヤ人避難民を命懸けで援助していた。マリアは街で本や新聞を集めるうちにふたりと出会い、戦争を終わらせるためのさらなる任務に臨むことに── 戦時のヨーロッパで活躍した実在の図書館司書に材をとり、本を愛する者たちの闘いを描き上げた、心揺さぶる傑作長編!訳者あとがき=高山祥子
第33回鮎川哲也賞優秀賞受賞作 死神から与えられた「死までの一週間の猶予」 仲間たちはまた一人と殺害されて…… 新時代の“特殊設定×サスペンス”長編 ミステリ作家デビューを夢見る小松立人は、学生時代にとある犯罪に手を染めた。家庭教師先のタンス預金二千万円を、知人同士四人でこっそり盗み出したのだ。ほとぼりの冷めた十年後、盗んだ金を掘り起こすために集まった小松たちは、崖崩れに巻き込まれて命を落とした。 ーーはずなのに彼らは、死神から一週間の猶予期間を申し渡され、事故の七日前に戻る。期間中は仲間を殺害することで相手の残りの寿命を奪うことも可能だという。死までの一週間、小松はこの奇妙な出来事を小説に仕立てて新人賞への投稿を目指すことに。しかし、仲間たちは次々と……。独特な感性で描く、“特殊設定×サスペンス”長編。
〈明治小説〉の奇想と大仕掛けを 21世紀に蘇らせる怪傑・芦辺拓の一大魔術! 推理の曙光いまだ射さぬ明治21年、 法廷で裁かれるのは16歳の尊属殺人犯。 東京を追われた記者と負け続きの弁護人、 東西二青年が敗北必至の闘いに挑むーー 日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞受賞『大鞠家殺人事件』 に続く近代大阪グランド・ロマン 明治二〇年に発布・施行された保安条例のために東京を追放された新聞記者の筑波新十郎と、負け続きのため「コマルさん」と揶揄される大阪の駆け出し弁護士の迫丸孝平。出会うはずのない東西二人の青年は、質屋一家を襲った鏖殺事件の謎に挑むが……日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞受賞作『大鞠家殺人事件』の著者が、巨星・山田風太郎の〈明治小説〉への敬意を胸に本格ミステリと伝奇時代小説の融合に挑む、圧巻のグランドミステリ!
わたしたちは、何をしたのか。 名探偵、五狐焚風。助手、わたし、鳴宮夕暮。 20年ぶりの再開を経て、かつての名探偵と助手は、 過去の推理を検証する旅に出るーー 桜庭一樹の新たな代表作、誕生! かつて、名探偵の時代があった。ひとたび難事件が発生すれば、どこからともなく現れて、警察やマスコミの影響を受けることなく、論理的に謎を解いて去っていく正義の人、名探偵。そんな彼らは脚光を浴び、黄金時代を築き上げるに至ったが、平成中期以降は急速に忘れられていった。 ……それから20年あまりの時が過ぎ、令和の世になった今、YouTubeの人気キャンネルで突如、名探偵の弾劾が開始された。その槍玉に挙げられたのは、名探偵四天王の一人、五狐焚風だ。「名探偵に人生を奪われた。私は五狐焚風を絶対に許さない」と語る謎の告発者は誰なのか? かつて名探偵の助手だった鳴宮夕暮ーーわたしは、かつての名探偵ーー風とともに、過去の推理を検証する旅に出る。
ぼくらは星々を越えて飛ぶ。 人類の存続を賭けて。 別の銀河をめざす宇宙船たちを襲う 試練を描く表題作をはじめ ハードSFの俊英が放つ第一短編集 第四回創元SF短編賞受賞作収録 人類の存続を賭けて恒星間宇宙を飛ぶ、人格を持った宇宙船たちを襲う緊急事態(銀河風帆走)、地球に衝突するコースをとった小惑星の軌道をそらす計画に挑む高校生たち(もしもぼくらが生まれていたら)、史上初の恒星間宇宙船同士による“決闘”の行方(星海に没す)……第4回創元SF短編賞を受賞した表題作をはじめ、書き下ろし1編を含む計5編を収録した、日本SF新時代の旗手が放つ瑞々しい感性に満ちた第一短編集。 ■収録作品 「もしもぼくらが生まれていたら」 地球に衝突する小惑星の軌道を逸らす計画に挑む高校生たち 「されど星は流れる」 パンデミックの最中に系外流星を観測しようとする天文部の挑戦 「冬にあらがう」 破局的噴火がもたらす食料枯渇に化学部の二人+AIが立ち向かう 「星海に没す」(書き下ろし) 史上初の恒星間宇宙船同士による“一騎討ち”の行方
ホラーとして娯楽小説として、 非常に高いレベルでまとまっていた。--澤村伊智 息長く活躍してくれそうな期待を抱かせる、 大器である。--東雅夫 両選考委員大絶賛の創元ホラー長編賞受賞作 あなたが、呼ばれています。 あなたには、その声を聞くことができません。 私は、暗い水の底にいます。 暗く、危険な場所で、あなたを待っています。 私は、姿かたちを変えて、あなたの前に現れる。 とても、醜い姿で。 恐ろしい私の姿を見たあなたは、 正気を保っていられなくなるかもしれません。 私は、そうなることを狙っています。 ……あたなに伝えておきます。 それが、私にできる唯一のことだからです。 光を、絶やさないでください。 (『ある女子学生の怪談』より抜粋) 「変な怪談を聞きに行きませんか?」会社の部下に誘われた大学のオカルト研究会のイベントで、とある怪談を聞いた日を境に高山カレンの日常は怪現象に蝕まれることとなる。暗闇から響く湿り気のある異音、ドブ川のような異臭、足跡の形をした汚水ーーあの時聞いた”変な怪談”をなぞるかのような現象に追い詰められたカレンは、藁にもすがる思いで「あしや超常現象調査」の二人組に助けを求めるが……選考委員絶賛、創元ホラー長編賞受賞作。
書き下ろしアンソロジーシリーズ《Genesis》が『紙魚の手帖』に合流して2年目。今年も夏のSF特集をお届けします。■新連載・彩瀬まる。■赤野工作、阿部登龍、斧田小夜、飛浩隆、松崎有理、宮澤伊織、レイチェル・K・ジョーンズらの豪華執筆陣による読切短編。■第15回創元SF短編賞選評および、受賞作・稲田一声「喪われた感情のしずく」掲載。■翻訳家・古沢嘉通による2023年ヒューゴー賞騒動解説記事。■創元SF文庫の成り立ちを語った代島正樹×小浜徹也(東京創元社編集部)対談など。 【受賞作決定!】 第15回創元SF短編賞 選評 飛浩隆・宮澤伊織・小浜徹也(東京創元社編集部) 【第15回創元SF短編賞受賞作】 喪われた感情のしずく 稲田一声 ●人工感情調合のカリスマ、セクワ・ジュン。天才が世に問うた新作には、驚くべき秘密が隠されていた。第15回創元SF短編賞受賞作 【新連載】 道の花 彩瀬まる ●傷口からは、小さな双葉がのぞいていた 【小説】 これを呪いと呼ぶのなら 赤野工作 ●遊ぶと呪われると噂のゲームがある 狼を装う 阿部登龍 ●創元SF短編賞受賞後第一作 ほいち 斧田小夜 ●意識を持った自動車と謎の”声”の話 WET GALA 飛浩隆 ●2024年から60年にわたるロボット未来史 アルカディアまで何マイル 松崎有理 ●少年はガチョウ兵と楽園を目指す ときときチャンネル#8 【ない天気作ってみた】 宮澤伊織 ●動画配信者SFシリーズ 子どもたちの叫ぶ声 レイチェル・K・ジョーンズ 佐田千織訳 ●その日、教室に銃声が響いた ※西條奈加「お蔦さんの神楽坂日記」、坂木司「きみのかたち」、新野剛志「粒と棘」、堂場瞬一「フルハウス」、貫井徳郎「不等辺五角形」は休載です ※熊倉献 コミックは休載です 【創立70周年記念企画】 エッセイ 「わたしと東京創元社」 大森望/高山羽根子/田中芳樹/酉島伝法/宮内悠介/マーサ・ウェルズ 【対談】 創元SF文庫になった頃 代島正樹 小浜徹也 【解説記事】 人間的な、あまりに人間的な 二〇二三年ヒューゴー賞騒動 古沢嘉通 【ESSAY】 翻訳のはなし第16回 ホーガン翻訳裏話 古沢嘉通 ※山崎佳代子「私の小さな地図帖」、若島正「乱視読者の読んだり見たり」、北原尚彦「ホームズ書録」、リレー連載「装幀の森」は休載です 【COLUMN】 ごほうびごはん*メキシカン・チキンのワカモーレ添え 久永実木彦 行かない旅の栞*十年経っても見つからない 新馬場新 読書日記 篠原悠希 【SF BOOKREVIEW】 国内SF 渡邊利道 翻訳SF 鯨井久志 【特別企画】 第24回本格ミステリ大賞贈呈式レポート 【INTERVIEW 期待の新人】 宮西建礼 篠谷巧 【INTERVIEW 注目の新刊】 『ムーンシャイン』円城塔 『ホロニック:ガール』高島雄哉 【BOOKREVIEW】 文芸全般 瀧井朝世 国内ミステリ 宇田川拓也 翻訳ミステリ 村上貴史 ファンタジイ 三村美衣
曾祖父の遺したノートに記された八つの■をめぐる物語「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」、“ムーンシャイン予想”を下敷きに繰り広げられる軽快な算術SF「ムーンシャイン」、生まれ変わりを教義の中心におく“エルゴード教団”の奇怪な歴史を描く「遍歴」など全四篇。SFと純文学の世界で大きな注目を集める著者の短篇集。
栃木県北西部の田舎町で、八人の女性が殺害された挙げ句、解体・遺棄されるという事件があった。その十五年後、現場だった犯人の元自宅、通称「バラバラ屋敷」へ肝試しに訪れた五人の中学生は、鍵の掛かった屋敷内を覗いたところ、卓袱台に同級生の生首が置かれているのを発見し…密室化した幽霊屋敷を巡る謎を描く表題作ほか、異界駅に迷い込んだ大学生グループが、密室からの殺人犯消失に遭遇する「にしうり駅の怪談」など、怪談作家・呻木叫子が採集した四つの怪奇犯罪譚を収める。第十七回ミステリーズ!新人賞受賞作シリーズ最新刊。
砂漠に花開いた水の都、 美しき奇跡の都の秘められた真実の物語 〈ふしぎ駄菓子屋 銭天堂〉〈妖怪の子預かります〉 シリーズの著者のアラビアンナイト風ファンタジイ 大砂漠。砂の大海原とも呼ばれるこの地には、はるかな昔より数々の国や集落が生まれては、年月と共に砂に呑み込まれ忘れられていった。そのなかで、決して忘れられることのない国が一つだけある。ナルマーン。一つの都にして一つの国。砂漠でありながら、青い水が尽きることなくあふれた都。魔族を支配した王が造らせた奇跡の都。だが、どんな歴史書にも書かれていない真実のかけらは無数に存在し、それぞれに物語を秘めているのだ。『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』シリーズ、『妖怪の子預かります』シリーズで人気沸騰中の著者による、アラビアンナイト風の世界を舞台にした極上のファンタジイ短編集。 ■目次 プロローグ 1 絹の都の姫君 2 小さな眷属(けんぞく)の憂(うれ)い 3 白の悪だくみ 4 赤の贈り物 5 青の再会 6 夜風と共に エピローグ
西国でのちに「刀伊の入寇」と呼ばれる騒乱が起こり、それを発端としたはやり病の広がりが都でも噂された寛仁三年。紫式部(香子)は出家し、宇治の庵で一人で暮らしている。小一条院妃延子より『源氏物語』の続きを促す便りをもらうも、手指の痛みで筆をとることができずにいた。そんなある日、庵のそばで毒を盛られたとみられる猫の死体が見つかり…。王朝推理絵巻、完結篇。
本と物語を愛する 私たちに必要な冒険がある。 32歳のセレスは、少女の姿に戻り、 美しも残酷な異世界に迷い込んでしまう。 本にまつわるダーク・ファンタジー 『失われたものたちの本』続編! 邪悪な魔女や人間を襲う人狼(じんろう)。クロスボウを構えたラプンツェル。人間を憎む恐ろしい妖精(フェイ)。 ーー「めでたしめでたし」なんて、無縁の世界。 ロンドンに暮らすセレスは、ひとりで8歳の娘を育てていたが、ある日、娘が交通事故で昏睡状態となってしまった。医師の勧めで、セレスは田舎にあるケア施設に娘を移すことにする。その施設の敷地には、『失われたものたちの本』という物語を書いた作家の古い屋敷があった。娘の看病を続けるセレスが限界を迎えた日、彼女は何者かに呼び寄せられるようにして屋敷の屋根裏部屋に入り込み、さまざまな本が呼びかけてくる声を聴いた。そこに突然現れた怪物に襲われ、屋敷から逃げ出すが、気がつくと知らない場所に迷い込んでいた。そこは魔女や人狼、巨人たちが存在する、美しくも残酷な世界だった。セレスは元の世界に戻れるのか? 異世界冒険譚『失われたものたちの本』続編!訳者あとがき=田内志文
シリーズ累計130万部突破! 読書メーター読みたい本ランキング第1位 集計期間:2024年4月13日〜5月13日(単行本/月間) 探偵というものは、なかなかに難しい。 『屍人荘の殺人』以前ーー 神紅大学ミステリ愛好会・明智恭介が遭遇した事件。 神紅大学ミステリ愛好会会長・明智恭介。小説に登場する探偵に憧れ、事件を求めて名刺を配り歩く彼は、はたしてミステリ小説のような謎に出合えるのかーー大学のサークル棟で起きた不可解な盗難騒ぎ、商店街で噂される日常の謎、夏休み直前に起きた試験問題漏洩事件など、書き下ろしを含む全五編を収録。『屍人荘の殺人』以前、助手であり唯一の会員・葉村譲とともに挑んだ知られざる事件を描く、待望の〈明智恭介〉シリーズ第一短編集! ■目次 「最初でも最後でもない事件」 「とある日常の謎について」 「泥酔肌着引き裂き事件」 「宗教学試験問題漏洩事件」 「手紙ばら撒きハイツ事件」
【ネビュラ賞、ローカス賞など4冠】 ジンの魔法と科学の融合で大発展した世界 エジプト魔術省のエージェント・ファトマは 恋人の女性シティとともに 蘇った伝説の魔術師の謎を追う! 19世紀後半、伝説の魔術師アル=ジャーヒズがジン(精霊)の世界の扉を開き、世界は一変した。ジンの魔法と科学の融合によりエジプトは急速な発展を遂げるが、アル=ジャーヒズはなぜか姿を消す。それから40年後、カイロに彼の名を名乗る謎の男が現れ、彼を崇拝する人々を焼きつくした。エジプト魔術省の女性エージェント・ファトマは、恋人の女性シティらと共に捜査に乗り出す。ネビュラ賞、ローカス賞、イグナイト賞、コンプトン・クルック賞の4冠に輝いた新鋭の第一長編!解説=渡邊利道