出版社 : 言視舎
この本は、地域活性化を通した真の社会再生を目指すための物語です。展開されるのは、「群馬県が突然独立国になってしまった」ために起こったドタバタ悲劇、いえ喜劇なのです。大統領は公選で報酬は月15万円、国会議員20人は「くじ引き」で選ばれた有償ボランティア、議会は夜間と土日、小さい国だからこそできる年金制度、食料自給率100%以上を標榜…では、その財源は?日本はそれをだまってみているのか?展開を乞うご期待。
東京オリンピックが2020年に何事もなく成功裏に幕を閉じた後、日本とロシアは国境の領有を指相撲の勝敗で決める平和の祭典を開催した。8年後、今また韓国と日本の間で平和の祭典が開催される。戦うのはアスリートではない。韓国の代表選手に選ばれたのは、幼少期に共和国へ渡った在日コリアンで、後に脱北した朴光雄。日本代表選手は、両親が中部アフリカからの難民である、日本生まれの吉田ユニス。それぞれに事情を抱え、国家に翻弄される難民であり移民でもある二つの家族が、押し寄せる現実の荒波の先に見たものとは?
生命の灯がまさに消えようとしている啄木。救いなき悲恋に懊悩する牧水。苦悩を抱えるふたりの間に交わされる友情。その向こうに立ち現れる明治の青春群像。啄木・牧水の生と死と愛を描く初の伝記小説。
近未来の日本、原発事故はなかったかのように、原発政策は進んでいる。露骨な地方へのしわ寄せ。弱い立場のものはさらに追いつめられていく。異論は許されない。真相を追究しようとする者が直面する事態とは?そして、あってはならない衝撃の事件が起こるー。工藤刑事は真相に迫れるのか?
県民の4人に1人、20万人が犠牲となった沖縄戦。絶望的な状況のなか、自らの命を懸けて県民の保護に尽力した沖縄県知事・島田叡と警察部長・荒井退造。戦火に翻弄されながらも必死に生きた沖縄県民。それぞれの苦悩と奮闘する姿を描きながら、戦争がリアルになった時代に「いのち」の重さを問う1作。ミニシアターランキング9週連続トップ5入り作品をノベライズ。
軽トラに乗った古ピアノが走る。終戦直前、岩手県釜石での艦砲射撃のなかでも生き残り、その後の長い時間を傷だらけになっても生き続けた奇跡のアップライトピアノ。コロナ禍でリストラされてしまった女性ピアニストが、ひょんなことから“ピアノの里帰り”を任されることに。熱烈歓迎されるはずが、またも数奇な運命が待っていた。3.11、原発事故の後遺症が消えない東北地方をめぐる「走る街角ピアノ」は、家族の確執、精神的疾患への偏見、ドメスティックバイオレンスなどの問題を絡めながら、人間ドラマを紡いでいく。
こんな時代には心あたたまる本を読みたい。ハッピーエンドの恋物語7篇。でも、O・ヘンリーだから、ひと味ちがう。O・ヘンリー生誕160年に再びおくる名翻訳者・常盤新平最後の翻訳書。本邦初訳「牧場のマダム・ボーピープ」収載。
本書は、如月の学生時代の劇団「綺畸」にスタッフとして参加した主人公の眼を通して、ほとんど語られることのなかった“世に出る”前の如月の姿を描く。同時に70年代から80年代へといたる演劇状況の動向、世の動きと大学生の生態をリアルに記述する歴史の証言=ノンフィクション小説である。
公園の公衆トイレで発見された首吊り死体は、自殺とみせかけた殺人か?人生をあきらめかけていた松木杏子は、幼いころに自分を捨てた母の人生を辿るべく函館に渡った。たまたま母の消息を聞いたものの、むなしさは消えない。自暴自棄の気分のまま、ふたたび連絡船上の人となった杏子が、船のデッキで見たものは…医師と文筆活動の二刀流を本格的に開始した著者が挑む社会派サスペンス。バブル期の渋谷円山町、廃止直前の青函連絡船、函館のひなびた温泉ホテル、津軽の農村…を舞台に繰り広げられる死闘、そして巨悪の影。息をのむ展開から、驚きの結末へー。
「この秘密は墓場までもっていけ」-七三一の無法がなぜ許されてきたのか?どんな大義があろうと戦争は徹頭徹尾おぞましい。フィクションを通じてその闇を照らしながら、連綿と続く戦争犯罪隠蔽の構造を問う。