出版社 : 東京書籍
推定球速・時速160km以上。17歳にしてベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグら米大リーグを圧倒し、日本初のノーヒット・ノーラン、最高殊勲選手、永久欠番。プロにおいて、生涯被本塁打数8。「沢村賞」にその名を残す、悲劇の超豪速球投手・沢村栄治の生涯。戦争の波間に浮かぶ家族の運命と、日本プロ野球の誕生と苦難の道を描く、渾身の書き下ろし500枚。
「焚火でいれたコーヒーは、たまらない味がする」-。森に入り、火を燃やし、物を食う。星の下で眼る。そこから生まれる物語の数々。登山家、猟師、釣師、少年、物動たち、そして都市生活者。野性とともに生きるものたちの、厳しくも美しい生の輝きを、渾身の力をこめて描く。アウトドア文学に、まったく新しい才能の出現。
イヴに間近いある夜。僕のもとに現れた少年は、サンタクロースの身分証明書を持っていた。僕の彼女への、クリスマス・プレゼント選びの相談にのるためにやって来たのだと言うが…。爽やかさNo.1の作家堀内貴和の、クリスマスと都市生活をめぐるショート・ストーリーズ。
本場アメリカへ行き、フォークギターの勉強をしたい。そのふたりの夢が、ようやくかなう日が来た。出発の三日前、卓也は胸をはずませてアパートのドアをたたくが…。70年代初頭のフォークに生きる青春を、透徹した眼差しで追った、著者初の書き下ろし長篇恋愛小説。
驚異の新人登場。脱サラし職業発明家になった貧乏な父の再起に力を貸す少年たくみが、幼稚園を中退するまでの哀しくも痛快な恋と人生。みずからの体験をもつにつづる、日本で(世界で?)初の園児小説、ついに刊行。
アメリカ文学界に決定的衝撃を与え、この一冊によって現在までブロドキーを巨匠と呼ばせる名著中の名著。美しい姉への憧れと、少年の揺れ動く心を静謐な筆致で描いた表題作他、アメリカ青春文学に永遠の輝きを放つ一冊、ついに登場。
パイロットを辞めた孝太は、徐々に襟子から遠ざかっていく。襟子はそのつらさに押し潰されそうになりながら、なお彼を求めずにいられない。なぜ彼でなくてはだめなのか、なぜこんなにも自分の気持ちに執着せずにいられないのか。終わっていく恋愛に身悶えつつ、彼女は自分が本当に求めているのは何かということを知ろうとする。
フィリピンのアメリカ空軍基地から、ベトナムの戦場へ。-熱風、手に負えぬ部下、そして奔放な女たち。極限状態のもとでの友情を、胸を震わせる文体で描く。
古い車を洗って、別れた日。受話器のむこうの柱時計の音。ポストカードから始まる恋。なにげない日々のなかの、心にしみとおるストーリーを描く、新鋭の書き下ろし作品集。
中世庶民のおおらかな笑い。ヨーロッパ中世のハレとケ、そのケの部分を描くのがファブリオーである。坊主や芸人、農民、町人らの愚かさや世渡りの知恵を笑いとともに生き生きと描く落語的世界の全貌を語る。