出版社 : 風媒社
天才にはいくつもの顔がある。元禄文学を代表する巨匠・井原西鶴の俳諧師としての知られざる“顔”。縦横無尽、浮世を人間味豊かに活躍した天才・西鶴の原点を描いた新聞連載小説を単行本に。小説「若き日のマルクス夫妻とエンゲルス」併録。 西鶴二十面相 若き日のマルクス夫妻とエンゲルス
父の用明大王は即位して二年足らずで病没。少年の厩戸王は大臣蘇我馬子に庇護されながら政に関心を示さず、仏法の道へと魅かれていく。竹田王の死により推古大王の後継に選ばれた厩戸王だったが次々と起こる悲劇に心を病み、都から離れた斑鳩で生を終えた。この悩める王族が聖徳太子と呼ばれる聖人に作り変えられることになる。古代史の謎を解く長編歴史小説!
短編小説集。『海猫の啼く日に』朝鮮人労働者の痛苦の日々…。『手帖』秘め事を書き遺して父は逝った…。『贈られた絵』美術教室でふたりは知りあった…。『裏金』知事の座に忠誠心を競う人びと…。『万引き』いじめられた少年が果たした復讐劇は…。『夫の消息』容疑者の夫を妻は待ちつづけた…。『冬のうなぎ』空襲に追われた少年の戦後…。『祖父の外出』旧家で暮らす祖父と孫娘の絆…。『繭ごもり』蚕の終焉に少年は息をつめた…。『ストーカー』去った女を執拗に男は追ったが…。『折れた翼』気鋭の市長と対峙した新聞記者の哀歓…。
不条理な時代にあらがう悲憤のさけび、希望の詩。彼らは日本で何を感じ、何を見たのか。日本留学経験のある朝鮮の代表的な詩人、尹東柱、沈熏、李相和、李陸史、韓龍雲、趙明煕6人の代表作を収録したアンソロジー。ハングル原文も収載したK文学の原点。 序にかえて 尹東柱 自画像/恐ろしい時間/夜明けが来る時まで /十字架/序詩/もう一つの故郷 /風が吹いて/道/たやすく書かれた詩/懺悔錄 沈熏 その日が来れば/春の序曲/玄海灘/さよなら、わがソウルよ/朝鮮は酒を飲ませる/山に登れ/故郷が懐かしくても/草地に横たわって/初雪/痛哭の中で 李相和 奪われた野にも春は来るのか/詩人に/朝鮮病/慟哭/緋音─緋音の叙事/先駆者の歌/独白/逆天/雨あがりの朝/嵐を待つ心 李陸史 青ぶどう/絶頂/広野/花/喬木/湖/一つの星を歌おう/鴉片/失われた故郷/子夜曲 韓龍雲 山村の夏の夕暮れ/ニムの沈黙/服従/道が塞がれて/分からない/渡し舟と行人/讃頌/愛する理由/忘れよう/いっそのこと 趙明煕 成熟の祝福/火の雨を降らせなさい/友よ/春の芝生の上で/わたしの故郷が/赤ん坊/因縁/市街の人々/無題/朝 詩人の生涯と活動
ある日、突然脱税犯の汚名を着せられたー。謎めいたモデルの女との出会いから、脚本家・野崎祥司の人生はゆっくりと壊れていく。家庭は崩壊、仕事も家も失ってまで闘った税務闘争。すべてを犠牲にして貫いた「正義」の果てに見たものは…。
13歳で女工として海を渡り、日本へ。従姉の死。悲しみの帰郷。結婚。ふたたびの渡日…。いつも拠り所のない思いにかられながらも、現実を乗り越え、生き抜いてきたひとりの朝鮮人女性の物語。