出版社 : 祥伝社
八代将軍吉宗の側近が次々と暗殺された!脱藩しておだやかな長屋暮らしを送っていた金杉惣三郎は、南町奉行大岡忠相の密命を帯びて探索に乗り出す。徳川を脅かす妖刀「村正」を振るい、樒の一枝を残していく皺だらけの老武芸者・石動奇嶽…。次第に明らかになる、その驚くべき正体とは?そして惣三郎は、強敵をおびき寄せるべく、一世一代の大舞台に立つ!
世界規模の“ウェブ万国博覧会”開催が迫った2029年。最新技術を駆使した未来シミュレーション「E計画」でスーパーコンピューターがはじきだした日本の未来は「破滅」。アシスタント・プログラマーの僕は、驚愕の光景を目の当たりにした。これは何かの間違いか…。だが直後、恐れていた事態が現実に!世界中を巻き込む、誰も直面したことがない大パニック!破天荒な女子高生・灘城小梅と僕は、口八丁手八丁で渡り合う!
「ねぇ、聞いてよ。ブック」-住人たちはそっと秘密を打ち明ける。恋と夢に破れ故郷に戻った日本画家、初恋の人と結婚したのに寂しそうな奥さん、手の届かない素敵なひとに思いを寄せる少年、愛犬を亡くし笑顔が消えた一家、女運がない優しすぎるパン屋の元店主、占いができなくなってしまった占い師…ラブリ商店街の人々の相談相手は、アイリッシュセッターのブック。どこから来たのか、誰が名前を付けたのか、知る者はいない。でもなぜか、ブックの前だと素直になれたー“最高の友人”との忘れられない日々を描く、ぎゅっと抱きしめたくなる物語。
猫の世話をするだけの簡単なお仕事ー喫茶虹猫。こんな求人募集を見て、獣医大学一年生の僕はある古ぼけた喫茶店を訪ねた。そこで待っていたのは、「猫バカ」で引きこもりの美しきオーナーと里親募集中の捨て猫たち。任された仕事は、厄介な婆さんが住む猫屋敷の掃除と店の猫に生涯愛してくれる飼い主を探してやることだったが、次々と面倒な事情を抱えた客人が現れて…。猫と暮らす美しい女の願いは叶うのか。寂しがり屋の人間たちと愛くるしい猫の日々を綴った長編小説。
オフィス・カメレオンー対象は生物、非生物を問わず。「真実」を捕獲する、依頼達成率は100%!元刑事でオカルト・ライターの浜谷良和。彼には「記憶した空間を、立体的な像として再現する」特殊能力があった。「写真を撮ってはいけない絵」「檻の中のワイン」「廃ビルの幽霊」「脅迫者“夜行奇人”」、奇妙な現象の取材依頼を受け、オフィス・カメレオンの女社長阿過沙多菜と共に現場に向かうが…。
約束された次期重役の椅子がー!?営業部長の安田は、房総へ愛人とドライブへ出かけた帰途、人身事故を起こしてしまう。出世の危機と不安を抱くが、轢いたのは小柄で貧相な男。これは示談で済む、そう安田は安堵した…。だが、そこには信じられない落とし穴が待っていた。傲慢なエリート男を襲った恐怖とは?(「脅迫者」より)推理小説界の巨人が描くサスペンス傑作集!
人生に挫折し、八ヶ岳へ流れ着いた真鍋智也が働くことになったのは、理由あり物件を得意とする「やまびこ不動産」だった。泣く泣く生家を手放す女性、絶縁した父から土地を相続することになった男ー物件に篭もる思い出や事情、家族の想いに接するうち、空虚な真鍋の心にも変化が…。瑞々しい自然に抱かれた八ヶ岳で、悲喜こもごもの人生が交差する、再生の物語。
東京湾で、トカレフの銃弾が撃ち込まれた女の遺体が見つかった。巡査の伊吹龍次は、横行するロシアの密輸組織との関連を疑う。直後、先輩警官の遠藤が姿を消し、密輸船から持ち出された麻薬密売に関わっていたことが明らかになる。尊敬する先輩が、一体なぜー。血気盛んな伊吹は、遠藤の無実を確信し単独捜査に乗り出すが、炙り出されたのは法でも裁けぬ巨悪だった!
刀剣目利きの上条綸太郎は、ある日、虎徹の流れを汲む刀鍛冶とともに刀を作り続ける香苗と出会う。藩主の御側役だった香苗の夫は、主君の刀を失くし切腹したが、後に濡衣だと判明。香苗は自ら作った刀で夫の仇を討つという。だが、彼女の工房には骨董の贋作も多く、お宝と贋作をすり替えて盗む取替屋の疑いが浮上し…綸太郎は心の真贋まで見抜けるのか!?
豊後相良藩二万石の徒士組・金杉惣三郎は、固い絆で結ばれた藩主・斎木高玖から密命を帯びる。何者かによって奪われた相良藩の蔵書の中に、幕府ご禁制の切支丹本が混ざっていたという。事が明るみに出れば藩の取り潰しは免れない!真相を探るべく江戸に潜入した惣三郎は、藩主の分家・斎木丹波の企みを嗅ぎつけ…。相良藩の龍虎が激突する一大剣豪小説!
御家騒動から七年後。相良藩の江戸留守居役となった金杉惣三郎は、財政の建て直しに忙しく、我が子とゆっくり向き合う暇もない。そんな折り、藩の下屋敷が黒装束の一団に襲撃された!普請奉行・大岡忠相らとともに探索に乗り出した惣三郎は、やがて将軍家をおびやかす遠大な陰謀を突き止める。将軍宣下を控えた徳川吉宗にかかわる、驚愕の秘密とは…!?
鬼隼人、許すまじー財政難に喘ぐ豊後・羽根藩には、怨嗟の声が渦巻いていた。十五年前に仕官、やがて御勝手方総元締に任じられた多聞隼人が、藩主・三浦兼清を名君と成すために、領民家中に激烈な痛みを伴う改革を断行したためであった。そんな中、誰も成し得なかった黒菱沼の干拓の命が下る。一揆さえ招きかねない難題であった。それにも拘わらず、隼人は家老に就くことを条件に受諾。工事の名手で“人食い”と呼ばれる大庄屋・佐野七右衛門、獄中にあった“大蛇”と忌み嫌われる学者・千々岩臥雲を召集、難工事に着手する。だが、城中では、反隼人派の策謀が蠢き始めていた…。『蜩ノ記』『潮鳴り』に続く羽根藩シリーズ、待望の第三弾!
火災で亡くなったおばあさんの霊が見えるー。警視庁特殊捜査室に勤務する柏木警部補の元に若手警察官の青田が訪ねてきた。幽霊と話せる柏木は、現場へ向かうが、被害者の証言と現場検証が一致しない。困惑する柏木はふと、玄関先で不気味な市松人形を発見。物の記憶を読む高島佳帆警部に火災の状況を読んでもらおうとするが、この人形には恐ろしい秘密が…!
ダウンスイングとともに腰が回転し、ミニスカートが翻る。白い尻が、見えたー。過激な接待ゴルフに挑む課長丸山麗子、三十三歳。知的で美しい彼女が、なぜ?理由は超高級マッサージ機を3ヶ月以内に百台売らないと左遷だからだった!セクハラに異常に弱い「泣き虫」がノルマのためにとった最終手段とは!?三人のセクシーで美しい営業部員の活躍を描く、企業エロス。
板で塞がれた窓の隙間から一条の光が漏れ、血と砂がこびり付いた浩志の頭部を照らしたーヨルダンで開催された軍事見本市に招待され、特殊部隊での競技会に参加した傭兵・藤堂浩志。だが競技中、突如ヘリが爆発し、地上で待ち構えていた兵士に狙撃された!捕まった浩志に、テロリストが突きつけた卑劣な脅迫とは!?現実社会が直面する危機を描いたアクション小説。
警視庁吉田刑事の留守宅が放火、焼け跡から女性の刺殺体が発見された。愛娘と鹿児島県指宿へ向かう最中の事件だった。被害者のホステスと吉田は面識がないと言う。直後、吉田の愛娘が失踪。“走る密室”九州新幹線から忽然と姿を消したのだ。やがて、黒い噂が浮上し吉田に疑惑の目が…。東京、九州、山陰、各地で仕掛けられた頭脳犯の大掛かりな罠に十津川警部が挑む!
満開を迎える深川大横川の桜並木。駕籠舁きの新太郎と尚平は、庄兵衛とおよねの老夫婦を花見に招待した。余命わずかなおよねの望みをかなえるためだった。翌日、桜を楽しむ新太郎たちに、千住の駕籠舁き寅とその客が早駕籠勝負をけしかけてきた。我慢を重ねた新太郎だったが、やがて、勝負をうけることに。だが、賭け金が千両だったことからー胸のすく第三弾!
素浪人・矢吹平八郎は、撫然としていた。口入屋の万吉に呼び出されたのだが、何の説明もなく、武家娘に品定めされているのだ。どんなに割の良い仕事でも断ってやる…。そう決意した矢先、娘は平伏し、「矢吹さま、暫くの間、私の兄になっては戴けませぬでしょうか」と懇願した。こうして始まった平八郎の俄兄妹芝居。家督をめぐる策謀に、平八郎が立ち向かう!
夜の神田神保小路。黒装束たちが、伊予松山の琴姫の駕籠を襲った。だが間一髪、現れたのは見目麗しき若侍、家斉公の落とし胤日之本源九郎だった。目にも止まらぬ剣捌きで、賊を蹴散らすと、何と、お家騒動が起きている四国今治に同行することに。敵は騒動の証となる文を狙っているという。道中、迫る怪しき影。姫と若君の運命はいかに!?痛快!旅情活劇、開幕。