出版社 : 河出書房新社
あのウディ・アレンの究極の目的は作家になること?八面六臂の才人「これでおあいこ」先輩作家への借りは返したと、自負をこめておくる処女短編集。娘から神をさがしてくれと依頼された探偵の物語「ミスター・ビッグ」、天才メッタリングの生涯をクリーニング・リストより読み解く「メッタリング・リスト」…。パロディ、パステーシュ等趣向を凝らした17編。
本書は、作家デュラスの真の処女作というべきものであり、のちに『愛人』『北の愛人』とともに、深化・発展させられてゆく仏領インドシナでの自らの少女時代の体験を素材としたデュラス流の「失われし時を求めて」をかたちづくる傑作である。
本書は米国の作家、批評家として活躍し、いちばん古いシャーロッキアンの団体〈ベイカー・ストリート・イレギュラーズ〉の創立者のひとりとして知られるヴィンセント・スタリットが1933年に発表したエッセイである。系統的、総合的視点からホームズ物語全体を扱った批評として名高いこの書物は、今日でもその価値を失わない古典的作品として有名である。
快楽の法則の信奉者、遊び好きなサン・タンジェ夫人と、彼女に教えを受ける情熱的な若き女性ウージェニー。そして夫人の弟ミルヴェル騎士や、遊蕩児ドルマンセたちがたがいにかわす“性と革命”に関する対話を通して、サドがみずからの哲学を直截に表明した異色作。過激で反社会的なサドの思想が鮮明に表現され、読む者を慄然とさせる危険な書物。
シャーロック・ホームズの輝かしい冒険のなかに、まだ公開されていない大事件があった。それはあのドラキュラ伯爵にまつわる怖しい怪事件であった。なんとホームズは、ドラキュラ伯爵とすさまじい死闘を演じたことがあったのだ…。ハードボイルド作家として知られるローレン・D・エスルマンが、ホームズ・パロディーに挑戦した若き日の快作、遂に登場。
中国は不思議な国だ。現実がフィクションを食ってしまうほどこわい。文字通り食人の記録からはじまって、自然の恐怖、言語の怪談、政治、習俗ととりあげてゆけばきりがない。このような「現実」の記録から、SFを含む未紹介の現代文学までを新しい視点からとりあげ、従来の「中国怪談集」とはガラリと趣向を変えた画期的アンソロジー。
『愛人』のモデルとなった男の死を最近知ったデュラスが、憑かれたように書き上げたもう一つの愛の物語。『愛人』の姉妹篇。最新作。〈絶望のワルツ〉にのせて語られる、15歳の少女と中国人青年との、性的悦楽と殺意が溶けあった“狂気の愛” デュラスの最高傑作。
イギリスの田舎の古い荘園屋敷クルック。その主人である老古生物学者サー・ヒューゴー・コールは大脳の発作により植物人間と化し、車椅子の生活を余儀なくされていた。「あの悪魔のような男フレッジを新しい執事に妻が雇わなければ、私も車椅子に座っていなかっただろう」妻と執事の仲を疑い、事実に妄想の混ざりこむ老人の話は、やがて屋敷を崩壊へと導く1つの殺人事件を語りはじめる…。