出版社 : 講談社
出張途上、スーパーひたち3号の車中から忽然と姿を消した部長。失踪か、それとも何者かに拉致されたのか?しかもライバル企業の担当者まで消息を絶った。社内で起きた事件を担当する総務の「社立探偵」海老寺が難事件に挑む。ハイテク特急でしかありえないトリック、真犯人の予想外の動機…戦慄のミステリー。
《わたしはFをどのように愛しているのか?》との脅えを、透明な日常風景の中に乾いた感覚的な文体で描いて、太宰治賞次席となった19歳時の初の小説「愛の生活」。幻想的な究極の愛というべき「森のメリュジーヌ」。書くことの自意識を書く「プラトン的恋愛」(泉鏡花文学賞受賞作)。今日の人間存在の不安と表現することの困難を逆転させて、細やかで多彩な空間を織り成す、金井美恵子の秀作10篇。
文学に憧れて家業の魚屋を放り出して上京するが、生活できずに故郷の小田原へと逃げ帰る。生家の海岸に近い物置小屋に住みこんで私娼窟へと通う、気ままながらの男女のしがらみを一種の哀感をもって描写、徳田秋声、宇野浩二に近づきを得、日本文学の一系譜を継承する。老年になって若い女と結婚した「ふっつ・とみうら」、「徳田秋声の周囲」なども収録。
あらゆるコウインシデンス(偶然の一致)を書き留めた、略称「デンス手帳」を小脇に抱え、『ジェイムズ・ジョイス伝』と『ねこまた、よや』という二冊の本を読み進めながら、言語遊戯の“言海灘”を横断しつつ、「野」にわたる風のように人間の哀しみに触れる“私”の傑作長篇。
絶望から狂気へ向かっていた反町は深夜のコンビニで天才的な演技力を持つ無名の少女に出会う。彼女は巨大なトラックを運転し、血管の中に虫を飼っているのだと言った。二人の、「ストレンジデイズ」(奇妙な日々)が始まる。果てのないロールプレイの、ゲームではなく、現実の日々…。
名探偵が実は犯人であった、という意外さ。被害者と思われていた人物が、本当は加害者であったという面白さ。一人称小説の記述者、つまり私が、真犯人である、という驚きーミステリの難題一人三役に敢然と挑んだ野心作『猫の舌に釘をうて』。007の痛快さと山田風太郎忍法帖の面白さを併せもつ冒険アクションとしても楽しめる『三重露出』。凝りに凝った工芸品のような本格推理趣向の傑作二編。
隋の開祖楊堅は晩年酒色に溺れた末、皇太子楊広と重臣の楊素に謀殺される。楊広は即位し煬帝となるが、全国から千人を超す美女を集め、遊びにふける。一方、秦叔宝、単雄信ら在野の英雄たちも力強く動き始め、隋末唐初の歴史絵巻が幕を開ける。
隋の煬帝は各地の叛乱でついに自縊。隋は二代で滅びた。李淵、李世民の親子は長安を奪い唐を建国。各地で群雄並び立つ戦乱が続く。秦叔宝、魏徴ら英雄たちも唐の将として戦いを続ける。大唐帝国成立期の英雄・豪傑たちが織りなすスペクタクル。群雄雄び立つ戦乱のなかで陰謀と愛欲が時代をいろどり華麗な歴史絵巻が続く。
日本海に浮かぶ小島、象島。大学を出たばかりの青年木苺淳一は、かの地の私立プラトン学園に、新任の英語教師として赴任した…崖から“転落死”した前任者の代わりとして…。「面白くなければ小説ではない」と言い切る著者が放つ、会心の長篇小説。クリックから始まる震撼のサイコ・ミステリ。
「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」。“光”を“演奏”することでメッセージを発信する天才高校生・光瑠(みつる)。彼の「光楽」に、感応し集う若者たち。しかし、その力の大きさを知った大人たちの魔の手が忍び寄る。新次元コミュニケーションをめぐる傑作長編ミステリ。
横浜の閑静な高級住宅街で、大物弁護士・西垣文雄が惨殺された。横浜地検の美人検察官・岩崎紀美子は、捜査を進めるほど、事件の裏に大きな闇を感じる。日弁連と検察庁、警察庁そして県警の確執…。現役弁護士作家が法曹界のタブーを鋭くえぐった、第40回江戸川乱歩賞受賞の傑作リーガル・サスペンス。
帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に隠したという時価200兆円の財宝。老人が遺(のこ)した手帳に隠された驚くべき真実が、50年たった今、明らかにされようとしている。財宝に関わり生きて死んでいった人々の姿に涙する感動の力作。ベストセラー『蒼穹の昴』の原点、幻の近代史ミステリー待望の文庫化。
米軍が沖縄に大艦船を集結させ上陸を開始。満身創痍の連合艦隊が乾坤一擲の反攻を、戦艦大和を囮として計画。主力は米潜水艦が撃沈したはずの超空母「信濃」。艦上にはミッドウェー以降の海戦で戦死者扱いのベテラン操縦士たちの護国軍神隊が搭乗する「紫電改」。手に汗握る感動のシミュレーション架空戦史。