出版社 : 河出書房新社
ご存じ、松山で大暴れして教師を辞め、東京に帰った坊っちゃんは、それから、街鉄の運転手になった!清は念願かなって坊っちゃんと二人暮らし、山嵐は幸徳秋水に出会い、大逆事件に巻き込まれ…激動の明治を駆け抜ける大ロマン、続「坊っちゃん」。
戦国大名のはざまに生きる遠江の国人領主の一人娘に生まれ、幼くして許婚との別離に遭遇。出家を決断するが、その後も一族の男系を次々と失うと、男の名に改めて城主の道を選ぶ。お家存亡のなか、許婚の遺児を育て、乱世の覇者と見た徳川家康のもとに出仕を果たす。井伊家を再興し、大大名に押し上げた女城主の波瀾の生涯を描く歴史小説。
第一回文藝賞受賞、早逝した天才作家デビュー作。妻が神経を病む中、家政婦と関係を持った法学部教授・正木。妻の死後知人の娘と婚約し、家政婦から婚約不履行で告訴された彼の孤立と破滅に迫る。亀山郁夫氏絶賛!
人類が最初に移住に成功した太陽系外の星ー通称、二番街。ぼくは新生金融の二番街支社に所属する債権回収担当者で、大手があまり相手にしないアンドロイドが主なお客だ。直属の上司はユーセフ。この男、普段はいい加減で最悪なのに、たまに大得点をあげて挽回する。貧乏クジを引かされるのは、いつだってぼくだ。「だめです!そんなことをしたら惑星そのものが破綻します!」「それがどうした?おれたちの仕事は取り立てだ。それ以外のことなどどうでもいい」取り立て屋コンビが駆ける!新本格SFコメディ誕生。
水槽のあるゲイバー「Aqua」で、僕が出会った優利という美しい青年。ある日彼は、静かに語り始める。昔「Aqua」で働いていた男装した少女のことを。彼女はタマと名乗り、毎夜過激なショーを演じていたが、ある晩オーナー緑山の友人・武史にその正体を見破られてしまう。タマに一目惚れした武史は彼女を強く求め、のめり込んでいくのだがーチェルノブイリの事故で危機管理能力が壊れてしまったルームメイト・オリガと横暴な恋人・マサル、タマを虐待した“あの人”と彼女の恋人たち。タマと出会ったことで運命が変わっていく人々の話を聞いているうちに、いつしか僕もその運命の渦に巻き込まれていく。
ボリスとの再会で絵が奪われたことを知ったテオ。裏社会のルートを流れた絵を追い、キッツィとの結婚パーティーの最中、テオはボリスとともにアムステルダムへと飛んだ。流血と殺人、そして「独房監禁生活」…、テオの運命は1枚の名画とともに、ついに最終章へー運命は残酷だが、でたらめではない。「死」はつねに勝つが、ぼくたちはそれにひれ伏さなければならないわけではない。全世界絶賛、当代最高のストーリーテラーによる大長編、ついに最終巻。
プリンセスは結婚するのも、ひと苦労!?マイケルとの恋は実ったものの、何から何まで超・大変なミア。そんなミアの前に、なんと腹違いの妹まで現れて、さらにはなんと…!?
5階A田、6階B野、4階C川、7階D山、10階E木…似ているけれどどこか違う人々が各フロアで働いているオフィスビルー女とは、男とは、会社とは、家族とは…同調圧力に溢れる社会で、それぞれの『武器』を手に不条理と戦う『わたしたち』を描いた、著者初の小説集。文庫本書き下ろし短篇「タッパー」を収録。第4回Twitter文学賞(国内部門)第1位。キノベス!2014第3位。
異星文明が残したワームホールゲートの発見で、人類第二の故郷・火星は戦争の時代を迎えようとしていた。日本人の末裔、葦船彰人と大島麻理沙のふたりは出会い、恋に落ち、火星の歴史が動く。「彰人くんが選ぶなら、それが運命だったんだよーわたしたちの」。壮大な物語世界が立ち上がるSF恋愛小説。
未来を震撼させる巨星アルトーのテクスト群に「比類なき仕方で君臨する」(ドゥルーズ)名著『ヘリオガバルス』を第一人者が新訳。十四歳で即位して十八歳で惨殺されたローマ少年皇帝の運命に究極のアナーキーを見出し、血塗られた歴史の深部に非有機的生命=「器官なき身体」の輝きを開示する稀代の奇書にして傑作が新たな訳文によってよみがえる。
長く甲子園で栄光を極めてきた天堂北高校野球部がたび重なる不祥事と校長の代替わりで部員募集を停止した。廃部一直線の中で、選手たちは校長と一か八かの賭けに出る。無謀な条件をクリアするため、学生監督・朝日奈凱の挑戦が始まるが…。リミットは3カ月、県ベスト4に進めなければ即廃部!
突如現れた父とその恋人に連れられ、テオはようやく希望を見出しかけたニューヨークを後にした。ラスベガスの突き抜けるほど青い空、砂漠、ギャンブル、そしてドラッグ。そこではじまる新たな学校生活ーニューヨークとは全く異なるその地で、テオは生涯の友となるボリスと出会う。数ヶ国語を操るボリスとの狂騒的日々のなか、テオの運命は回り出し、物語は意外な方向へと動き始める…。世界32カ国で翻訳された大ベストセラー、待望の第2巻。
8年後、天才家具職人ホービーのもとで骨董ディーラーとしての道を歩みはじめたテオはある日、かつて身を寄せたバーバー家の長男ブラットと出会った。そしてバーバー家の変わり果てた姿を目にする。一方で、骨董店の顧客から何度も届く手紙に、テオは焦りをつのらせる。運命は残酷で、生きるとは災難なのかもしれないが、この世界から退却するわけにはいかないー寡作の世界的ベストセラー作家による11年ぶりの超大作、第3巻。
肉機械が渦巻くー両親を殺害され、みずからも氷のハンマーによって傷を負ったオリガは、犯人たちへの復讐を誓う。一方、光の兄弟たちは、驚異的な心臓の力をもつ少年ゴルンを得る。フィンランドの武器庫に隠された氷のハンマー、中国の秘密工場で働く「死んだ雌犬の仲間たち」、コギャルを愛する殺し屋…最初の指導者ブロの覚醒から七十七年を経て、二万三千人の仲間が「原初の光」のために結集を始める。“氷三部作”怒涛の完結編!!!!