出版社 : 東京創元社
ヴァイオリン職人のジャンニが講師を務めるヴァイオリン製作学校で、かつての教え子であるノルウェー人リカルドが講演を行ったが、その夜、殺害されてしまう。そして彼が持っていた楽器、ハルダンゲル・フィドルが消えていた。犯人はなぜ、さしたる値打ちもない楽器を奪ったのか?ジャンニは葬儀のためノルウェーへと旅立つが、新たな殺人が…。人気シリーズ、待望の新作!
平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方の太平洋岸を中心に未曾有の被害をもたらした。理不尽な死に見舞われた無辜の人々と、残された者たちー彼岸と此岸、死者と生者の幽暗なあわいに思いを凝らす作家たちの手で、新時代の怪談文芸が澎湃と生み出されてゆく。平成の時代に誕生した極めつきの名作佳品を全三巻に収録する、至高の怪奇小説アンソロジー最終巻。
元警察犬のマサは、蓮見家の一員となり、長女で探偵事務所調査員・加代ちゃんのお供役の用心犬を務めている。ある晩、高校野球界のスーパースター・諸岡克彦が殺害された。その遺体を発見した加代ちゃん、克彦の弟である進也、そしてマサは事件の真相を追い始めるが…。幅広いジャンルで活躍し、わが国の文壇を代表する作家の一人である宮部みゆきの記念すべき長編デビュー作。
私の誇りを傷つけるなど、万死に値する愚挙である。絶対に許してはいけない。学内で“皇帝”と称される稲見主任教授は、来年に副学長選挙を控え、恐喝者の排除を決意し実行に移す。犯行計画は完璧なはずだった。そう確信していた。あの男が現れるまでは。全四編を収録した、著者初の倒叙ミステリ・シリーズ、待望の文庫化。〈刑事コロンボ〉〈古畑任三郎〉の衣鉢を継ぐ警察官が、またひとり誕生する。
CBI最優秀児童図書賞などアイルランドのYA三賞受賞!「シンデレラ」「白雪姫」「人魚姫」「美女と野獣」「眠れる森の美女」など14のおとぎ話を再話した、血と陰謀、裏切りと魅惑の匂いが漂う短編集。
1994年、北朝鮮・寧辺の核燃料保有施設を訪れた、国際原子力機関の核特別査察官である蒔野亮子は、使用済み核燃料の沈むプールの中で謎めいた生物が泳ぐ様を目撃するーーそれは戦争によって文明という負のエントロピーを正のエントロピーに“精算”する際に誕生する四次元生命体〈戦争獣〉。生態系ならぬ死態系に潜む死命(シノチ)の最優勢種である彼等は、永遠の闘争を生きる種族「異人(ホカヒビト)」のみが扱える。奔放な想像力が生み出す本格SFの新たな傑作!
ネプチューンの三叉槍で刺されたような傷がある死体。30年前アダムスベルグの弟が恋人殺しの嫌疑で追われた事件も同じ手口だった。それ以前に五件、その後に二件同様の殺人があった。謎の多いこの事件で弟を失ったアダムスベルグは、彼の無実を証明すべく自らが犯人と確信する男を追い続けていた。アダムスベルグの人生を大きく変えた不可解な事件の驚愕の真相。CWA賞、813賞受賞の傑作!
犬の散歩中の女が突如射殺された。ライフルで80メートルの距離から正確に頭部を狙撃されたのだ。翌日、森に建つ邸宅で、女が頭部を撃たれて死亡。数日後、若い男が心臓を撃ち抜かれる。全員が他人に恨まれるタイプではなく、共通点がわからない。そして警察署に“仕置き人”と名乗る謎の人物から、死亡告知が届く。犯人の目的は? 被害者たちの“見えない繋がり”とは? 刑事オリヴァーとピアが未曾有の連続殺人事件に挑む!
創元SF短編賞正賞・優秀賞(佳作)受賞者が勢揃い。〈宇宙編〉では高山羽根子(第一回佳作)、酉島伝法(第二回正賞)、理山貞二(第三回正賞)、オキシタケヒコ(第三回優秀賞)、宮西建礼(第四回正賞)、宮澤伊織(第六回正賞)の六名が競演。遙か彼方の惑星で繁栄する摩訶不思議な生態系、航行中の宇宙船で起こる連続殺人、奇妙な異星人たちとの行商遠征ーー“東京創元社生まれ”の気鋭・新鋭作家たちが贈るアンソロジー。
創元SF短編賞正賞・優秀賞(佳作)受賞者が勢揃い。〈時間編〉では松崎有理(第一回正賞)、空木春宵(第二回佳作)、高島雄哉(第五回正賞)、門田充宏(第五回正賞)、石川宗生(第七回正賞)、久永実木彦(第八回正賞)、八島游舷(第九回正賞)の七名が競演。正統派のタイムリープものから、古典落語をモチーフにした幽霊譚、VR世界での”引っ越し”騒動まで“東京創元社生まれ”の気鋭・新鋭作家たちが贈るアンソロジー。
周囲を雪と氷に覆われた山。両親の車に乗っていた五歳の少女は、外に出て……次の瞬間消えていた。折しも降り始めた雪は吹雪となり、捜索を困難にした。三年の月日が虚しく過ぎ、みな少女は死んでしまったものと考えた。だがあきらめきれない両親は、行方不明の子ども専門の探偵ナオミに最後の望みを託した。生きていようが死んでいようが、必ず見つけ出す。深い森に閉ざされた山を相手に、“子ども見つけ屋”ナオミの戦いが始まる。
都会を走る移動図書館、愛称「本バスめぐりん」。乗り込むのは六十五歳の新人運転手テルさんと、図書館司書ウメちゃんの、年の差四十のでこぼこコンビだ。巡回先で二人と一台を待ち受けるのは、利用者とふしぎな謎の数々で……。棚に並んだ本の中に、あなたの好みの一冊がありますように。本でつながる想いをのせて、めぐりんは今日も走る。本屋、出版社などさまざまな「本の現場」を描く著者が贈る、ハートフル・ミステリ。
地球を離れて347年目の世代宇宙船《ノア》。巨大な船内では数万人以上の住民が超能力を駆使し、豊かで平穏な生活を営んでいた。だがその陰で、ミンチ状の死体が次々と密かに発見される。義務である出産を終えた都市計画官ハナは、上司を失った捜査官バレンズとともに能力を駆使して事件の真相を追い始める。新鋭が放つ傑作宇宙SF!
“ひき肉”事件の探索は次々と謎を呼ぶーー宇宙船《ノア》を建造し、インプラントや〈能力〉、プラステックやアンプなどの超技術を人類にもたらした異星種族の正体は? かつて地球で起きた災厄とは? そして、居住区の地下にある〈未観測地帯〉には何が存在するのか? 《ノア》ミッションの根幹に迫る謎を解いたとき、明らかになるものとは?
瀕死の妻のために謎の声に従い、2018年から1960年にタイムトラベルした主人公・加茂。妻の祖先・竜泉家の人々が殺害され、後に起こった土砂崩れで一族のほとんどが亡くなった「死野の惨劇」の真相を解明することが、彼女の命を救うことに繋がるという。タイムリミットは、土砂崩れがすべてを呑み込むまでの四日間。閉ざされた館の中で起こる不可能犯罪の真犯人を暴き、加茂は2018年に戻ることができるのか!? “令和のアルフレッド・ベスター”による、SF設定を本格ミステリに盛り込んだ、第29回鮎川哲也賞受賞作。 選考委員絶賛 ・何が飛び出すかわからないびっくり箱的な魅力が、この方にはある(加納朋子) ・こういう頭の働きは、まさに本格の魅力に繋がる(北村薫) ・ロジカルな謎の解明と、理外の理のドラマ設定を両立させたSFミステリ(辻真先)
第29回鮎川哲也賞、第16回ミステリーズ!新人賞選評掲載。第16回ミステリーズ!新人賞受賞作、床品美帆「ツマビラカ〜保健室の不思議な先生〜」掲載。待望の復活、倉知淳〈猫丸先輩〉シリーズ連載スタートほか。
成績優秀で礼儀正しいと評判の13歳の美少女、バーバラが失踪した。警察署長フェローズの指揮のもと一斉捜査が行われるが、足取りは全く掴めない。バーバラが姿を消した前の晩、彼女は生まれて初めてのダンス・パーティーに出かけていた。そこで何かが起こったのか? 地道で綿密な捜査の果てに姿を見せる、誰もが息を呑む衝撃のラストーー。本格推理の妙味溢れる警察小説の名手として名高い巨匠の、紛れもない傑作を新訳で贈る!〈名作ミステリ新訳プロジェクト〉第9弾!
自らの葬儀の手配をした当日、資産家の婦人が絞殺される。彼女は殺されることを知っていたのか? 作家のわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、テレビ・ドラマの脚本執筆で知り合った元刑事のホーソーンから連絡を受ける。この奇妙な事件を捜査する自分を描かないかというのだ……。かくしてわたしは、きわめて有能だが偏屈な男と行動をともにすることに……。7冠制覇『カササギ殺人事件』に続く、ミステリの面白さ全開の傑作登場!