小説むすび | 出版社 : 東京創元社

出版社 : 東京創元社

光っていません光っていません

クラゲになることを選ぶ人。 木に変身した男。 冬眠する依頼人……。 ままならない日々を過ごす 私たちに起こる不思議な出来事。 読んだ瞬間から、自由になれる。 日常に解放感をもたらす、韓国発、8つの奇妙な物語! 事故で2年間植物状態になっている恋人を見舞い続ける“私”の前に、分身を名乗る幽霊が現れる。自分そっくりな幽霊が一向に姿を消さないため、“私”は仕方なく一緒に暮らし始めるが……(「幽霊の心で」)。人間をクラゲにしてしまう、変種のクラゲが大量発生する。社会に動揺が走るなか、音楽活動をやめた“私”は、自らクラゲになりたがる人をサポートする仕事につき……(「光っていません」)。所属している劇団が行き詰まり、仕方なく役割代行サービスをしている駆け出し俳優の“あたし”。誰かに代わって別れを告げたりニセの恋人になったりしているうち、ある男から、「冬眠の準備を手伝ってほしい」という依頼があり……(「冬眠する男」)。 閉塞感に満ちた日常に解放をもたらす、韓国発、8つの奇妙な物語!作家の言葉=イム・ソヌ/解説=倉本さおり ■収録作品 「幽霊の心で」 「光っていません」 「夏は水の光みたいに」 「見知らぬ夜に、私たちは」 「家に帰って寝なくちゃ」 「冬眠する男」 「アラスカではないけれど」 「カーテンコール、延長戦、ファイナルステージ」

牡猫ムルの人生観牡猫ムルの人生観

漱石の『吾輩は猫である』の原点と言われる 教養ある天才猫ムルが自らの人生を綴った奇書! 幻想文学の鬼才・ホフマン最大の問題作を 名手の翻訳で贈ります。 猫のムルは生まれたての子猫の時、稀代の知識人にして奇術師アブラハム氏によって、橋の下から拾いあげられ、大切に育てられた。アブラハム氏の家にいるあいだにムルは、氏が書き物をするそば近くに陣取って、読み書きを習得したのだった。そして、自らの人生を回想する原稿を書き始めたが、羽根ペンで書いては、近くにあった一冊の本、『楽長ヨハネス・クライスラーの伝記』のページをちぎり、吸取紙や下敷きとして原稿にはさんだのだった。いざ、原稿を出版する運びとなった折、印刷所が、はさまれた『クライスラー伝』をうっかりそのまま組み込んで印刷してしまったというのが、本書である。つまり、牡猫ムルが自らの人生を語っている文章のそこここに、音楽家クライスラーの伝記が、はさみ込まれているという二重構造の物語(二重小説)なのである。 猫が主人公の動物小説であり、怪奇小説であり、犯罪小説であり恋愛小説でもあるという贅沢なこの物語は、当初は全三巻を予定していたのだが、著者ホフマンの死によって、第二巻で未完のまま終わっている。訳者あとがき=酒寄進一

まるで渡り鳥のようにまるで渡り鳥のように

発売日

2024年11月29日 発売

技術が人類を自由にする 研究者、エンジニア、軌道ステーション職員…… さまざまなプロフェッショナルと、 技術予測に基づく未来の形 星雲賞受賞作『マン・カインド』で話題の俊英が贈る 人間と科学への信頼に満ちた11編を収録 宇宙で生物の「渡り」を研究する日本人と、春節に地球へと帰省する習慣を持つ華人のパートナー。それぞれの選択を描いた表題作ほか、薩摩(さつま)藩に雇われ江戸総攻撃に臨む屍兵遣いの数奇な人生を綴る「従卒トム」、大国による侵略の危機に晒される国境近くの難民キャンプで感染症対策に挑むエンジニアの闘い「距離の嘘」、軌道作業ステーションに就職した奄美(あまみ)の巫女(ユタ)が遭遇する宇宙的脅威「祖母の龍」など、国内外で発表した11編を収録。各編に書き下ろしの著者解題を付す。 テクノロジーと人類への希望を描く傑作SF短編集。解説=勝山海百合 ■収録作品 「ヴァンテアン」 「従卒トム」 「おうむの夢と操り人形」 「まるで渡り鳥のように」 「晴れあがる銀河」 「距離の嘘」 「羽を震わせて言おう、ハロー!」 「海を流れる川の先」 「落下の果てに」 「読書家アリス」 「祖母の龍」

ロンドンの姉妹、思い出のパリへ行くロンドンの姉妹、思い出のパリへ行く

99歳と97歳の姉妹、合言葉は「いつも機嫌よく」! モールス信号での会話が得意で格闘術の心得もあり。 第二次世界大戦に従軍した姉妹に パリで勲章が授与されることに。 チャーミングな姉妹の人生を描いた愛すべき物語! 「さて、今日の“お楽しみ(エクサイトメンツ)”は何かしら?」 ロンドンに住む99歳のジョゼフィーンと97歳のペニーの姉妹は、ただ者ではない。第二次世界大戦中、姉は海軍婦人部隊に、妹は応急看護婦部隊に所属していた。戦後もそれぞれ社会に貢献する日々を送り、現在は退役者として講演をしたり、インタビューを受けたりして暮らしている。そんなとき、戦時中のフランスへの働きに対して、姉妹にレジオン・ドヌール勲章が授与されることに。二人は甥の息子アーチーと一緒にパリへと向かうことにするが、ペニーには別の思惑があった。パリでの勲章授与式の裏で、長年心に秘めてきたある計画を成し遂げなくてはーー。 モールス信号での会話が得意で格闘術の心得もあり。“いつも機嫌よく(トゥージュール・ゲ)”を合言葉に、第二次世界大戦から現在まで激動の時代をたくましく生きる最高の姉妹を描いた、勇気をもらえる感動作!訳者あとがき=高山祥子

その時鐘は鳴り響くその時鐘は鳴り響く

愛媛で起きた学生の事故死と、 三十年後に東京で起きた資産家殺人。 過去と現在が交錯する時に明かされる真相とは? 強い絆で結ばれていたふたりの音楽仲間。 ひとりは転落死し、ひとりは失踪した。 日本推理作家協会賞受賞作家の新境地、慟哭と郷愁のミステリ 東京・赤羽の路上で資産家が殺害された。赤羽署初の女性刑事・黒光亜樹は、本庁から来た癖の強い先輩刑事とコンビを組まされ、彼と対立しながらも懸命に捜査を続けるが、なかなか容疑者は浮かんでこない。同じ頃、松山大学マンドリンクラブのOG・国見冴子は、仲間二人と母校の取り壊し予定の部室棟を訪れていた。すると部室の黒板に、三十年前に失踪したクラブのメンバー・高木圭一郎が最近書き残したと思しき「その時鐘は鳴り響く」を見つけて驚く。それは四年生の夏合宿で事故死した篠塚瞳を含め、五人の間で頻繁に言い交わしていた言葉だった。瞳の死後に失踪した高木は、なぜ今になって部室を訪れ、この言葉を残したのか? 冴子たちは当時の事故について調べ始めるが……。

禁忌の子禁忌の子

発売日

2024年10月10日 発売

【第34回鮎川哲也賞受賞作】 投稿作であることも忘れ手に汗握った。 読者を没入させるストーリーテリングができる方だ 青崎有吾 とにかく書きっぷりが達者で、私は作品の半ばまで読んで 「これが今年の鮎川賞だな」と確信した 東川篤哉 良質なサスペンスドラマのように、主人公が歩みを進めるたびに 真相に近づいていく展開は見事のひと言 麻耶雄嵩 救急医・武田の元に搬送されてきた自身と瓜二つの溺死体。 彼はなぜ死んだのか、なぜ同じ顔をしているのか。 「俺たち」は誰なんだ。 現役医師が描く医療×本格ミステリ 第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作 救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とはーー。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第三十四回鮎川哲也賞受賞作。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP