出版社 : 集英社
崇高なまでに昇華した下ネタ、導入から想像もつかない結末。孤高の異才が放つ、マニア垂涎の未発表作品を含む、計四篇の短篇集。読者の予想の遥か斜め上を行く、古栗ワールド。のっけから飛ばします。
2011年3月11日、津波に呑まれた牧場でただ1頭生き残った牝馬シロが命と引き替えに産み落とした芦毛の牡馬「リヤンドノール(北の絆)」。牧場主・雅之とその長男・拓馬は、放射能汚染の風評被害などと戦いながらリヤンを競走馬として育て、デビューさせる。リヤンは拓馬たちの夢を載せ、日本ダービーをめざして疾走する…。東日本大震災に見まわれた福島県南相馬市を舞台に展開する、馬と人、人と人の「絆」の物語!
銀座の店「エトランジェ」を閉め、正義の前から姿を消したリチャード。新しい店の主として現れたリチャードの師匠シャウルから、情報を得た正義はイギリスへ飛ぶ。美しき宝石商を苦しめる過去の因縁とは?
就職浪人中の青年・楓は、小学生を助けようとして川で溺れてしまう。意識を失った彼は「死神」を名乗る男・刑部と出会う夢を見た。意識を取り戻したとき、楓の手元には刑部の名刺が残されていて…!?
毎週金曜日23時20分に始まるニュース番組のキャスター・愛優一郎はただのキャスターではない。甘いマスクで女性の心を蕩かすだけでなく、明晰な推理力で社会の闇を斬る「キャスター探偵」なのだ……!
田舎生まれの女子高生・すずめは、上京初日に彼女を助けてくれた獅子尾に生まれて初めて恋をする。一方で同級生・馬村からは告白されて!? 大人気ピュア恋コミックス原作の映画を小説で!
ついに兀朮率いる金軍と、南宋の岳飛軍と張俊軍を併せた全軍が激突! 両者一歩も譲らない戦いが展開された。一方、南宋有利に進む中、秦檜には別の思惑が──。中原で蠢動する第四巻。(解説/鳴海章)
結婚準備を進める私の前に、見ず知らずの「兄」と名乗る男の子が現れる。最初は戸惑うけれど、距離が縮まるうちに、私はその正体を思い出す。封印していた過去の挫折経験とともに。(解説/江南亜美子)
取引先のビルの完成披露パーティに招かれた純粋な吸血鬼であるフォン・クロロックとその娘で人間とのハーフのエリカ。しかし、パーティの開宴と共にまるで猫のたたりのような不可解な事件が頻発する。新しく建てられたビルに隠された猫にまつわる恐ろしい秘密とは!?表題作のほか『土曜の夜と吸血鬼の朝』『吸血鬼に賞罰なし』の2編を収録。“吸血鬼はお年ごろ”シリーズ、新装版第16弾!!
ガイドや通訳をしながら南太平洋のバヌアツに暮らす彩実は、東日本大震災からしばらくの後、父の訃報を受けて故郷の北関東の町に一時帰国する。放射線被害についての危機感の相違や、保守的な家族たちの思考と言動に噛み合わない思いを抱くうち、「アオイロコ」という奇妙な風土病の噂を耳にする。そんな中、彩実の口中の腫瘍が悪性と診断され、入院することにー。坂東眞砂子、絶筆作品。
シャーマンの血をひく探偵ナルヒコと、神の子として生まれた天才暗殺者。ヘラクレスの英雄神話が現代に甦る。闇の奥深くに隠れた真の敵を倒すのは、果たしてシャーマンかそれとも英雄か。(解説/入江悠)
カメラマン見習いの晴人と、新米美容師の美咲。恋に落ちた二人だが、美咲は人の何十倍もの早さで年をとる難病を発症する。しかも、治療法はないと告げられ……。切なく哀しいラブストーリー。
那覇市内のレストランで、突然倒れた米兵から、新種の危険ドラッグの陽性反応が。偶然、現場に居合わせた反町、赤堀、ノエルの沖縄県警同期の3人は、捜査に乗り出す。だが、薬物事件は海を越え、東京でも続々と発生。そして、20年前に忽然と姿を消したノエルの父である元海兵隊員が捜査線上に浮上するが…。死をも招く危険ドラッグの全国への蔓延を阻止できるのか。好評の沖縄県警シリーズ!
千景とまゆ子。高校の同級生である二人は十年ぶりに再会し、思いがけず一緒に暮らすことになる。薬剤師の千景は、定年退職した大学の「先生」の元を訪れては、ともに線虫の観察をする日々。スナック勤めのまゆ子は、突然訪ねてきた「先生」の孫と、カタツムリの飼育を巡り、交流を深めてゆく。そんな中、高校時代の友人の結婚式が近づき、二人はかつての自分たちの「深い関係」と「秘密」とに改めて向き合うことになる。そして…?「生」と「性」のままならなさを印象的にすくい上げるデビュー作。第40回すばる文学賞受賞作。
テストなどを終え、鍵屋へ顔を出したこずえ。祐雨子のことは気になるが、久々に淀川と会えてうれしい。そんな中、淀川の元カノが現れる。過去に苦しむ淀川と、彼を見守るこずえは……? シリーズ完結!
ある日、店に訪れた女性客と店主の大樹が親しげにしていた。女性は大樹の弟、瑞樹の妻だという。店を訪ねてきたことには理由がありそうだが、話したくないようで? “おいしい"シリーズ第3弾!
金の巻き毛に青いガラス目。桜色の頬に控えめな微笑──とても綺麗な人形の名前は『ミーナ』。彼女との出会いがすべての始まり……。五体の人形にまつわる、美しくも哀しいノスタルジック・ホラー。
入社前に就職先が倒産した渚。ひとまずバイトに励んでいたが、「どうせお前が就職できるのはうちの会社ぐらいだ」と家族はバカにするだけ。ある夜、すさんだ気持ちで家出した渚は、神社で迷い猫チャーと出会う。入れ替わりを願ったところ、翌朝、渚たちは本当に入れ替わってしまう。チャー(中身は渚)を探しにきた男・上小路に拾われる渚(中身はチャー)だが…?
金軍総帥・兀朮が梁山泊の北に展開すると同時に、撻懶の軍も南進を始めた。戦いの幕がついに切って落とされた。呼延凌率いる梁山泊軍との全面対決となる激突だった。史進の遊撃隊の奇襲により、大打撃を蒙った金軍は後退し、戦いは収束。梁山泊は若い宣凱を単身金に差し向け、講和の交渉に入った。一方、岳飛は来るべき戦いに向け準備を開始する。それぞれの思惑が交錯し、血の気配漂う第三巻。