出版社 : 東宣出版
口のなかの小鳥たち口のなかの小鳥たち
本棚から本を取り出して読むというより、ギャラリーを歩くかインディペンデント映画を見るようなつもりで読めーーマリオ・ベジャティン 「おまえは小鳥を食うのか、サラ」と私は言った。 「そうなの、パパ」 娘は恥ずかしそうに唇を嚙んで言った。 「パパもでしょ」 「おまえは生きた小鳥を食うのか、サラ」 「そうなの、パパ」--本文より 几帳面で整頓好きな普通の男の暮らしに突然入ってきたシルビア、そして小鳥を食べる娘サラ……。父娘2人の生活に戸惑う父親の行動心理を写しだした表題作「口のなかの小鳥たち」など、日常空間に見え隠れする幻想と現実を、硬質で簡素な文体で描く15篇を収録。ボルヘス、ビオイ=カサーレス、コルタサル等のラプラタ幻想系譜の最先端、スペイン語圏における新世代幻想文学の旗手による傑作短篇集。 イルマン 蝶 保存期間 穴堀り男 サンタがうちで寝ている 口のなかの小鳥たち 最後の一周 人魚男 疫病のごとく ものごとの尺度 弟のバルテル 地の底 アスファルトに頭を叩きつけろ スピードを失って 草原地帯
寧、17歳。寧、17歳。
資産家・西園寺家の末娘として生まれた、寧。文武ともに優秀な上に、容姿も端麗であったが、出生時の事故で許嫁兼執事でもある駈の両親を失い、己に消極的な性格になってしまっていた。高校2年に進級した頃、3人の少女と友達になり自分の在り方に疑問を抱く。苦しむ中、将来の夢に向かっていく3人の友人を見て、寧の葛藤は深まっていくが、そんなある日、寧たちはレポート作成のために訪れた工場で爆発事故に遭う。そこで寧が出した答えとはー。