出版社 : 集英社
大切な人の死を忘れられない男と、恋の仕方を知らない女。 欠けた心を抱えたふたりが出会い、お互いを知らないまま、少しずつ歩み寄っていく道のり。 変化し続ける人生のなかで、他者と共に生きることの温かみに触れる長編小説。 【著者着歴】 窪美澄(くぼ・みすみ) 1965年東京生まれ。フリーの編集ライターを経て、2009年「ミクマリ」で女による女のためのR18文学賞大賞を受賞。受賞作を所収したデビュー作『ふがいない僕は空を見た』で山本周五郎賞を受賞。12年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞を受賞。他の著書に『さよならニルヴァーナ』『アカガミ』『すみなれたからだで』『トリニティ』『いるいないみらい』など。
それは地元出身のアイドル・キリモエが一日署長を務めるというイベント当日。賀江出署副署長の脇坂に思いも寄らぬ報告が上がった。 病欠していた若い巡査部長・鈴本が、事故現場から逃走した……? ただでさえマスコミの注目が集まる大事な一日。そんな日に、あってはならぬ身内の不祥事か、それとも……? 収拾を一任された脇坂だが、捜査を進める内に、誰も予想し得ない事態に次々と直面する。 一方で、脇坂自身の家庭内でも、前夜から妻と息子の双方に不可解な行動があり、それに気付いた娘・由希子から想定外の連絡が続いていた。 職場も家庭も、どちらを見ても謎ばかり。同時多発する出来事に、休む間も無くひとり立ち向かわざるを得ない脇坂。 生粋の警察官として職務を全うする脇坂が最後に辿り着く、複雑極まりない事の真相とは……? 緻密にして奇想溢れる、唯一無二の真保裕一ワールド。読み始めると止まらない、分刻みノンストップ・ミステリー! ! 【著者略歴】 真保裕一(しんぽ ゆういち) 1961年生まれ。アニメーション製作に携わった後、91年『連鎖』で第37回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。96年『ホワイトアウト』で第17回吉川英治文学新人賞、97年『奪取』で第10回山本周五郎賞と第50回日本推理作家協会賞、2006年『灰色の北壁』で第25回新田次郎文学賞を受賞。ミステリーを書き続ける一方、『覇王の番人』『天魔ゆく空』『猫背の虎 動乱始末』などの歴史時代小説も執筆し、読者層を広げる。近著は『レオナルドの扉』『赤毛のアンナ』などがある。
「運命の出会い」を求め、夜の平安京をお忍びで歩くのが帝の息抜き。病気の上司にかわり、今夜は夏樹がお供を務めた。見事な藤の花が咲く家で人違いの招きを受けた帝は、夏樹の制止も聞かずに応じてしまう。そこで出逢ったのが藤香姫だった。翌日、その家は藤の木もろとも消えてしまい、夏樹は藤香を捜して都中をさまよう羽目に…。そして、春の柔らかな朧月の下、ひとりでに動き回る牛車を目撃。その直後、一条にも負けない美少年・馨が夜盗に襲われているのを助けるがー。 見事な藤の花が咲く家で帝が出会った美貌の姫君の正体とはーー。 美しくも哀しい、平安怪異譚シリーズ第5弾。 【著者略歴】 瀬川 貴次(セガワ タカツグ) 1964年生まれ。91年にスーパーファンタジー文庫よりデビュー。陰陽師もの、オカルトものを得意とし、『聖霊狩り』シリーズ、『闇に歌えば』シリーズなどコバルト文庫に著書多数。他に『怪奇編集部「トワイライト」』シリーズ (集英社オレンジ文庫)。また、瀬川ことび名義で角川ホラー文庫、トクマノベルスでも活躍。他社近刊に『化け芭蕉』(角川ホラー文庫)、「百鬼一歌」シリーズ(講談社タイガ)。
テロ、移民、スラム化した東京、菌糸の生物兵器… 2026年の“未来の歴史"を幻視せよ。 舞台は2026年東京。 放射能汚染によって隔離された被災地「島」からやってきた、天才的騎手・喜多村ヤソウ。 東京オリンピック後、スラムと化した“鷺ノ宮"を偵察する「島」生まれの喜多村サイコ。 先天性の心臓病を患う少女・谷崎ウラン。 17歳と19歳と18歳の三人が出会うとき、東京を揺るがす事態が巻き起こるーー。 日本、フランス、メキシコ、そして「島」。 遥かな未来になけなしの希望を託す、近未来長編。 【著者略歴】 古川 日出男(フルカワ ヒデオ) 1966年福島県郡山市生まれ。98年『13』でデビュー。2002年『アラビアの夜の種族』で、第55回日本推理作家協会賞と第23回日本SF大賞をダブル受賞。06年『LOVE』で三島由紀夫賞受賞。他の作品に『ベルカ、吠えないのか?』『サウンドトラック』『gift』『聖家族』『MUSIC』『ドッグマザー』『女たち三百人裏切りの書』などがある。
鉱物の魅力が満載、少年の繊細な心を鉱物の美しさになぞらえて描くシリーズ第3弾。祖父、クラスメート、そしてパートナーである石精……相手を思う心が感動を呼ぶ3話構成。 「黄鉄鉱の輝き」クラスメートの山下さんは、お祖父さんが鉱山で働いていたという。祖父との思い出の金属鉱物を大事にしたいが、黄鉄鉱は環境の変化にもろく、徐々に変質してしまう……。「瑠璃の空」樹と雫が祖父の遺品を整理していると、絵画が出て来た。そこに描かれた空は非常に印象的な青色をたたえていて……。一方、校内で出会った美術部の1年生は、進路についての夢と現実に悩んでいた。「仮晶の夢」今回土蔵から見つかったのは祖父の日記。厳粛だった祖父が自分たちにあたたかい視線を注いでくれていたことを知り、樹は改めて祖父を失った悲しみを感じる。なぐさめようとする雫だったが……。繊細な少年の心を描く、青春小説。 【著者略歴】 蒼月 海里(あおつき・かいり) 宮城県生まれ。2014年、文庫書き下ろしの『幽落町おばけ駄菓子屋』でデビュー。同シリーズのほか「華舞鬼町おばけ写真館」「幻想古書店で珈琲を」シリーズなどを次々と刊行。他の著書に『水上博物館アケローンの夜』など。
国土交通省「幽冥推進課」--国土開発の妨げになっている地縛霊などを立ち退かせる、不思議な部署。自分以外は全員妖怪、という環境のなか、臨時採用職員として日々奮闘中の夕霞。バイパス候補地に現れる地縛霊の説得に赴くことになった夕霞だが、その土地の問題は、地縛霊の存在だけでなく、「幽霊土地」……相続手続きを所有者が怠ったため、所有者が不明になっている土地であることで!?(「ちゃんともらってくださいね」)1巻発売時に毛利事務次官(当時)から直々に調査依頼をいただいた「幽霊土地」問題をはじめ、この国に暮らす人々が遺した想いを描く、笑えて泣ける心霊お仕事コメディ第4弾! 【著者略歴】 竹林 七草(タケバヤシ ナナクサ) 2012年に第6回小学館ライトノベル大賞優秀賞を受賞し、『猫にはなれないご職業』(ガガガ文庫刊)にて作家デビューする。他の著書に『お伽鬼譚 亡者と鬼哭の怪異譚』。
江戸で人材派遣業を営む口入屋の九代目を継いだばかりの長兵衛。江戸に集まってくる人々に職を斡旋して面倒見がいいと評判だった先代のような店主を目指している。ある日、長兵衛の店で中間の世話をした友蔵が、旗本の中間部屋で賭場を開き、荒稼ぎしていると噂を耳にする。その賭場の博打で負けたと三次が店にやってきて新しい奉公先を見つけたいというが……。中間部屋を渡り歩く友蔵の裏になにかあると睨んだ長兵衛は探索に乗り出す。粋でいなせな口入屋長兵衛の活躍。文庫書き下ろし時代小説の新シリーズ。 【著者略歴】 小杉 健治(コスギ ケンジ) 1947年東京墨田区生まれ。データベース会社に勤務の傍ら執筆した『原島弁護士の処置』で第22回オール讀物推理小説新人賞、『土俵を走る殺意』で第11回吉川英治文学新人賞、『絆』で第41回推理作家協会賞を受賞。つねに社会的弱者や虐げられている人々の立場に立ち、正義感と人情味に満ちた作品を発表。ミステリーの他、時代小説の分野でも活躍。作品多数。代表作に『絆』『検察者』『宿敵』『黙秘』『贖罪』など。
魂を数値化する巨大監視ネットワーク・シビュラシステムが人々の治安を維持している近未来。変わりゆく世界で、犯罪に関する数値〈犯罪係数〉を測定する銃〈ドミネーター〉を持つ刑事たちは、犯罪を犯す前の〈潜在犯〉を追う。 2012年にスタートしたオリジナルTVアニメーション作品『PSYCHO-PASS サイコパス』の第三期シリーズとなる本作は、ふたりの新人監視官の物語。慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフは、厚生省公安局の刑事となり、変わりゆく世界で真実を求めていく。 カバーイラストはキャラクターデザイン担当の天野明が描き下ろし。 アニメはフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で2019年10月17日から放送。 【著者略歴】 吉上 亮(ヨシガミ リョウ) 2013年、『パンツァークラウン フェイセズ』でデビュー。著書に『PSYCHO-PASS GENESIS』『生存賭博』『泥の銃弾』など。脚本担当作に映画「PSYCHO-PASS│SS Case.1 罪と罰」がある。
【フランスで160万部突破の大ベストセラー日本上陸!】 【急死した天才画家が遺作に託した驚愕の真実とは!?『ブルックリンの少女』の著者ギヨーム・ミュッソが放つ待望の新作ミステリー!】 それぞれ別の目的でパリにやってきた元刑事のマデリンと人気劇作家のガスパール。 マデリンは傷心を癒すため、人間嫌いのガスパールは執筆で缶詰になるため。 この他人同士の男女は偶然、同じ不動産レンタルサイトで一件家を予約するが、当日にダブルブッキングが判明。反りの合わない2人は互いに一歩も譲らない。 だが、当の家が1年前にニューヨークで急死した天才画家ショーン・ローレンツの元アトリエと知ると、彼らは次第に画家とその作品に惹かれていき、未発見の遺作3点が存在するという情報を得て行方を探し始めるが……。 絵に隠された秘密に導かれて突き進む2人を待ち受けていた、誰にも予想できない衝撃の真実とは!? 【著者略歴】 ギヨーム・ミュッソ 1974年フランスのアンティーブ生まれ。高校卒業後にニューヨークに渡りアイスクリーム売りのアルバイトなどを経験。ニースとモンペリエの大学で経済学と社会学を学んだのち、2003年まで高校教師を務める。04年に発表された『Et après...』が大ヒットし、ベストセラー作家に。以降、毎年話題作を発表し、これまでに刊行した作品は42の言語に翻訳され、その総売り上げは3000万部を超える。現在フランスでもっとも売れている小説家。
『ミャアがそろそろ旅立ちそうです』実家の猫に死期が近いことを母親から知らされ、私は東京から金沢へ向かうが…(『ミャアの通り道』)。離婚で気力を失い、人付き合いがなくなり生活が荒れていった江美。ある冬の日、マンションのベランダに一匹の猫が現れて…(『運河沿いの使わしめ』)。離れて暮らす会社員の息子が急死した。一日のほとんどを仏壇の前に座って過ごす富江のもとに、お線香を上げたいと言う若い女性が訪れ…(『陽だまりの中』)。心ふるえる七つの物語。猫と一緒の人生は、せつなくて、愛しい。
ジャンプSQ.で大人気連載中『憂国のモリアーティ』、小説版第2弾! 貴族の息子探しの依頼を受けたシャーロックは、貴族が通うクラブに潜入するためウィリアムに協力を仰ぎ捜査を始める。 事件の真相にたどりついた二人だったが、人質を取った“ゲーム愛好家"の犯人からロシアン・ルーレットへの参加を強制され・・・。 さらに、ボンドがホワイトチャペルの劇団に演技指導、三兄弟が弟子入りの際にジャックに課された試練、 マイクロフトの紹介で訪れた休暇先でシャーロックが挑む奇妙な事件などが4本の短編になって収録!
遂に復讐の時が来たーー。 エレノアが殺したいほど憎んでいる幼なじみたちが見つかった。 彼らは仲間殺しが多発しているいわくつきの合同クエスト〈ゴレイアス砦侵攻戦〉に参加しているという。 エギルたちはハボリックから依頼された仲間殺しの犯人を捜すと共に、エレノアの復讐に協力すべく、合同クエストに参加することに。 しかし、本来協力関係にあるはずのギルドも、仲間殺しによって互いを疑うのが当たり前となっていた。 疑心暗鬼にまみれたギルド。 砦の攻略を目指すエギルたちが最奥部に近づいた時、いよいよ犯人が動き出した……。 一方、エレノアは待ち焦がれた幼なじみたちと再会する。 自らを奴隷商人に売った幼なじみへの復讐は果たされるのかーー。 エレノアの復讐の幕が上がる、激動の第2巻。
久坂浩一は、平穏な日々を願う、平凡な高校生。 エロ漫画家の姉の影響で、性的なことへの苦手意識がある以外は。 しかし浩一の高二の夏休みは、その想いとは真逆の方向へ突っ走ることになる。 ある日、幼馴染みの美亜がいきなり「彼氏のフリをしてほしい」と言い出し、 しかもエッチなことをかなりハードにしている設定でとお願いしてきた。 なんと、美亜は実はサキュバスで、なおかつエッチなことが苦手な落ちこぼれなのだとカミングアウトしてきたのだ! 流れで美亜の勤める喫茶店でバイトをすることになった浩一は、 「落ちこぼれサキュバスの調教役」になる!? 浩一にはサキュバスたちに必要なあの能力があって… 限界突破のエロラブコメ、開始!
必死に実力を隠しているのに、活躍を続け、栄達し続けるヘルメス。 姉のソーラと娼婦オルティアに振り回されつつも、絶対に本気を出さない主義を貫いていた。 だが、自衛のために剣を提げていただけで、気づくと国王の剣術指南役に任命されてしまう! 街で急襲してきた少女の攻撃を防ぐと、それは地上最強の生物・魔王カオリで、 「甥っ子ちゃん」と呼ばれて懐かれてしまう! 魔王軍との全面戦争に怯える国王から征魔大将軍に任じられると、あっという間に戦争を回避! 総理大臣相当の大公爵まで上り詰める!? 本気じゃないのに名声があがり続ける、慕われ惚れられ尊敬されまくる最強当主生活、第3幕!
ポーション売りの少年、シィルは小さな怪我や風邪に使う普通のポーションを販売していた。 しかし、実はそれがポーションではなくてどんな怪我、病気も癒す伝説の薬、エリクサーであるということは、シィル自身は知らなかった。 そして、いつもと変わらない毎日を送っていると息苦しそうに歩いてくる貴族の少女と出会う。 実は、その少女は薬師や医師、魔法使いに診てもらっても治せなかった難病を患っていたのだが、気休めに渡したシィルのポーションで完治してしまう。 それからただのポーション売りだったシィルの生活は知らずに治療した人の影響を受け、少しずつ変化していくーー。
ときは南北朝時代。 蝦夷管領、安藤又太郎季長の三男として生を受けた新九郎は、出羽の叛乱を鎮圧せよと命じられた。出陣を前に、叛乱について調査をした新九郎は、ことの首謀者が叔父の安藤五郎季久であることを突き止める。 天皇方と手を組み討幕を目論む父・季長。あくまで幕府方を標榜する叔父・季久。二人の間で揺れる新九郎だったが、やがて大きな時代の流れは押し寄せ、北朝と南朝に分かれて争いを続ける都と連動する形で、東北にも大規模な戦の影が迫る。 アイヌとの行き来、交易などにも着目し、当時の東北のひとびとがどのように考え、動いていたのかを新たな目線で読み解く。 鎌倉時代から南北朝時代にかけて、日本列島全体でどのような騒乱が起きていたのか、これまでの歴史解釈に大きな一石を投じる本格歴史小説。 【著者略歴】 安部龍太郎(あべ・りゅうたろう) 一九五五年福岡県黒木町(現八女市)生まれ。久留米高専卒。東京都大田区役所で図書館司書を務めながら小説家を志し、九〇年『血の日本史』でデビュー。二〇〇五年『天馬、翔ける』で第十一回中山義秀文学賞、一三年『等伯』で第一四八回直木賞を、一六年第五回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。
ついに完結! 大ヒット『後宮の烏』シリーズ、『下鴨アンティーク』シリーズの著者がおくる 「家」が語るご近所事件簿、第5巻。 <椿屋敷>と呼ばれる一軒家に住む香澄(かすみ)と柊一(しゅういち)は、ワケあって結婚した"偽夫婦"であるーーとはいうものの。 香澄が柊一への気持ちを自覚したことで、ついに……。もちろん柊一も、ずいぶん前から香澄のことを憎からず想っているのだ。 町の相談役である柊一のもとには今日も今日とて客人が絶えない。 松江の紅白椿、七変化椿、もうひとつの椿屋敷……!? 三者三様の夫婦のあり方にふれ、ふたりも"二人の"関係を見つめなおしーー。 第一話 二匹のねずみ 第二話 神さまの花 第三話 椿屋敷の若夫婦 すみれ荘にてー真昼の星ー すみれ荘にてー廣田くんの受難ー すみれ荘にてー三人寄ればー 小春日和 仲良し夫婦に訪れる、じんわり染みる……大団円!
今度の舞台は『鍵屋甘味処改』の"お隣"! 恋する男子の和菓子な日々、ついにシリーズ完結! 『つつじ和菓子本舗』で和菓子職人の見習いとして修業中の多喜次は、相変わらず困ったひとを放っておけず、他人のために奔走する毎日を送っている。 最近は、美人のキャリアウーマン・亜麻里から熱心なアプローチを受けているが、店の看板娘かつ片想い相手である祐雨子の友人ということで、無下にもできずに困っている。 そんな中、同僚の柴倉と祐雨子が急接近! 和菓子職人として先を行く柴倉へのコンプレックスもあり、珍しく多喜次は落ち込む。 一方の祐雨子も、押せ押せの亜麻里とたじたじの多喜次に胸をざわつかせていた。多喜次の長い片想いに、ついに決着の時が訪れる…!?
一度見た人間の顔は忘れないーー 「特殊」な能力を持つ新米刑事と「努力型」のエリート上司の事件ファイル! 警察学校を卒業したばかりの麻生瞬。 憧れの警視庁刑事部捜査一課に配属されたのだが、彼のデスクがあったのは地下二階、上司が一人いるだけの「特殊能力係」だった。 業務内容は指名手配犯の顔を覚えて街中で見つけ出す「見当たり捜査」と呼ばれるもの。 なぜこの係に配属されたかわからない瞬だったが、上司の徳永に言われて気がついた。 一度でも見たことのある顔なら必ずわかる、というのはどうやら普通ではないらしい......? 翌日からすぐに成果をあげはじめた瞬だったが、なぜか命を狙われるようになりーー。 15年前の代議士死亡事故との関係とは!?