小説むすび | 出版社 : 東京創元社

出版社 : 東京創元社

深淵のテレパス深淵のテレパス

発売日

2024年8月16日 発売

ホラーとして娯楽小説として、 非常に高いレベルでまとまっていた。--澤村伊智 息長く活躍してくれそうな期待を抱かせる、 大器である。--東雅夫 両選考委員大絶賛の創元ホラー長編賞受賞作 あなたが、呼ばれています。 あなたには、その声を聞くことができません。 私は、暗い水の底にいます。 暗く、危険な場所で、あなたを待っています。 私は、姿かたちを変えて、あなたの前に現れる。 とても、醜い姿で。 恐ろしい私の姿を見たあなたは、 正気を保っていられなくなるかもしれません。 私は、そうなることを狙っています。 ……あたなに伝えておきます。 それが、私にできる唯一のことだからです。 光を、絶やさないでください。 (『ある女子学生の怪談』より抜粋) 「変な怪談を聞きに行きませんか?」会社の部下に誘われた大学のオカルト研究会のイベントで、とある怪談を聞いた日を境に高山カレンの日常は怪現象に蝕まれることとなる。暗闇から響く湿り気のある異音、ドブ川のような異臭、足跡の形をした汚水ーーあの時聞いた”変な怪談”をなぞるかのような現象に追い詰められたカレンは、藁にもすがる思いで「あしや超常現象調査」の二人組に助けを求めるが……選考委員絶賛、創元ホラー長編賞受賞作。

紙魚の手帖Vol.18紙魚の手帖Vol.18

書き下ろしアンソロジーシリーズ《Genesis》が『紙魚の手帖』に合流して2年目。今年も夏のSF特集をお届けします。■新連載・彩瀬まる。■赤野工作、阿部登龍、斧田小夜、飛浩隆、松崎有理、宮澤伊織、レイチェル・K・ジョーンズらの豪華執筆陣による読切短編。■第15回創元SF短編賞選評および、受賞作・稲田一声「喪われた感情のしずく」掲載。■翻訳家・古沢嘉通による2023年ヒューゴー賞騒動解説記事。■創元SF文庫の成り立ちを語った代島正樹×小浜徹也(東京創元社編集部)対談など。 【受賞作決定!】 第15回創元SF短編賞 選評 飛浩隆・宮澤伊織・小浜徹也(東京創元社編集部) 【第15回創元SF短編賞受賞作】 喪われた感情のしずく 稲田一声 ●人工感情調合のカリスマ、セクワ・ジュン。天才が世に問うた新作には、驚くべき秘密が隠されていた。第15回創元SF短編賞受賞作 【新連載】 道の花 彩瀬まる ●傷口からは、小さな双葉がのぞいていた 【小説】 これを呪いと呼ぶのなら 赤野工作 ●遊ぶと呪われると噂のゲームがある 狼を装う 阿部登龍 ●創元SF短編賞受賞後第一作 ほいち 斧田小夜 ●意識を持った自動車と謎の”声”の話 WET GALA 飛浩隆 ●2024年から60年にわたるロボット未来史 アルカディアまで何マイル 松崎有理 ●少年はガチョウ兵と楽園を目指す ときときチャンネル#8 【ない天気作ってみた】 宮澤伊織 ●動画配信者SFシリーズ 子どもたちの叫ぶ声 レイチェル・K・ジョーンズ 佐田千織訳 ●その日、教室に銃声が響いた ※西條奈加「お蔦さんの神楽坂日記」、坂木司「きみのかたち」、新野剛志「粒と棘」、堂場瞬一「フルハウス」、貫井徳郎「不等辺五角形」は休載です ※熊倉献 コミックは休載です 【創立70周年記念企画】 エッセイ 「わたしと東京創元社」 大森望/高山羽根子/田中芳樹/酉島伝法/宮内悠介/マーサ・ウェルズ 【対談】 創元SF文庫になった頃 代島正樹 小浜徹也 【解説記事】 人間的な、あまりに人間的な 二〇二三年ヒューゴー賞騒動 古沢嘉通 【ESSAY】 翻訳のはなし第16回 ホーガン翻訳裏話 古沢嘉通 ※山崎佳代子「私の小さな地図帖」、若島正「乱視読者の読んだり見たり」、北原尚彦「ホームズ書録」、リレー連載「装幀の森」は休載です 【COLUMN】 ごほうびごはん*メキシカン・チキンのワカモーレ添え 久永実木彦 行かない旅の栞*十年経っても見つからない 新馬場新 読書日記 篠原悠希 【SF BOOKREVIEW】 国内SF 渡邊利道 翻訳SF 鯨井久志 【特別企画】 第24回本格ミステリ大賞贈呈式レポート 【INTERVIEW 期待の新人】 宮西建礼 篠谷巧 【INTERVIEW 注目の新刊】 『ムーンシャイン』円城塔 『ホロニック:ガール』高島雄哉 【BOOKREVIEW】 文芸全般 瀧井朝世 国内ミステリ 宇田川拓也 翻訳ミステリ 村上貴史 ファンタジイ 三村美衣

ある晴れたXデイにある晴れたXデイに

非行の果てに死んだはずの養子に怯え、戸締まりを厳重にする妻。夫との会話から見えてくる真実とは…(「雪解け」)。知らぬ間に手脚に痣や傷が増えていく会社員の女性。親指の付け根を切ってしまっても気づかず、すねを拳骨で打ってもまったく痛みを感じない。自己観察を続ける彼女の生活は、どんどん異様になっていき…(「火中の足」)。広告塔に大きな写真が貼られ、新聞でも連日報道された、行方不明の少年を探すことに取り憑かれた女性は、その少年を見つけたのだが…(「幸せでいっぱい」)。町が消え、家も、学校も、図書館も、なにもかもがなくなる。みんながいなくなり、あとは地を這う人間の残骸がいるだけ。-世界が滅亡するXデイが気がかりで、ある母親はその日に起こるはずのことについて詳細な手記を執筆する…(「ある晴れたXデイに」)。日常に忍びこむ幻想。悲劇と幸福が結びついた人生観。歪で奇妙な家族たち。戦後ドイツを代表する女性作家による、『その昔、N市では』に続く全15作の傑作短編集!

羅刹国通信羅刹国通信

発売日

2024年4月30日 発売

十二歳で叔父を殺した。 その罪が、いまになって 現実を、夢を侵蝕してゆく。 亡者たちが〈恐怖〉と〈悪意〉に 分かれ争う羅刹の国の夢を共有する 少女と少年の魂の行方 並ぶ者なき幻視者が 若き日にものした幻の傑作、初単行本化 叔父を殺したことは固く秘しておくべきだった。 自殺するなんてと母が泣き続けるものだから、本当はわたしが崖から突き落としたのだとわかれば、すこしは気が楽になるかと思ったのだ。 震災で妻を失いPTSDに苦しむ叔父との同居に疲弊する家族のために、小学六年生の左右田理恵(そうだりえ)は叔父を殺した。 その四年後、理恵は奇妙な夢を見るようになる。 荒れ果てた灼熱の地で岩蔭と食糧を求める「鬼」の集団。 かれらは二つの勢力に分かたれ争い殺し合うーーその法則を理恵に教えたのは、同じ夢を共有する一人の少年だった。 鬼才の幻視文学の頂点となる幻の傑作、初単行本化。解説=春日武彦・北原尚彦 ■目次 「羅刹国通信」 「続羅刹国報」 「続々羅刹国ーー雨の章ーー」 「続々羅刹国ーー夜の章ーー」  「解説」 春日武彦  「津原国通信」 北原尚彦

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