出版社 : 講談社
群馬・水上温泉と大阪・蛍池で同じ日に起きた殺人事件。死体に残された同じタイプの出刃包丁が事件を繋ぐ。被害者の男女の関係は?犯人の動機は?だが、次々浮かぶ容疑者は、誰もが鉄壁のアリバイを持っていた。時刻表の裏を読み、事件の真相に迫る浦上伸介の名推理は、如何にして犯人を追いつめるか。
親しかったヤクザのひとりがつまらない喧嘩で命を落し、時代おくれのトップ屋がひとり、何日も音信不通だった。ヤバい事件に挑んでみるさ。そんなふうにいっていた男だ。ふたりとも、飲むと陽気な仲間だった。飲んでいないときの暮らしは知らない。私も知られたいとは思わなかった。ここ数週間の私はといえば、ろくな仕事もないままに、事務所ちかくの飲み屋で毎晩同じように酒を飲み同じようにけだるい朝を迎えていた。そんな昼下がり、女がひとり、有楽町のガード下にある事務所を訪ねてきた。はぐれ人の彷徨を切なく描く著者初の短篇連作集。
深夜、急激に変容する大都市新興地区が帯びる迷宮感覚ー。東京を思わせるTという大都市。夜ともなると昼間とは全く別個の存在となり、ごく少数の人しか知らない不思議な都市と化す。その闇と迷路の暗黒の世界を支配するのが「深夜の市長」。昼間の市長と市議会の対立するなか、次々と起こる怪事件。解決しようと深夜の街をかけまわる奇妙な男ー怪人市長の正体は!?幻想ミステリ傑作。
薩摩藩相続をめぐって、お由羅一派の意をうけた牧仲太郎の呪詛は、家督を継いだ斉彬のうえに及ぶが、その阻止を謀る仙波小太郎の追及も急である。一方、藩内上士と下士の対立はいよいよ熾烈化し、風雲児益満休之助ら改革派の策動は着々と基礎を固める。-南国薩摩のお家騒動に想を借りて、激動する幕末維新期の様相を、経済、因習、新旧勢力の対立と抗争など、重層的ダイナミズムの中に捉える意欲大作。
髪はいくらか白いけどスマートで若々しいエリート西崎敦夫は40歳。結婚歴有、しかも18歳の息子もいるのに佐々本家三女、珠美15歳にひと目惚れ。でもベンツでの送り迎えに珠美もまんざらではなさそう。ところが妙な連続殺人事件にまきこまれてしまう二人。シリーズ11作目を迎え三姉妹はますます元気!!
詩人の「わたし」と恋人の「S・B(ソング・ブック)」と猫の「ヘンリー4世」が営む超現実的な愛の生活を独創的な文体で描く。発表時、吉本隆明が「現在までのところポップ文学の最高の作品だと思う。村上春樹があり糸井重里があり、村上龍があり、それ以前には筒井康隆があり栗本薫がありというような優れた達成が無意識に踏まえられてはじめて出てきたものだ」と絶賛した高橋源一郎のデビュー作。
19世紀末より今世紀にかけ戯曲、小説等多彩な作品を書いたホフマンスタールは、ユダヤ人、イタリヤ人、ドイツ人の混った血統と伝統の都ウィーンの文化に育まれた。「チャンドス卿の手紙」は17世紀イギリスの貴族チャンドス卿が友人にあてた手紙という形式をとり、表現とその根底にある認識を追求した作品で、「アンドレアス」と並んで現代小説の出発点である。
元興信所の冴えない調査員だった相葉潔は女とカネでしくじり、ささやかな探偵事務所を開き細々と生計を立てていたが、ある夜何者かの襲撃をうけて一時的な記憶喪失(逆行性健忘)に陥る。相葉は彼の担当医となった型破りな美人女医・木村瑤子の協力を得ながら欲にまみれた“怪事件”の核心へ一歩一歩近づいて行く。
俺にとって殺意を実行に移し、完全犯罪とすることは簡単だ。ロサンジェルスにいる妻を、日本にいる俺が殺したなどとは誰も思わないだろう。だって俺は、「テレポーテーション」が使えるのだ!だがこの超能力の欠点が様々な事件を巻き起こし…。トリックの可能性を極限まで追求する西沢保彦の新たな挑戦作。
操縦不能に陥った機が、「制御系の再構成システム」で生還!?巨大航空資本の罠かもしれないフライトにパイロットは挑んだ!!「驚くほどひ弱な超ハイテク航空機」の未来を問う書き下ろし。
調所笑左衛門の改革策断行で、薩摩藩は財政立て直しに成功した。だが藩主斉興は世子斉彬に家督を譲ろうとしない。洋学好みの斉彬の浪費による財政再崩壊を恐れたのだ。一方、斉興の愛妾お由羅の方は、実子久光への家督継承を画策。その意を受けた兵道家牧仲太郎は、斉彬の子どもたちの呪殺を謀り、斉彬派の軽輩武士は陰謀暴露に奔命する。-藩情一触即発の風雲をはらむ南国藩「お由羅騒動」の顛末。
白人には決して負けない!黒人女性のエスターは有能なキャリアウーマン。だから自分にふさわしい恋人も、エリート黒人男性と思い定めて、並の男には目もくれない。しかし、肌の色と女性というだけで、彼女の前には見えない壁が立ちふさがる…。差別と闘う女性の姿を描いて、全米で話題沸騰の傑作長編小説。
ビクトリアの丘に風は吹きすさぶ。香港の中国返還を機に、世界のビッグビジネスの激しい闘いが始まった。アジア衛星、香港第二空港計画…香港マーケットを狙って、思惑が入り乱れる。中国をいかにコントロールするか。日本、アメリカ・イギリスの巨大資本が、香港を舞台に展開する熾烈な市場争奪戦。
エスターの働く銀行に、エリート黒人男性が重役として着任してきた。彼こそ理想の男性!だが彼は、エスターの友人で同僚の白人女性に魅かれていく。やがてそのことが銀行内部の権力争いに利用され、セクハラ事件へと発展する。人種愛と同性の友情とに引き裂かれるエスター。そんな彼女にも悪質な罠が…。
出向を拒否して通産省をとび出し、民間会社に就職した馬淵英介は、若いモデルと再婚する。殺人の刑期を終えた妻の祖母が同居し始めたことから、新家庭はとめどなく奇妙な方向へ傾き、ついに周囲の登場人物がそれぞれ勝手な「反乱」を企てるに到る。--現代的な都会の風俗を背景に、市民社会と個人の関係を知的ユーモアたっぷりに描いた、現代の名作。谷崎潤一郎賞受賞作。 出向を拒否して通産省をとび出し民間社会に就職した馬淵英介は若いモデルと再婚する。殺人の刑期を終えた妻の祖母が同居し始めたことから、新家庭はとめどなく奇妙な方向へ傾き、ついに周囲の登場人物がそれぞれ勝手な「反乱」を企てるに到る。──現代的な都会の風俗を背景に、市民社会と個人の関係を知的ユーモアたっぷりに描いた現代の名作。谷崎潤一郎賞受賞。