出版社 : 講談社
絶滅したはずの天然痘を使って黒人社会を滅亡させようとする非人間的な白人支配層に立ち向かう若き日本人医師。留学先の南アフリカで直面した驚くべき黒人差別に怒り、貧しき人々を救うため正義の闘いに命をかける。証拠品の国外持ち出しは成功するか!?山本周五郎賞受賞作家が描く傑作長編冒険サスペンス。
八十歳の母を祝う花見旅行を背景にその老いを綴る「花の下」、郷里に移り住んだ八十五歳の母の崩れてゆく日常を描いた「月の光」、八十九歳の母の死の前後を記す「雪の面」。枯葉ほどの軽さのはかない肉体、毀れてしまった頭、過去を失い自己の存在を消してゆく老耄の母を直視し、愛情をこめて綴る『わが母の記』三部作。「老い」に対峙し、「生」の本質に迫る名篇。ほかに「墓地とえび芋」を収録。
アメリカ南部の名門コンプソン家が、古い伝統と因襲のなかで没落してゆく姿を、生命感あふれる文体と斬新な手法で描いた、連作「ヨクナパトーファ・サーガ」中の最高傑作。 ノーベル賞作家フォークナーが、“自分の臓腑をすっかり書きこんだ”この作品は、アメリカのみならず、20世紀の世界文学にはかり知れない影響を与えた。
隠された意味の仮装を剥ぐ。デビュー以来、新たな小説世界を提示し続け、絶賛を浴びる気鋭作家の短篇集。ふたつのストーリーが呼応する表題作ほか、“全身キズだらけの男”が、自身の右瞼の傷の由来を語り始める「ヴェロニカ・ハートの幻影」を収録。
異形の壁に閉じこめられた高校生たち。だがその壁からは逃げ出すわけにはいかない。その壁に触れると、姿形、記憶や考え方まで完璧に同じコピー人間ができてしまうからだ。そんな密空間での殺人事件。犯人は誰?オリジナル人間か、それともコピー人間か。
漢の英傑・武帝、七十年の生涯。『太陽王』と称えられる漢の武帝。西域経営を始めとする対外膨張、対匈奴討伐、儒教の国学化などで、漢の威令は東アジアを圧した。しかし、年老いた武帝は、皇太子と皇后を自殺に追いやってしまう。光と影に彩られた武帝の波乱に満ちた生涯を描く、スペクタクル大歴史ロマン。
本選集は日本推理作家協会が、1996年に雑誌等に発表された数多い短篇推理小説から、すぐれた15篇の傑作を選出して、推理小説界とSF界の1996年の展望と共に収録した代表作アンソロジー「決定版推理小説年鑑」です。
佐世保発の寝台特急「さくら」に美しい女がたった一人で乗車してきた。そして走行中に忽然と姿を消した。八柏侑子-消えた女の偽名こそ、その後の惨劇のカギだったのだ。後に起きた同じ「さくら」車内での毒殺事件の容疑者の女も侑子と同じく消えた。無頼探偵・鏑木一行の執念の捜査は、真相に近づけるか。
現代に甦ったネアンデルタール人の冒険。氷河の底から過冷却状態で発見された太古の受精卵。代理母が産んだネアンデルタール人は現代科学の想像をはるかに凌ぐ能力を備えていた-息もつかせぬエンターテイメントの傑作。
幕府転覆を狙う謎の組織が深川を襲う。始末人たちの命がけの死闘が始まった!斬らなければ殺られる-始末人・蓮見宗二郎一撃必殺の剣がうなる!民家に炎を放ち、大店を襲う-。“閨魔党”を名乗る一派が深川を恐怖に落とし入れた。深川の安寧を陰で支えてきた蓮見宗二郎たち始末人と、閨魔党の死闘が始まる。宗二郎の渋沢念流、謎の老剣客が操る実貫流…。必殺の剣と剣が深川の闇を舞台に火花を散らす。
一九四一年、風雲急をつげる上海。一人の少女が合衆国へ脱出した。四十年の歳月を経て彼女の元に届いた古めかしいトランク。その中には、米国権力中枢にくいこんだ史上最大のスパイ「ダンテ」の秘密が隠されていた!ロマノフ家の財宝、ゾルゲ事件の真相…錯綜する歴史の闇から浮かびあがる衝撃の真実とは。
「な、何の真似だね、それは……おい、気は確かか……」老人の声がうわずり、椅子が激しくきしむような音が上がった。違法電波から聞こえてきた生々しい“殺人現場”の音。「狩り」に出た盗聴器ハンターが都会の夜でとらえたものとは? 今が“旬”の気鋭が送る初めての短編集。表題作ほか秀作ミステリ4編。
老紳士の体から、真っ赤な血が吹き出した。騒然とする中、双子だけが瞬きもせず、殺人の一部始終を目撃していた。目撃者を消そうとする組織。二人を守る女教師ローラと刑事上がりの検事補モンタナたち。必死の攻防に、味方は一人、また一人と倒れ、彼らは追いつめられていく…。息づまるノンストップサスペンス。
明治歌壇に颯爽と登場した鉄幹を囲んで、多くの女性たちが愛を競った。その中で晶子は、もっとも激しく恋し行動して、彼の妻となった。しかし、結婚の現実は厳しく、次々と挫折に襲われる。萎縮する夫を支え続け、恋冷めの気持を歌によって発散し昇華させて、愛を貫いた与謝野晶子を描く、感動の長編小説。
明治の文豪・二葉亭四迷は、日本陸軍の指令を受けたスパイだったのか!?ウラジオストック、ハルビン、北京…を舞台に彼の足跡をたどり、隠された真実を明かしてゆく。日露戦争前後に繰り広げられた諜報戦や遠くポーランドの独立運動との関わりまでをも描いた、史実に基づく壮大な歴史ミステリーの傑作長編。
自分の夫の毒殺を計ったテレーズは、家の体面を重んじる夫の偽証により免訴になった が、家族によって幽閉生活を強いられる。絶対的な孤独のなかで内なる深淵を凝視するテレーズは、全ての読者に内在する真の人間の姿そのものなのだろうかー─遠藤周作がノーベル賞作家フランソワ・モーリアックと一心同体となって、昂揚した日本語に移しかえたフランス文学の不朽の名作。