出版社 : 祥伝社
柴田直太朗39歳。バツイチ子持ちの編集者、再婚の可能性は今のところなし。山内百恵39歳。婚活もうまくいかず、恋に臆病な独身書店員。仕事の場で出会った二人は、やがてお互いが抱える悩みを分かち合っていく。シングルファーザーの子育て、病への不安、親との確執…。もどかしくも惹かれあう大人の男女の恋と、家族の再生を描く感動作。
高校3年生のサッカー部員、宮島大地は公式戦に一度も出たことがない。だけど、母親を亡くしてから二人暮らしを続けている絹子伯母さんには「レギュラーで活躍している」とうそをついてしまう。ふいにのぞく劣等感。大地はそんな自分がいやだった。間近に迫る最後の大会が終わったら、進路を決めなければならない。そんなとき、12年前に家を出た実父から突然「一緒に暮らそう」と言われて…。家族、友達、そして自分自身と初めて本気でぶつかった一生ものの夏ー。注目の新鋭が贈る、ひたむきさが胸を衝くサッカー少年の青春ストーリー。
警視庁暗殺部のトップ・菊沢義政は第三会議の要請を断固として断った。新設された国際的労働機関の闇を巡る実態調査という事案は、存在が絶対に公になってはならない暗殺部を表舞台に晒す危険が余りに多いのだ。どうやら政府中枢の圧力らしい。同じ頃、日本でも優秀な技術者たちが失踪する事件が頻発していたー壮大なスケール、上下巻の迫力で贈るシリーズ第3弾!
“『蓬莱山の黄金』『鬼道の力』そして空海の秘法『四殺』を得た者が覇者となる”秦始皇帝の使者徐福がもたらし、腐鬼一族が蓄えた黄金の在処、すなわち卑弥呼の墓所とはどこなのか?謎の古文書を読み解いた密教術の天才美空は、精神ダイバー九門、毒島らとともに富士山麓へ向かった…。空海のミイラ盗難に始まった超伝奇小説の金字塔、ついに終局へ!
高野山空海廟堂の配置から、密教術の天才美空は、ついに卑弥呼の墓所を発見した。富士山麓青木ヶ原の樹海、巨大洞窟に入る美空と精神ダイバー九門、毒島。迫る魔人黒御所と猿翁、巨漢文成仙吉!黄金は誰の手に?そして卑弥呼が得ていた鬼道の秘密とは?やがて毒島と九門は最後の精神ダイブに挑むが…。エンターテインメント史に燦然と輝く伝説の巨編、完結!
「天皇の真実を公表する」そう息巻いていた友人が死んだ。歴史作家・望月真司はその死に疑問を抱き、彼が知った事実を調べるため、支那大陸へ。そこで目にしたのは、キリスト教が中国で流行したことを示す石碑、そして古くからあるイスラム教の寺院。これらが望月の頭の中で結び付けられたとき、ヤマト民族の起源が浮上する!真の古代史を追求する、驚愕の歴史ロマン。
「父の仇・柳井宗秀を討つ助っ人を雇いたい」渡り用人・唐木市兵衛は胸をざわつかせた。請け人宿の主・矢藤太によると、依頼人は女郎に身をやつしているが、武家育ちの上品な女らしい。しかし、二人の知る宗秀は病に苦しむ人々に寄り添う仁の町医者である。真偽を確かめるため岡場所を訪ねる市兵衛。だが、仇討ちには宗秀の故郷信濃を揺るがした大事件が絡んでいた!
並木一刀流の遣い手である雄之助の妹・留以は仕合中、女武芸者に怪我を負わされた。無慈悲な仕打ちだった。留以の友で岸裏道場の門弟であり、大店の呉服屋・田辺屋の娘であるお咲は憤り、女武芸者を挑発する。一方、田辺屋の主・宗右衛門と長男・松太郎は、お咲の嫁入りを巡って意見が対立。宗右衛門が秋月栄三郎を頼ってきたー。“取次屋”の面目躍如となる妙案とは!
佐渡から江戸へと帰り着いた鉄次と弥八。鉄次は水替人足として酷使されるなか、唯一の支えが許嫁のおきみだった。だが、苦界に沈んだと知らされ、身請金のため押込み一味に。一方、弥八も親友のため、ある企みに加担しようとしていた。弥八はかつての恩人青柳剣一郎を頼るべきか悩むが…。大切な人のため、悪に染まろうとする二人。剣一郎の救いは間に合うのか?
日々堂の女主人・お葉は店衆の政女を見舞いに訪れた。目の前で主を斬殺され自身も肩を斬られた政女を、一刻も早く立ち直らせたかったのだ。滋養をつけてもらうため携えた桜飯には、便り屋仲間の励ましが詰まっていたー美味い料理と味わい深い人情が満載の“泣ける時代小説”。
平和な里で突如、花火が鳴り響いた。軍鶏侍・岩倉源太夫が住む園瀬藩緊急の報せだ。番所に急行する藩士たち。現地には何の異変もなかったが、源太夫は公儀の企みであると看破。さまざまな疑惑が浮かぶ中、園瀬が最も沸く、盆踊りの季節がやってこようとしていた。もしや、狙いは祭りそのもの…。源太夫は園瀬の民を守れるのか。シリーズ初長編、緊迫の第六弾。
人捜し屋・秋せつらは、“区外”の芸能プロから、“新宿”のウィアード・プロに引き抜かれた蒼海ユカの捜索を依頼された。凄腕と評判のその事務所は、頂点を極めたタレントが必ず死亡するという謎に満ちた会社だった。所在地さえ掴めないせつらは、自らの美貌を餌に、ウィアードのスカウトと接触を図る。だがそれは、芸能界だけに収まらない大争乱を呼ぶことに。やがて、せつらが操る必殺の妖糸さえも拒む異世界が口を開ける!仁義なき争奪戦の渦中に置かれたせつらの捜索行の行方は?魔界の中の“魔界”を舞台に贈る最新刊!
冬の日、雪の結晶の形を調べていた下総古河藩の下士・小松尚七は藩の重臣・鷹見忠常(のちの泉石)に出会う。その探究心のせいで「何故なに尚七」と揶揄され、屈託を抱える尚七だったが、蘭学に造詣の深い忠常はこれを是とし、藩の世継ぎ・土井利位の御学問相手に抜擢した。やがて江戸に出た主従は、蘭医・大槻玄沢や大黒屋光太夫、オランダ人医師・シーボルトらと交流するうちに、大きな時代の流れに呑み込まれていく…。
風間健介は急逝した父の遺志を継ぎ、広告カメラマンから山岳写真家へと転身した。父の愛した厳冬の大雪山で撮影中、風間は絶滅したはずのオオカミを探す田沢保と出会う。十数年前、遭難の危機をオオカミに救われたという。さらに、彼が亡き父を尊敬していたこと、そして、大規模リゾート開発に絡んだ殺人犯だということを知る。風間は田沢と行動をともにするうちに彼の冤罪を信じた…。
数年ぶりに別居する息子と二人で、荒川沿いの酒蔵を訪れた赤羽中央署生活安全課の疋田努は、若い女性の水死体を発見した。遺体は女子短大生とすぐに判明、スクリュー痕でかなり傷ついていたが入水自殺と思われた。だが、遺体の胸に刻まれた謎の刺青文様が気になった疋田は、独自に捜査を開始する。浮上したのは、短大生が手術を受けていた美容整形外科だった。張り込み中に院長が患者らしき女性と口論する姿も目撃されている。ここはいわくつきの病院なのか。ところが、院長に焦点を絞った矢先、今度は院長が失踪してしまい…。
小田急線の急行通過駅・世田谷代田から徒歩五分、築ウン十年、全六室のぼろアパート木暮荘。そこでは老大家木暮と女子大生の光子、サラリーマンの神崎に花屋の店員繭の四人が、平穏な日々を送っていた。だが、一旦愛を求めた時、それぞれが抱える懊悩が痛烈な悲しみとなって滲み出す。それを和らげ癒すのは、安普請ゆえに繋がりはじめる隣人たちのぬくもりだった…。
一九八〇年、岡山。佐々岡鮎子は東京から引っ越してきたばかり。無理に「でーれー(すごい)」と方言を連発して同じクラスの武美に馬鹿にされていた。ところが、恋人との恋愛を自ら描いた漫画を偶然、武美に読まれたことから、二人は急速に仲良しに。漫画に夢中になる武美に鮎子はどうしても言えないことがあって…。大切な友だちに会いたくなる、感涙の青春小説。
「バカ」海底に置き去りにした女に向かって、伊禮ジョーはひとこと呟いた。彼の人間離れした美貌の前では、男も女も正視を躊躇う。数多の人間を虜にし、そして殺してきた。そんな伝説を持ち、森羅万象を超越した男が、ある女に心酔する。沖縄のシルミチューで出会った耀子。全てを捧げ合う二人。だが待ち構えていたのは…。愛を弄び、狂気を抉る、一気読み必至の衝撃作!
国際港湾都市、新潟。二年前、深夜の外国埠頭で日本人の若い女性が惨殺された。指名手配された男は、いまだ逃走を続けている。だが、事件の再調査を依頼された私立探偵神山健介は、余命わずかの被害者の父から「真犯人は別にいる…」と聞かされた。背後に蠢くロシア人の影、不可解な警察の動き、そして謎の美女・マリア。愛と壮絶な暴力が交錯する、衝撃のミステリー。