出版社 : 集英社
【劇場版アニメを最速小説化!!】 蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。一行は、鬼殺隊最強の剣士である《柱》のひとり、炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を往く《無限列車》の中で、鬼に立ち向かうのだった。
少年は“哭女"として、今日も葬儀で涙を流す。 舞台は中国、唐の時代。ひとの葬儀で女装をして泣くことを生業とする少年の苦悩と成長、そして年上の貴族青年・青蘭との奇跡のような友情を描く、歴史青春ミステリ小説。 哭女ーー雇われて葬式で泣くことを生業とする女性のこと(中国や朝鮮半島、またヨーロッパなどでも実在する職業である)。 舞台は唐代の中国、神都随一と噂される哭女の“泪飛"は葬式に引っ張りだこ。葬儀では涙を絶やすことは許されない。そこで盛大に涙し故人の功績を称え謳うことが家の格を表すため、いい家柄の葬儀では優秀な哭女が雇われるのだ。しかし泪飛にはある重大な秘密があった。それは周旋屋の老婆・右聴と泪飛だけが知る事実ーー泪飛は少年なのだ。 泪飛と名を語り女性の姿で葬儀に出る燕飛は、不審な死を迎えた夫婦や世間を騒がせる義賊らの謎と出会い、その真相に迫る。さまざまな境遇の人びとと接することで、燕飛が手にしたこの世の理とは。 女装姿で哭女を続けなければいけない少年の苦悩と成長、そして年上の貴族青年・青蘭との奇跡のような友情を描く。新時代の旗手が放つ歴史青春ミステリ小説! 【著者略歴】 小島環(こじま・たまき) 1985年愛知県名古屋市生まれ。愛知県立大学外国語学部中国学科卒業。2011年「美しき豹と、黄河の花嫁」が第2回『このライトノベルがすごい!』大賞で2次選考を通過。13年同作が西尾 嘉泰(にしお よしやす)名義で青松書院より刊行。14年「三皇の琴 天地を鳴動さす」で第9回小説現代長編新人賞を受賞。15年同作を改題した単行本『小旋風の夢絃』でデビュー。他の著書に『囚われの盤』。
旅行作家の菊地文彦が、東京の自宅で刺殺された。直前に岩手県の宮古へ取材に行ったことが判明。捜査にあたる十津川警部は、相棒の亀井刑事と宮古へ向かう。菊地が訪れた姫川村の寺で、砕かれた石碑に“列”という刻字を見つける。東日本大震災で破損しただけでなく、故意に粉砕したと感じた十津川は、石碑の由来を調べ始める。第二次大戦の特攻作戦に繋がると睨んで鹿児島へ飛ぶが…。特攻隊員の妻の命の叫びが、現代の殺意を呼んだ!?岩手と鹿児島を舞台に描く戦争&旅情ミステリー。書き下ろし。
GFハウス脱獄後の、エマたちが鬼と世界の謎に迫る “GP編"。 その中でキーパーソンとなった、ユウゴ&ルーカス、エマと死線をともにし鬼と戦ったナイジェル&ジリアン。 そして鬼側の存在として重要な役割を担ったムジカ&ソンジュ。人気コンビたちの、それぞれの過去と絆の物語!!
ルイスやアルバートたちに、日頃の感謝の気持ちをこめてプレゼントを贈ろうとしていたウィリアムは、ロンドンにあるデパートを訪れていた。 しかし、そこで謎の武装集団による襲撃事件が発生! デパートは瞬く間に占拠されてしまう。ウィアリムはデパートで出会った不思議な少女と協力して、襲撃犯を制圧しようとするが... 他にも、モリアーティ家主催で行われる「サバイバルゲーム」大会で、モランたちが真剣勝負をしたり、シャーロックがグレッグソンの助手になって密室事件を調査する!?
「すぐ隣の部屋で人体を解体しているなど、あり得るはずがない」 連続バラバラ殺人事件の犯人は、隣人? 怖すぎて眠れない。徹夜必至のホラーミステリ! 神足(こうたり)の悩みは、深夜になると隣室から聞こえてくる不気味な物音。何かを切断しているような……もしかして死体? 時を同じくして、近隣で女性と思われる死体の一部が発見されたという事件を知った神足は、隣人の徐(スー)が犯人なのではという疑いを持つ。そんなある日の深夜、隣室から何かを梱包するような音に続いて、徐が外出する音が聞こえた。気になった神足はそのあとをつけるがーー。 【著者略歴】 中山七里(なかやま・しちり) 1961年、岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』にて宝島社『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し2010年に同作で作家デビュー。音楽を題材にした岬洋介シリーズのほか、時事問題をテーマとした社会派小説まで幅広くてがける。『連続殺人鬼カエル男』『アポロンの嘲笑』『TAS 特別師弟捜査員』『護られなかった者たちへ』『カインの傲慢』『ヒポクラテスの試練』『毒島刑事最後の事件』『テロリストの家』など著書多数。
年末の大掃除に勤しむデクたち雄英高校A組の生徒たち。そんな中、ゴミ捨て場で地下に広がる謎の通路を発見する。 奥に進むとそこは、ダンジョンのような作りになっており…!? 他、サンタに扮する教師たちや轟家の年越しなどをお届け!!
本の間から見つかった、亡き妻宛ての古いハガキ。 妻の知られざる過去を追い、男は灯台を巡る旅に出るーー。 地方紙で連載されていた人気作、待望の書籍化! 板橋の商店街で、父の代から続く中華そば店を営む康平は、一緒に店を切り盛りしてきた妻を急病で失って、長い間休業していた。ある日、分厚い本の間から、妻宛ての古いはがきを見つける。30年前の日付が記されたはがきには、海辺の地図らしい線画と数行の文章が添えられていた。差出人は大学生の小坂真砂雄。記憶をたどるうちに、当時30歳だった妻が「見知らぬ人からはがきが届いた」と言っていたことを思い出す。なぜ妻はこれを大事にとっていたのか、そしてなぜ康平の蔵書に挟んでおいたのか。妻の知られざる過去を探して、康平は旅に出るーー。 市井の人々の姿を通じて、人生の尊さを伝える傑作長編。 【著者略歴】 宮本輝(みやもと・てる) 1947年兵庫県生まれ。77年「泥の河」で太宰治賞、78年「螢川」で芥川賞を受賞。87年『優駿』で吉川英治文学賞を受賞。2004年『約束の冬』で芸術選奨文部科学大臣賞文学部門、09年『骸骨ビルの庭』で司馬遼太郎賞を受賞。著作に、「流転の海」シリーズ、『水のかたち』『田園発 港行き自転車』『草花たちの静かな誓い』など。10年秋、紫綬褒章受章、20年春、旭日小綬章受章。
「誰の心にも淀みはある。でも、それが人ってもんでね」 江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには「心淋し川(うらさびしがわ)」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。 青物卸の大隅屋六兵衛は、一つの長屋に不美人な妾を四人も囲っている。その一人、一番年嵩で先行きに不安を覚えていたおりきは、六兵衛が持ち込んだ張方をながめているうち、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして……(「閨仏」)。 裏長屋で飯屋を営む与吾蔵は、仕入れ帰りに立ち寄る根津権現で、小さな唄声を聞く。かつて、荒れた日々を過ごしていた与吾蔵が手酷く捨ててしまった女がよく口にしていた、珍しい唄だった。唄声の主は小さな女の子供。思わず声をかけた与吾蔵だったがーー(「はじめましょ」)ほか全六話。 生きる喜びと生きる哀しみが織りなす、著者渾身の時代小説。 【著者略歴】 西條奈加(さいじょう・なか) 1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノべル大賞を受賞し、デビュー。2012年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、2015年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞を受賞。近著に『亥子ころころ』『せき越えぬ』『わかれ縁』などがある。
世界のベストセラー作家が、シェイクスピアの名作を語りなおすシリーズ第一弾。 M・アトウッドによって、傑作『テンペスト』が現代に蘇る! 『テンペスト』の演出に心血を注いでいた舞台芸術監督フェリックスは、ある日突然、部下トニーの裏切りにより職を奪われた。失意のどん底で復讐を誓った彼は、刑務所の更生プログラムの講師となり、服役中の個性的なメンバーに、シェイクスピア劇を指導することに。 12年後、ついに好機が到来する。大臣にまで出世したトニーら一行が、視察に来るというのだ。披露する演目はもちろん『テンペスト』。フェリックスの復讐劇の行方は!? --天才シェイクスピアと現代文学界の魔女アトウッドの才気が迸る、奇跡のような物語の誕生! 【著者略歴】 マーガレット・アトウッド カナダを代表する作家・詩人。その著作は小説、詩集、評論、児童書、ノンフィクションなど多岐にわたって60点以上にのぼり、世界35か国以上で翻訳されている。1939年カナダのオタワ生まれ。トロント大学、ハーバード大学大学院で英文学を学んだ後、カナダ各地の大学で教鞭を執る。1966年に詩集「The Circle Game」でデビューし、カナダ総督文学賞を受賞。1985年に発表した『侍女の物語』は世界的ベストセラーとなり、アーサー・C・クラーク賞と二度目のカナダ総督文学賞を受賞。1996年に『またの名をグレイス』でギラー賞、2000年には『昏き目の暗殺者』でブッカー賞、ハメット賞を受賞。2016年に詩人としてストルガ詩の夕べ金冠賞を受賞。そして2019年、「The Testaments」で2度目のブッカー賞を受賞した。トロント在住。 【訳者略歴】 鴻巣友季子(こうのす・ゆきこ) 翻訳家・文芸評論家。1963年東京生まれ。訳書『恥辱』『イエスの幼子時代』『イエスの学校時代』J・M・クッツェー、『昏き目の暗殺者』M・アトウッド(すべて早川書房)、『嵐が丘』E・ブロンテ、『風と共に去りぬ』M・ミッチェル(ともに新潮文庫)、「灯台へ」V・ウルフ(河出書房新社 世界文学全集2-1収録)など多数。編書に『E・A・ポー ポケットマスターピース』(共編、集英社文庫ヘリテージシリーズ)など。『全身翻訳家』(ちくま文庫)、『翻訳ってなんだろう?』(ちくまプリマー新書)、『謎とき「風と共に去りぬ」』(新潮選書)ほか、翻訳に関する著作も多数。 【原書】HAG-SEED
明治44年、文豪・森鴎外の末子として誕生した類。優しい父と美しい母志げ、姉の茉莉、杏奴と千駄木の大きな屋敷で何不自由なく暮らしていた。大正11年に父が亡くなり、生活は一変。大きな喪失を抱えながら、自らの道を模索する類は、杏奴とともに画業を志しパリへ遊学。帰国後に母を看取り、やがて、画家・安宅安五郎の娘と結婚。明るい未来が開けるはずが、戦争によって財産が失われ困窮していくーー。 昭和26年、心機一転を図り東京・千駄木で書店を開業。忙しない日々のなか、身を削り挑んだ文筆の道で才能を認められていくが……。 明治、大正、昭和、平成。時代の荒波に大きく揺さぶられながら、自らの生と格闘し続けた生涯が鮮やかによみがえる圧巻の長編小説。 【著者略歴】 朝井まかて 1959年大阪府生まれ。2008年小説現代長編新人賞奨励賞を受賞して作家デビュー。2013年に発表した『恋歌』で本屋が選ぶ時代小説大賞を、2014年に直木賞を受賞。ほか、同年『阿蘭陀西鶴』で織田作之助賞、2015年『すかたん』で大阪ほんま本大賞、2016年『眩』で中山義秀文学賞、2017年『福袋』で舟橋聖一文学賞、2018年『雲上雲下』で中央公論文芸賞、『悪玉伝』で司馬遼太郎賞、2019年に大阪文化賞を受賞。近著に『落花狼藉』『グッドバイ』『輪舞曲』などがある。
「平穏な生活のために、姉を殺すことにしました」 三月生まれの倉石麻友と、四月生まれの姉・凜。 ふたりは生まれの近い年子のため、同学年として同じ高校に入学した。高校二年生になった春、麻友は姉を殺す計画を立てる。姉は誰もが振り返るような美少女だが、実は意地悪で残酷。幼いころからいじめなどの問題行動を繰り返していた。 ずっと「毒姉」との決別を夢想しては敗れてきた妹の、試行錯誤の行方は? そして、妹自身が抱え続ける罪とはーー。 思い込みから解き放たれ、自由へと向かう物語。 【著者略歴】 渡辺 優(わたなべ・ゆう) 1987年宮城県生まれ。大学卒業後、仕事のかたわら小説を執筆。2015年に「ラメルノエリキサ」で第28回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書に『自由なサメと人間たちの夢』、『アイドル 地下にうごめく星』がある。
小さな町工場の息子・山崎瑛。そして、日本を代表する大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬。同じ社長の息子同士でも、家柄も育ちもまったく違うふたりは、互いに宿命を背負い、運命に抗って生きてきた。強い信念で道を切り拓いてきた瑛と、自らの意志で人生を選択してきた彬。それぞれの数奇な運命が出会うとき、逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まったーー。
ともに入行した産業中央銀行で雌雄を決することになったふたりのアキラ。そんな中、彬の実家に異変が起きる。家業を立て直すため、父から会社を継ぐことを決意する彬。バンカーとしての矜持を持ち続ける瑛と、若くして日本の海運業の一翼を担う企業を率いることになった彬の人生が交差するとき、ふたりの前に新たな難題が。若きバンカーたちの半生を瑞々しく描く青春ストーリー!
白いワンピースに、麦わら帽子。 廃ビルに現れる都市伝説の“少女"とは? 古道具店を営む兄と、ときおり古い物に秘められた“記憶"が見える弟。 ある日、ふたりはビルの解体現場で目撃された少女の噂を耳にする。 再開発予定の地方都市を舞台にした、ファンタジックミステリー。 【著者略歴】 恩田陸(おんだ・りく) 一九六四年、宮城県生まれ。九二年に『六番目の小夜子』でデビュー。二〇〇五年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、〇六年『ユージニア』で日本推理作家協会賞、〇七年『中庭の出来事』で山本周五郎賞、一七年『蜜蜂と遠雷』で直木賞と二度目の本屋大賞をそれぞれ受賞。近著に『祝祭と予感』『歩道橋シネマ』『ドミノin上海』など。
コミックス累計3800万部&小説版累計160万部突破! 高校バレー生活に、一区切りがついた日向たち烏野高校排球部。ブラジルへと旅立つことが決まった日向を見送りするメンバーたちの姿を描く! さらに木兎や宮侑が所属するVリーグ「ブラックジャッカル」のファン感謝祭の模様なども収録!! 恒例のリバーシブルカバーにも大注目!!
あらゆる縛りから逃れたいと願う二人の女性は、異国の地・日本で出会ったーー。 両親の反対を押し切り、日本の大学で日本語を教える台湾人の柳凝月(りゅうぎょうげつ)は、新疆ウイグル自治区出身で、日本の大学院を目指す生徒の玉麗吐孜(ユーリートゥーズー)に初めて会った時から魅了されていた。玉麗吐孜もまた、柳凝月に惹かれていた。ある日、玉麗吐孜の元恋人の同居人が部屋を出て行くと言い出し、家賃問題に悩んでいた彼女は付き合い始めの柳との同居を考えたが、今の距離感が心地よく、これ以上親密になるのを恐れていた。一方、柳は玉麗吐孜の受験が上手くいったら一緒に暮らし、いつか結婚しようという想いが募っていた。期待もあえなく、玉麗吐孜は不合格通知を受け、日本に残る理由を失っていた。生国の政治情勢、家族のこと、隠している自分のセクシュアリティー……。共通の言語を持ち、語り合い、玉麗吐孜のことを分かっていると思っていた柳だが、玉麗吐孜が背負う重りを知らずにいた自分に気付く……。 今、注目の新日本語文学の旗手が描く、静かな祈りの物語。 【著者略歴】 李琴峰(り・ことみ) 1989年、台湾生まれ。作家・日中翻訳者。2013年来日。2015年、早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程修了。2017年「独舞」で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞。2019年「五つ数えれば三日月が」が第161回芥川賞、第41回野間文芸新人賞の候補に。著書に『独り舞』『五つ数えれば三日月が』『ポラリスが降り注ぐ夜』がある。