出版社 : 角川春樹事務所
貧困家庭の子どもたちに無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。 その店のオーナーの息子、中学生の心也は、「こども飯」を食べにくる幼馴染の夕花が気になっていた。 7月のある日、心也と夕花は面倒な学級新聞の編集委員を押し付けられたことから距離が近づき、そして、ある事件に巻き込まれ……。 遠い海辺の町へと逃亡した二人の中学生の恋心と葛藤。無力な子どもたちをとりまく大人たちの深い想い。 “子ども食堂”を舞台に、今年いちばん温かくて幸せな奇跡が起こる! 決して色褪せることのない人生の「美味しい奇跡」を描いた希望の物語。
鯨塚とも呼ばれるガケ下の町。僕は、その町で「流星新聞」を創刊したアルフレッドの手伝いをしながら暮らしている。 その町には、「オキナワ・ステーキ」というお店を営む同級生のゴー君、 『メアリー・ポピンズ』をこよなく愛するミユキさん、 ロシアン・コーヒーとカレーが名物の「バイカル」という喫茶店を営む椋本さん、 ガケ上で、「ひともしどき」という詩集屋を営むカナさん……など個性的で魅力的な仲間たちがいる。 そんなある日、アルフレッドが昔、取材で町の人々を撮影した8ミリが見つかり、編集して音楽つきで上映会をすることになった。 ラストには、あたたかな涙があふれる、春風のような物語。
ほっと、ひと息つきませんか?滋味深いスープと美味しいサンドイッチと優しいもてなしで。アキコとしまちゃんは、いろいろありながらも、お店を元気に営業中!(時々お休みしています)。30万部突破の大ロングセラーシリーズ、熱望の第5弾!
品川宿の老舗宿屋「紅屋」を営む吉次郎は、二年ぶりの長旅から、見知らぬ女童を連れ帰ってきた。 吉次郎は、女童・おやすの類まれな嗅覚の才に気づき、「紅屋」のお勝手女中見習いとして引き取ることに──。 拾って貰った幸運をかみしめ、ゆるされるなら一生ここにいたいと、懸命に働くおやす。 研究熱心な料理人・政一と、厳しくとも優しい女中頭・おしげのもと、 年下の奉公人・勘平、「百足屋」のお嬢さま・お小夜とともに日々を過ごすなかで、 人間として、女性として、料理人として成長していく。 柴田よしき、初の時代小説シリーズ第一弾!
華人移民を母に持つフランス生まれのマリー・趙は、 ひょんなことから中国・清王朝の皇帝・乾隆帝の第十七皇子・愛新覚羅永璘お抱えの 糕點厨師見習いとして北京で働くことに。 男性厨師ばかりの清の御膳房で、皇子を取り巻く家庭や宮廷の駆け引きの中、 “瑪麗”はパティシエールとして独り立ちできるのか!? 華やかな宮廷文化と満漢の美食が繰り広げる、中華ロマン物語。
医大を卒業した女子・安月美南は、栃木にある中堅総合病院・北関東相互病院に研修医として赴任した。大きな大学病院と違い、人手不足から早速執刀など様々なことを任されるが、その忙しい日々の中でぶつかる女性としての壁。差別、出産、医師不足ー。現代の医療現場の問題に正面からぶつかりながら、一人前の医師を目指す!戦う人を応援する、医療×青春ドラマ!
愛する妻を若くして病気で失った幹彦と、母が恋しくてたまらない幼い姉妹・梢と若葉。 傷心の父娘は、鎌倉七里ヶ浜に居を構え、新生活を始める。 美しい海、地元の商店街の大人たち、増えていく友達…… 三人は少しずつ街に馴染み、七里ヶ浜が地元になっていく。 とくに姉妹の成長を節目節目で支えたのは、いつも白猫と一緒に現れる少女・マキちゃんだった。 幼かった姉妹が自分の道を歩き出し、父のもとを巣立つまでを見まもる、優しい物語。
閑静な住宅街のど真ん中で、新橋で焼鳥店を経営する男の死体が発見された。事件当日に降った大雨のせいで、事件解決につながる有力な証拠や目撃者が見つからず、初動捜査は手詰まりになっていた。警視庁捜査一課の鹿取信介は、店主が新橋商店連合会の事務長として、新橋の再開発計画に関わっていたという情報を得たが、その捜査線上に公安部が的にかけているあの男の名前が浮上してきたー。大人気シリーズ第四弾!!
夏の空が晴れ渡る七月十六日。 日本橋伊勢町の大店、小間物商「丸藤」の総領娘・里久は、 藪入りでも里帰りはしないという小僧の長吉につき合って、蔵前の閻魔堂へ参拝に来ていた。 どことなく寂しげな長吉を誘い、里久は屋台の天ぷらを堪能するが⁉ 一方、暦は進んで十月。 里久の妹で、伊勢町小町と呼ばれる丸藤の看板娘・桃のもとに、縁談が舞い込む。 姉より早い妹の縁談に、両親は戸惑い、想い人のいる桃の胸の内は揺れに揺れて──。 日本橋の老舗小間物商をもり立てる姉妹の物語、大好評第二作。
半熟とろりのスコッチエッグ、春の豆ご飯とふきのとうの天ぷら、母の味の水餃子、絶品のハンバーガー ──星空病院の新人看護師・高貝志穂は、患者にふりまわされ、先輩からはキツイ注意を受ける日々。 そんなある日、今度こそ辞めよう、と落ちこんで寮に帰る途中、ふらりと病院の別館へと吸いこまれた。 そこには、名誉院長が特別な患者や客をもてなす食堂・キッチン花があった……。 悲しいとき、不安なとき、もちろん嬉しいときにも、美味しくて温かい料理を頂きたい。 病院の中の食堂を舞台に描く、心に沁みいる物語。
広く金の価値を知らしめるべく、あえて賄賂を推奨する田沼意次。 目通りを願う列は、日に日に延びていく。そんななか、両替商分銅屋の用心棒・諫山左馬介は、煩悶していた。 一度はもみ消したはずの御家人殺しを執拗に嗅ぎまわる元南町奉行所同心・佐藤猪之助に業を煮やし、 自らの所業と認めてしまったことへの自責である。 明らかに意次の改革の障りとなる行為に、雇い主の分銅屋仁左衛門は、左馬介を咎めながらも隠蔽に努める。 一方、左馬介の鉄扇術からその出自を疑った武士は、財政の逼迫する会津松平家の重臣で── 物語が大きく動き出す、大人気シリーズ第八作。
「美味しい」は、どんな悲しみも痛みも、瞬時に溶かす魔法の呪文! 代官山の路地裏に佇む「トラットリア代官山」は、イタリアンの極上料理で、 悩める人々をおもてなしします。 華やかさと古き良き時代の面影が混在する代官山。 その路地裏に佇む「トラットリア代官山」には、様々な事情を抱えるお客様が訪れる。 迎えるのは、亡き父から受け継いだ店を気丈に守り続ける、男装の女支配人・大須薫と、 彼女を支える天涯孤独の年下敏腕シェフ・安東怜。 二人が京野菜の創作イタリアンと機転の利いたおもてなしで、 ゲストを悩ます問題を解決に導いていくーー。 ハイソな街の陰にある人間同士の絆を、極上の料理と共に描く優しいグルメ小説。 問題解決メニュー1「加茂ナスのマリネ」 結婚して代官山の高級マンションで暮らす友人に、嫉妬めいた感情を覚える独身アラサー女子。 彼女が思いついた復讐計画とは? 問題解決メニュー2「和牛入りライスコロッケ」 転落事故で記憶を失った父親と愛犬の失踪に、心を痛める映画サイト編集者。 父の記憶が蘇ったとき、意外な事実が判明する。 問題解決メニュー3「金糸瓜のカルボナーラ」 セレブな男性と背伸びして付き合う若きネイリストが、ふと抱いた彼への疑念。 やがて思いも寄らぬ事件に巻き込まれてしまい……? 問題解決メニュー4「シェリー酒のベネンシア」 スマホを片時も離さない多忙なIT企業の青年社長。 メイン料理に難癖をつけ始めた彼によって、店内が大騒ぎに!
普通のサラリーマンの娘・安月美南が入学した聖コスマ&ダミアノ医科大学はお金持ちの子息が通う中堅医科大学だ。そこに何も知らずに放り込まれた美南は、個性的な面々に囲まれながら、医者になる覚悟を問われ、膨大な勉強に追われ、不運な逆境に襲われながらも、医者になるため邁進する!読むと元気になれる、医療×青春学園エンターテインメント!
「宇多莉町には何もない」。 住民が揃ってそう口にする田舎町で生まれ育った青砥佑太は、 十四歳の夏、裏山で巨大な宇宙船の墜落を目撃する。 十年後、宇宙船に乗っていた異星人は地球社会へと徐々に溶け込み、 佑太は近隣の大都市・舞楼市に移住して無気力な生活を送っていたが、 彼らの関係性は「あるアイドルの握手会」から劇的に変わっていく。 過去と未来、共生と排斥、都市と辺境、世界と自己── 人が自身と異なる存在とどう向き合うかを描いた物語。
昭和二〇年夏、敗色濃厚な太平洋戦争末期、考古学を研究していた大学生・外園武志は、帝国考古協会へ呼ばれ、三種の神器と並ぶ神宝・十種瑞宝の探索を命じられる。陸軍はその霊力を使い、戦局の挽回を図ろうとしていた。信長に奪われたともいう宝を探す最中、武志は『神事本紀』という古書に巡り合う。それには知られざる宗教の歴史と瑞宝の軌跡が記されていた。彼は巫女見習いの弓月眞理依や謎の男・煙藤四郎と古代の謎を追い求めるのだが…。傑作歴史冒険ミステリーの登場!
立秋を迎え、照月堂でも秋ならではの菓子を出し始めた矢先のこと。なつめは、店前の仕事を一人で切り盛りする番頭・太助に、疲労の色が滲んでいることに気づく。そんな折、太助をますます疲れさせる客が現れた。かつて、上野の菓子舗・氷川屋と競い合いをしたときに判定役だった無役の御家人・陶々斉だ。陶々斉は、競い合いの際に久兵衛が作った菓子を食べたいと駄々をこねる。一方、好調だった氷川屋の商いが下り坂となるなか、互いに惹かれ合う氷川屋の職人・菊蔵となつめの関係はー。物語がいよいよ動き出す、大好評シリーズ第六作。
花のお江戸の両国に、芹が女中として働く「掛け茶屋まめや」がある。芹は幼いころ、役者だった父のもとで芝居の稽古に励んでいた。しかしあることがきっかけで、芝居や踊りからすっかり遠ざかってしまう。ある日、芹は久しぶりに心の中で踊りの師と仰いでいる東花円の稽古所を覗いた。ちゃんと金さえ積めばあたしだって立派な師匠に弟子入りすることが出来るのに…。心にうずく妬み心を隠しつつ、踊りへの未練を捨てきれずにいた。そんな時、花円が突如まめやに現れて、意外な申し出をしてきたー。待望の新シリーズの開幕です!!
若葉の季節。初物好きの江戸っ子にとって、初がつおが出回る楽しみな時季だ。一膳めし屋丸九のおかみ・お高や、手伝いのお近もかつおが待ち遠しい。そんな折、先代から丸九で働くお栄は、古くからの友達・おりきに誘われ、飲み仲間四人で割符の富くじを買った。渋々買ったその富くじが…(第一話)。またある日、近所の俵物問屋・長谷勝の若い衆が、丸九の豆腐を食べて腹をこわしたと因縁をつけに来て…(第三話)。かつおのたたき、豆ご飯、冷ややっこに小さな甘味…笑えて泣けて、とびきりおいしい傑作時代小説第二作。