出版社 : 集英社
石出は、殺人の罪を償って13年ぶりに出所。真面目に仕事を始めた矢先、石出の部屋で、祖母の介護担当だった女性が殺される。石出は容疑を否認するが、情況は不利。鶴見弁護士は、彼の無実を信じて調査を開始する。出所直後に山中温泉を訪ねている事実を知り、行動をたどると、意想外の過去の因縁がー。哀切をおびた山中節の世界から連続殺人を解き明かす鶴見弁護士の活躍!書き下ろしミステリー。
超ロングのスカートに裏地がヒョウ柄のブレザー、黒い口紅…時代を超越した「ツッパリ」スタイルを貫く沙耶香は、母親の再婚がきっかけで埼玉の公立高校から代官山の超セレブ高校に転校する。自分の常識が全く通用しない世界に困惑しつつも、クラスで友達を作ろうとする沙耶香だが、無視や陰口、仲間はずれなど地味なイジメに遭い…。沙耶香はこの閉鎖的な学園を壊すことができるのか!?
亡き妻が遺した、八つの不思議なチャーム。そこに秘められた妻の過去を追ううちに、アーサーは思いも寄らない冒険に乗り出していく……。笑いあり涙ありの、ハートウォーミングな感動作!
大切な人の死を忘れられない男と、恋の仕方を知らない女。欠けた心を抱えたふたりが少しずつお互いを知り、日常の中で歩み寄っていく道のりを描く。他者と生きることの温かみに触れる長編小説。
番組のレポーターとして南極に向かった作家椿三十郎は、経由地で少女から皇帝ペンギンの雛を南極に帰してほしいという依頼を受ける。悪戦苦闘の旅の果てに──。軽妙な筆致で命の尊厳を描いた感動作。
お互いに気持ちを打ち明けあった香乃と雪弥。雪弥の戻った花月香房は、本日も営業中。雪弥の父母への葛藤、そして香乃の自分の力に対する鬱屈の行方、そして二人の関係は? 香りが紡ぐ最後の物語。
顔の傷が原因で周囲と馴染めず、高校を中退した直哉は、不思議な青年と出会う。「君の顔にはオリオンがいるんですね」傷をそんな言葉で褒めた青年・蒼史は、小学生の妹・桜月と天文館を営んでいて……?
鎌倉に近い丘の上の住宅地に、年の離れた三兄弟が営む古民家カフェが建っていた。そのカフェで座敷わらしを見ると幸せになれるという噂につられて、帆南は店を訪れるが……。ほっこりあやかし物語。
青森から上京した哲太はクリエイター職に就いたものの限界を迎えて脱落。人生に行き詰まり、憧れのクリエイティブ・ディレクターを探す中、中目黒のシェアオフィスに辿り着く。そこで、なぜかカフェをプロデュースすることに!?
南宋の宰相・秦桧は闇の中で戦いが終わってからのことを考えていた。そんな中、梁山泊の宣凱が岳飛を訪ね対話をする。岳飛は答えた。「中華を中華の民の国にしたい」と。一方、梁山泊の南の開墾地は本格的に始動。戦場では南宋軍の岳飛と金国総帥・兀朮が互いを求め、渾身の力を込めた激闘を繰り返していた。突然、秦桧から南宋軍に帰還命令が届くー。岳飛の決断とは。思惑が交錯する第五巻。
二十三歳の夏帆は、弱小ブランドで働くファッションデザイナー。幼い頃から夢見てきた仕事だったが、どこか中途半端でもどかしい。気になる若手芸人との関係も思うようには進まない。そんな時、先輩に誘われ、新しい会社に移る。そこでパリコレの刺激を受け、一流のものを知ることで、いつしか自分の中の野心に気付く。仕事の成功も本物の愛も、自分で掴みとる!共感を呼んだ話題の長編小説。
スクールカースト、保健室登校…学校生活に息苦しさを感じる女子中学生たちの揺れ動く心を綴った連作短編集。劇的なハッピーエンドではないが希望を感じさせる結末が共感を呼ぶ。(解説/春名風花)
年上の部下と年下の上司、単身赴任先での浮気、領収書のごまかし、人事異動の内示、お偉いさんとの気づまりな会話ー。サラリーマンにとって決して避けて通れない身近なテーマ。喜劇と悲劇がつねに紙一重という、綱渡り的会社員生活の日常に潜む、思いもかけない恐怖をリアルに描く。身につまされる笑いのあとに、背筋も凍る戦慄、読みだしたら止まらない興奮の五編。ブラックな会社ミステリー。
将軍家光は、長引く島原の乱鎮圧のため、老中松平伊豆守に討伐の命を下す。不穏な気配は江戸にも漂い、辻斬りが横行。藩内に和蘭陀商館を持つ平戸藩江戸家老は、幕府の疑念を逸らすため、斎弦ノ丞らを辻番に任命し、江戸の治安を護る忠誠心を見せようとする。だが、弦ノ丞は任務初日に剣戟に遭遇し、政争に巻き込まれていく…。藩の窮地を救うため奮闘する辻番達の活躍!書き下ろし時代小説。
エンジンメーカーで超音速エンジンプロジェクトが始動。本庄たち開発チームの奮闘で、国産初のアフターバーナーエンジンは最終の燃焼試験を迎えた。だが、試験終了直前に爆発が生じ、若手技術者が死亡。本庄は左遷され、プロジェクトは中止となる。チームは爆発原因を突き止めようと独自の調査を…。数々の妨害工作を叡智で乗り越え、エンジン完成のため死力を尽くす誇り高き技術者たちの熱き闘い。
資産家の伊志田鉄造家で奇怪な出来事が次々と起こっていた。長男の一郎は明智小五郎に電話をしている最中に襲われ、犯人は忽然と姿を消した──。(「暗黒星」)他、1篇収録。(解説/綾辻行人)
坂口健太郎、miwa主演の映画『君と100回目の恋』脚本家によるスピンオフ。90年代後半を舞台に、売れないバンドマンの苦悩と恋、そして不思議なレコードにまつわる数奇な運命を描く、切ない物語。