出版社 : 講談社
智樹のクラスメイトの心澄望は、警察官の父親から暴力を振るわれて傷が絶えない。夏休みのある日、勤務中の父親のパソコンを壊してしまったと怯える心澄望と智樹がこっそりと家に戻ると、弟の甲斐亜の死体を始末している父親の姿が。慌てて家を飛び出した二人は、迫り来る怪物から逃げ切ることができるか?
面作師見習いとして、「お面屋たまよし」の屋号で面を売りながら旅を続ける少年・太良と甘楽。彼らが夜にだけ商う“妖面”を被れば、誰でも好きな姿に化けられる。しかし心が負の感情に傾けば、人ならぬものと化し、二度と元に戻れない。それでも人々は不思議な妖面を求めて、夜ごとお面屋を訪れては、欲と願いを満たそうとする。人の業にふれながら旅を続ける二人は何を見つめているのか。時代ファンタジー新登場! 御招山からの使者 枯れない花 へそ曲がりの雨宿り ある兄の決断
火星隕石に生命の痕跡が見つかった。世紀の発見を取材する記者・小日向に“ルカの末裔”と名乗る隕石論文の偽装告発メールが届く。研究室には、偽装疑惑の教授の遺体と、方舟型に固められた隕石が残されていた。火星隕石が秘めた、地球生命の“出身地”。偽装が隠す真実とは。すべての謎の証明は“天才”百地教授に託された! 東大院卒作家が研究の栄光と暗部を描く、傑作理系ミステリ!
吉田松陰に十八歳で出会って教えを乞い、以降維新革命にその生涯を捧げた高杉晋作。さらに江戸留学を経て、攘夷から開国・統幕へと戦略を変更。周囲を巧みに導き、時代を切り開こうと動く。混乱の時代を的確に読み、駆け抜けた型破りな晋作が二十八歳でこの世を去るまでを、晋作自身の視点を通じて描く、読み始めると止まらない歴史小説! 1 酒旗の風 2 松下の白露 3 天歩艱難 4 奇策縦横 5 禁門の変 6 社稷将傾
高杉晋作が尊王倒幕の運動に奔命したのは、五年に過ぎない。五年の運動によって、盤石の徳川幕府はゆらぎ、倒壊は時間の問題となるに至った……。若すぎた死がさまざまな伝説を生んだ長州の英雄・高杉晋作。その五年の歳月、晋作の客気を描いた歴史小説。死が訪れる最後の最後まで、晋作は革命を決して諦めなかったのだ。その生には感動しかない。 7 登高四望 8 海濤の賦 9 髀肉の嘆 10 雲煙飛動 11 風塵の警 12 溝壑の死 あとがき
正義感を発揮するあまり組織の枠を越え暴走してしまう文科省一般職ヒラ女性職員・水鏡瑞希。役所は彼女を持て余し、研究費不正使用を調査する特別チームに配属する。税金を掠め取ろうとする悪者の研究開発の嘘を見破れるか?抜群のひらめきと推理力を持つ美女公務員の下克上エンタテインメント!
江戸・深川澪通りの木戸番小屋に住まう夫婦、笑兵衛とお捨。二人のもとには、困難な人生に苦しみ、挫けそうな心を抱えた人々が日々、訪れる。傷ついた心にそっと寄り添い、ふんわりと包み込む。その温かさに癒され、誰もが生きる力を取り戻していく。人生の機微をこまやかに描く、大人気シリーズの最終巻! 著者没後2年。ついに文庫刊行! 第一話 如月の夢 第二話 かげろう 第三話 たからもの 第四話 照り霞む 第五話 七分三分 第六話 福の神 第七話 まぶしい風 第八話 暗鬼
ある朝、レイチェルは電車の窓から、理想としていた主婦の、不倫現場を見てしまう。その直後、主婦は行方不明に。失踪か、殺人か。捜査が難航する中、彼女の過去が徐々に明かされる。レイチェルは「真相」を告げようと被害者の夫に近づくが、それが悲劇の始まりだった。世界で絶賛された英国ミステリー、驚愕の結末。
染色家の妻の留学に同行し、作家はノルウェーに一年間滞在した。光り輝く束の間の夏、暗雲垂れ込める太陽のない冬、歓喜とともに訪れる春。まっさらな心で出会った異郷の人々との触れ合いを縦糸に、北欧の四季、文学、芸術を横糸に、六年の歳月をかけて織り上げられた精神の恢復と再生のタペストリー。野間文芸賞受賞作。
『抹香町』によって、時代の寵児となった川崎長太郎。 しかし短篇群〈抹香町もの〉の全体像は、纏められたことがない。 初期作「夜の家にて」から、売春防止法施行、「抹香町」の消滅、その後日譚まで、 十四篇を精選した本書は、『新編 抹香町』ともいいうる。 扇情的な私娼小説を超え、孤独な男女の魂の道行、 虚飾を剥ぎ取り、危険水域に生きる者たちの生の原形質へと迫る。 長太郎文学の核心を余すところなく示した、歿後三十年記念出版。
中学生がビルから飛び降りた自殺未遂事件。現場に居合わせた二十五歳の青年・隠館厄介は、生来の冤罪体質が災いし、容疑者とされてしまう。現場には少女が書いたとされる遺書が残されていてー。今日子さんは厄介の疑いを晴らし、事件を解決できるのか?眠るたびに記憶を失う忘却探偵の、タイムリミットミステリー!
阿良々木暦を監視する式神童女・斧乃木余接。死体の付喪神である彼女が挑む、命がけの死闘とは!? -物語ーは育ち、走りつづけて燃え盛る! これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異! 青春は、いたみと平和のくりかえし。 第一話 そだちフィアスコ 第二話 するがボーンヘッド 第三話 つきひアンドゥ
青の王・宗像礼司のもと、“セプター4”の特務隊隊員たちは、訓練や違法をなすストレインの取り締まりに忙しい日々を送っていた。だが、そこに大望を抱く小太りの中年男・河野村善一が立ちふさがる。彼は自らが“セプター4”の業務を代行し、宗像に成り代わって青の王になると宣言したのだ!次々に河野村の毒牙にかかっていく隊員たち。だが、こんな時に頼りになる伏見猿比古は、アメリカに出張中だったー。
庶民の「申楽」を、「能」という幽玄の域にまで高めた世阿弥。金春禅竹はその娘婿となり、義父とは別の座を率いながらも、指導を受けて深く結びついていった。そして義父の最期のとき、奥義が記された伝書が遺される。世阿弥が禅竹に伝えようとした秘法とは…表題作『花鏡』のほか、能楽を大成した世阿弥を描く『風花』/闇に生きた禅師、一休宗純を描く『闇鴉』/侘茶の祖、村田珠光を描いた『詫茶』。求道にかけた互いの宿命が交錯する連作歴史小説。
「5日以内に江戸へ参勤せよ」1万5000石の貧乏藩に突きつけられた難題はプロローグにすぎなかった。ついに牙を剥く巨悪。幕府要人の死。天下転覆の陰謀が姿をあらわし、新たな命(めい)が下る。「江戸城天守を再建せよ」老中の真の狙いは何か? いったい誰と結んでいるのか!? 農民一揆、御用商人、江戸南町奉行、大目付、謎の刺客と尾張柳生七本槍……。湯長谷の男たちは再び走りはじめる! 「5日以内に江戸へ参勤せよ!」 1万5000石の磐城湯長谷藩に突きつけられた難題はほんのプロローグにすぎなかった。 ついに牙を剥く巨悪。幕府要人たちの連続死。天下転覆の陰謀が姿をあらわし、新たな命(めい)が下った。 「江戸城天守を再建せよ!」 再び存亡の危機に陥る貧乏藩。老中の真の狙いは何か? いったい誰と結んでいるのか!? 農民一揆、御用商人、江戸南町奉行、大目付、謎の刺客と尾張柳生七本槍……。男たちは再び走りはじめる。 いざ決戦! 幕府&奥州連合1万2000人 VS.7人のサムライ!! 一 老中対老中 二 身請け 三 大普請 四 道場破り 五 湯長谷藩留守居役 六 復活 七 双頭の仕掛け 八 遭遇 九 志 一〇 江戸へ 一一 眼 一二 理詰めの剣 一三 後の先 一四 関所破り 一五 二人の女 一六 魔の手 一七 水戸の会談 一八 色のいろは 一九 渡し舟 二〇 色仕掛け 二一 漂流 二二 尾張の将軍 二三 監禁 二四 嵐 二五 大岡忠相 二六 高萩の行列 二七 爆薬 二八 雲の反撃 二九 信祝の野望 三〇 一揆 三一 御用商人 三二 想い 三三 大地 三四 殴り込み 三五 石抱き 三六 湯長谷城の攻防 三七 出陣 三八 折れた大根
定年って生前葬だな。 衝撃的なこの一文から本書は始まる。 大手銀行の出世コースから子会社に出向させられ、そのまま定年を迎えた主人公・田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れる。年下でまだ仕事をしている妻は旅行などにも乗り気ではない。図書館通いやジムで体を鍛えることは、いかにも年寄りじみていて抵抗がある。どんな仕事でもいいから働きたいと職探しをしてみると、高学歴や立派な職歴がかえって邪魔をしてうまくいかない。妻や娘は「恋でもしたら」などとけしかけるが、気になる女性がいたところで、そう思い通りになるものでもない。 これからどうする? 惑い、あがき続ける田代に安息の時は訪れるのか? ある人物との出会いが、彼の運命の歯車を回す──。 シニア世代の今日的問題であり、現役世代にとっても将来避けられない普遍的テーマを描いた話題沸騰必至の問題作。