出版社 : 集英社
交通事故で意識障害となった従兄弟と入れ代わる「分身」、乳児取り違え事件が発端となる「渡された殺意」、結婚詐欺師に騙された女に出会う「婚約者」など、“もう一人の私”をキーワードに自分のアイデンティティを揺るがす恐怖を巧みなトリックで描く9篇ー。最先端科学を取り入れ、現代社会の歪みが生み出した人間の深層心理をえぐり出す新感覚ミステリワールド。
19歳の女子大生、望月美月。誕生日に、彼氏の安西知己と別れてしまった美月は、茫然と町をさまよう。たどり着いたのは古い洋館。聴き覚えのあるギターの旋律に誘われるように中に入ると、そこにはロンドンから来たミュージシャン、アダムがいた。一週間後、アダムと待ち合わせをした横浜美術館の交差点で、美月は車に轢かれてしまう!知己もその現場を目撃していて…!?矢沢あい作品を初めて実写化した、映画『下弦の月』のノベライズ。
世界最高の都市ニューヨークは、いかなる過程を経てつくられたのか。1661年、開港まもないニューアムステルダムに、理髪師にして神業のようにメスを入れる天才外科医の兄と、ハーブから魔法のような薬をこしらえる調薬師の妹が降り立った瞬間、そこで紡ぎだされるすべての物語が動きはじめた…。先住民、移民たちの無数の夢がひしめく世界最高の都市物語。
愛する人よ!かけがえのない街よ!マグニチュード8。2005年12月X日、東京大地震発生!10年前、神戸ですべてを失った者たちが今、立ち上がる!最新研究をもとに描かれる大地震シミュレーション巨編。
十代で菊池寛に見出され、横光利一に才能を認められ、二二歳の時「酩酊船」で文壇デビュー、将来を期待されながらも以後一作の小説も刊行しないまま、奈良、山形、三重など日本各地を放浪、在野で文学研究に打ち込む半生を送った後発表した「月山」で、六二歳で芥川賞を受賞した作家、森敦。その間殆ど小説を書かなかったにも拘わらず、森は太宰治、檀一雄らと同人誌を作り、又、すでに名を成した錚々たる作家達が訪ねて来ては文学上のアドバイスを乞う。プロの作家でもなく、定職に就かない時期も永い、一介の在野の人間である森の文学理論は驚くべきものだった。本書は、五十代で東京に移り住み、文学研究に没頭した森敦に親しく接し、文学上の師弟関係となり、更に森敦夫妻の生活面まで助けるようになった著者が、森の没後十五年の今、作家の素顔と謎の半生、そして名作「月山」執筆と芥川賞受賞の経緯を評伝小説として綴ったものである。
今度の任務は、人気女優の護衛。ロケ地の“雪の国”へ向かったナルトたちは、カラクリ仕掛けの鎧を着けた忍者に襲撃され、早くも窮地に陥る!なぜ、女優の雪絵が標的に?とまどうナルトたちに明かされた雪の国の過去とは!?現在の任務と、若き日のカカシの任務が、複雑に絡み合う!劇場版『NARUTO-ナルトー』を完全小説化。
氷帝学園・跡部との対戦において負傷し、戦線離脱を余儀なくされた手塚。しかし、その穴を埋めるべく、青学メンバーは進化し続ける!緑山中、六角中ら強豪を相手に関東大会を勝ち進む青学。そこに立ちふさがるは、王者・立海大附属。圧倒的な強さを前に、青学はどう戦う!?話題沸騰の関東大会クライマックスが、早くも小説で登場。
海上都市ワイスタァンに平和がもどり、鍛聖となったプラティは、多忙ながら平穏な日々を送っていた。そんなとき、街に不思議な事件が…。謎の覆面集団の正体は?消えた聖霊はいったいどこへ?プラティの戦いがふたたびはじまるー。ナツミとソルも帰ってくる!人気ゲーム「サモンナイト」外伝。ゲームでは描かれなかった、もうひとつのストーリーが幕を開ける。
廃寮反対! 僕らの「闘争」が、今はじまる。 薫平19歳、首都大学の寮生。大学側が打ち出した廃寮政策に反発し、自由と自治を守るため、仲間と共に立ち上がるーー。今を生きる、普通の若者達の姿を描く、青春長編小説。(解説・北上次郎)
金貸しを営む銭法師の喜久五郎という男が墓所の近くを歩いていると、衣の裾にしゃべる髑髏が食いついてきた。その口車に乗り大儲けを企てるが、恐るべき復讐に遭い…(「ものいふ髑髏」)ほか、登山事故の入院先で体験した奇妙な出来事や、暴漢に襲われた男が垣間見る悪夢など、平安朝物語から日常に潜む恐怖や不思議現象まで、怖くて妖しい物語10編を収録。
美貌と才能とお金、そして幸せな家庭。全てに恵まれた作家の「私」は、執筆に専念するため、マンションを借りる。それは、担当編集者の三浦くんと甘い蜜の時間を過ごすためでもあった。やがて私は、隣の古アパートに住む、いわくありげな女達をもとに物語を紡ぎ始める。暗い過去を匂わせる101号室の大女。ヒモ男に寄生されている102号室の美女…。妖気と腐臭に満ちた妄執奇譚が、今、幕を開ける。
その女の子がうちの店にやってきたのは、冬真っ只中の二月のことだ。けっして美人というタイプではなかったが、ついついぼくは見とれてしまった。なぜなら、彼女の肌が透き通るほど白かったからだ。ぼくは石を売るアルバイトをしている。ぼくは、もう一度人を好きになることができるだろうか…。きみのために、ぼくができること…石を売るアルバイトのぼくを巡る青春純愛小説。