出版社 : 河出書房新社
無に向かって広がる声の万華鏡。 読めば読むほどふかみにはまる。 タブッキに惚れたってことよ。--小池昌代(詩人) こうして小説になったこれらの手紙の性質はどんなものか話せと言われたら、恋文だと規定してみせるかもしれない。それは相当広い意味において、つまり広大な愛の領域と同じくらい広くて、怨恨、憤慨、郷愁、後悔といった、愛の領域とは無縁に見える未知の領域にまで広がっている。--A・T「あとがき」より
人生崖っぷちの元ロックスター(36歳)、業界最大手レコード会社を相手にー一大詐欺!『米国音楽』の編集長、衝撃の小説デビュー。崖っぷち青春エンターテインメント長編!
「いっせーのせっ!」-楽しげなかけ声とともに、女子高生54人が、新宿駅のホームから、電車に飛び込んだ。だがそれは、始まりにすぎなかった。自殺の連鎖は、またたく間に、全国に広がっていく。様々な憶測が飛びかうなか、やがて“自殺クラブ”の存在が、浮かび上がって…世界的映画監督・園子温による傑作小説。
離婚した父親が残していった黒くて大きな犬。僕にしつこくつきまとう同級生のサダ…やっかいな中学生活を送る僕は時折、犬と秘密の場所に出かけた。その茂みの奥には、悪臭を放つ得体の知れない“肉”が埋まっていて!?日本文学史上初の兄弟ユニット作家による第46回文藝賞受賞作/芥川賞候補作。
各界絶賛! 引用、リピート、止まらない連想 ゲームの連続、コトバの混沌 焦燥と昂揚、その頃のトーキョー 凡庸じゃないフロウ、読めば即没頭 超高速かつスロウな妄想 脳内で暴走、町内を奔走 イメージと瞑想、縦書きの予言書 十年後?いや、そのもっと先の 解体、リセット、メモリはキロバイト モノクロの液晶、いざなう世界のエンド 何十年も、何周も早すぎた未来の禅問答 ーーBose(スチャダラパー) 自分探しの旅が 永遠に続く世界の終わりだと 教えてくれた希望の書 ーー神山健治 産毛!触覚!産毛!味蕾! 産毛! 未体験ゾーン突入小説 ーー岡村靖幸
空を飛ぶ病身の女、キャベツの赤ん坊を育てる母親、身体を入れ替えられた妻、生の心臓を食べたがる娘、マッチを擦る黒いコートの少女ー。世界幻想文学大賞受賞の現代ロシアを代表する作家、待望の傑作短編集!
幼いころ毎晩、祖父から残酷で暴力的な話を聞かされて育った男は、祖父の望みどおりの荒くれ者となった。仕事を求めてメキシコの港町に流れ着き、やがて、その町で満月の夜のたびに催されるイヌと人との1対1の闘い、ドッグ・ファイティングにファイターとして参加するようになるー恋愛の極点を目指す血と暴力の物語。大型新人デビュー作!
怪奇・恐怖・神秘を主題に、澁澤龍彦によって選ばれ翻訳された珠玉のフランス短篇小説群をオリジナル編集。『澁澤龍彦訳幻想怪奇短篇集』の続編。子供を何人も連れ去って一緒に住む奇妙な紳士を描いた『ひとさらい』のシュペルヴィエルは、澁澤がコクトーの次に熱中したと語った詩人で、文庫版初出。ほかに、マンディアルグやカリントンなど、意表を突く展開と絶妙な文体が愉しめる傑作選。
時は昭和三年ー。名探偵唐草七郎の一番弟子にして閨秀の探偵・岡田明子のもとに舞い込んだ摩訶不思議な依頼。「三姉妹を探して下さい。三人とも左の耳に一粒の琉璃玉が嵌った、白金の耳輪をしています」阿片窟の女傑、女掏摸、男装の麗人、旅芸人一座、変態性慾の男、老刑事、放蕩の貴公子…奇想天外、百花繚乱!幻の探偵小説が奇才の筆でいま蘇る!大発見を語った「尾崎翠フォーラム講演抄録」併録。
デビューからわずか四年で、芥川賞に六回ノミネートされ、六回落選した現・芥川賞選考委員島田雅彦の華麗なる落選の軌跡にして初期傑作集。大学在学中に発表された鮮烈なデビュー作「優しいサヨクのための嬉遊曲」のほか、「亡命旅行者は叫び呟く」「夢遊王国のための音楽」を収録。作家生活三十周年記念企画。
これが輝かしき文学史的事件!芥川賞最多落選者であり現・芥川賞選考委員島田雅彦、前代未聞の初期傑作集。永遠の青二才・悪久間一人を峻烈に描いた代表作「僕は模造人間」をはじめ「ドンナ・アンナ」「未確認尾行物体」を収録。作家生活三十周年記念企画。
少年は旅立った。サヨウナラ、「世界」-ある夜、突如ランちゃんの前に現れた謎の少女・マホさん。彼女はランちゃんにある指令を出した。「“世界を守る鍵”である、あなたの弟・キイちゃんが『悪』の手先・ミアちゃんに連れ去られたわ。『悪』からキイちゃんを救い出すのよ!」「悪」とは、「世界」とは何なのか?単行本未収録小説「魔法学園のリリコ」併録。著者最高の話題作が待望の文庫化!
一九九X年。猛毒ガスを手にした一人の男が地下鉄に乗り込む。男の胸には抹殺せよとの教義がある。座席に座り周囲を窺う。と、隣の乗客のヘッドフォンから音楽が、ロックンロールが漏れてくるー。念仏としてのロックンロールが鳴り響く、要塞化した東京。跋扈する牛頭馬頭の獄卒、都市奪還を狙う少女、「塾生」を率いる老人ー輪廻とは業なのか?そして彼岸と此岸を自在に往来する、ブックマンを名乗る男が現れるー。「誤解の愛」が播種したロックンロールが、六つの大陸と一つの亜大陸、そして日本に蔓延する。ロックンロールは二十世紀史に邂逅し、その歴史を書き換えていくー。「コーマW」「浄土前夜」「二十世紀」時空を超えた三つの語りが衆生の一切を巻き込みうねる。豊饒にして過剰、過激。破格のスケールで描かれる怒涛の一〇〇〇枚。
東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎ーかつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは…。大江健三郎賞を受賞し、各国で翻訳されたベストセラーが文庫化。
はだしで盲目で、心もおかしくなって、さまよってゆくおもかさま。四歳のみっちんは、その手をしっかりと握り、甘やかな記憶の海を漂う。失われてしまったふるさと水俣の豊饒な風景、「水銀漬」にされて「生き埋め」にされた壮大な魂の世界が、いま甦る。『苦海浄土』の著者の卓越した叙情性、類い希な表現力が溢れる傑作。
●読めば涙が止まらない。傷つき暴力衝動に駆られたこの社会に、必要な小説(星野智幸) ●圧巻。傑作。早くも今年のベスト3に入る作品に出会ってしまった(伊藤氏貴/読書人) ●著者の言葉の芸が総動員された小説のオペラだ(清水良典/ダ・ヴィンチ) ●荒唐無稽なシチュエーションこそが、現実以上の現実をあぶりだす。これが文学の力だ。間違いなく傑作だ(中島岳志/毎日新聞) ●「想像すれば聞こえるはずだ」というストレートなメッセージに感動(沼野充義/東京新聞) ●夥しい死の事実を、どう受けとめればよいのか。生きている者にできることはあるのか。その問いに真正面から向き合う(平松洋子/読売新聞) ●悲観と楽観の間で引き裂かれたわれわれの時代の「気分」を鮮やかに捉えている(松浦寿輝/朝日新聞) ●「必読」と言い切れる作品。今われわれにいちばん必要で、でもなされていない行為を、ずばりと突きつけられた(「ダ・ヴィンチ」編集長 関口靖彦) ◎大推薦。普段小説なんて読まない方に是非(@yoshikma) ◎面白かった。今年読んだ小説の中で1位だ(@spe_iizuka) ◎本当に素晴らしい。余計な説明はしたくない、とにかく多くの人に読んでほしい。小説を読んでこんなに泣いたことはない(@tangegozen) ◎読んでください。立ち読みで最初の1ページでいいから。そしたらきっと全部読んじゃうから(@aya_super_aya) ◎ひたすら衝撃。うまく言えないので、みんな読んでみて感じてください。(@kintakk1010ber) ◎読んだ。2度読んだ。特別な作品。これからも何度も読むと思う(@nubathestomper) ◎刺さった。しばらく抜けそうにない(@simauma_note) ◎一気に読み終えた。ほんとに一気だった。止まらなかった(@tvdinner78)