出版社 : 飛天出版
LAのしょぼくれ女こまし、タケシに舞い込んだおいしい仕事。それは絶世の中国美人とともに亡命して来る北京大学教授をシスコからLAへ運び、匿うという“NO PROBLEM”の仕事の筈だった。ところが…!?チャイニーズ・マフィアの凄絶な罠の落とし穴に追い込まれていく臆病者のタケシが逃げる。だが、このどうしようもない男を突然奮い立たせる意外な真実が…!?男は生涯に一度ド根性を魅せる。
「オッペンハイマーを殺る…」と根本がもらした。オッペンハイマーを暗殺しなければ日本を救うことはできない。「高性能爆弾は彼の頭の中にある。それをつぶす」。関東軍上海特殊工作隊米本土潜入ス。
ヒトラーはモスクワ解放に迫った満州とソ連の合同軍に対して、開発したばかりの水爆を爆発させた。また、イギリスを占領したドイツ軍に対して、カナダ軍を中心とした陸上兵力とその護衛の米第105護衛任務部隊が大西洋を移動中、ドイツのUボートによる核爆弾攻撃にさらされた。ここに日米両国は共同でドイツ軍に当たるべく休戦条約を進めた講和条約を結び、共同作戦をとることになり、大規模な反攻作戦を展開させて…。
ペリーの率いるアメリカ艦隊の江戸進行を阻止しようとした浦賀奉行の乗った軍船が、その黒船に衝突され沈没した。その報告を聞いた幕閣と大名諸候は騒然となる。鎖国派の水戸斉昭や島津斉彬の提唱する黒船打払い方針に対し、開国派の井伊直弼や堀田正睦は明日でも下田に入港するロシア艦隊を利用すべきだと主張した。この抗争の中、一橋慶喜が幕府の軍船と船手組の指揮の委譲を申し出て、黒船との対決を計るが…。
イギリス軍の香港・啓徳飛行場がドイツのJu87により爆撃された。イギリスからの要請を受けた日本政府は蒼龍・飛龍の2隻の空母と駆逐艦4隻からなる南雲少将の第2連合航空戦隊を派遣した。そして、さらに陸軍の将兵の輸送にあたり、井上少将の第4艦隊も出撃する。2隻の空母には試験飛行半ばで実戦配備された双発の九試長距離戦闘機が2機搭載されていた。ドイツの新鋭機He112・Bf109対日本の鷲型戦闘機と九試戦闘機の空中戦。
第一次世界大戦で欧州に出兵した日本は、戦勝国となったものの、ジェットランド沖海戦で金剛が撃沈され扶桑も大破した。またUボートにより輸送船も次々と沈められ、多くの将兵を失った。この近代戦を目の当たりにした若手将校は空軍と戦車の重要さを認識し、軍備の改革を進める。折しも租界地の奪還を目ざして蒋介石の国府軍は上海を包囲した。ただちに帝国政府は英米仏とともに租界地防衛のため、空母に改装した扶桑を旗艦とした上海派遣艦隊を赴かせるが…。
圧倒的な物量。質的な凌駕。太平洋戦争中期以降の日本軍戦車隊は、米軍の機甲戦力の前に完膚なきまでに叩きのめされた。しかし、その悲劇を回避する方法がなかったわけではない。欧州やアフリカで戦車殺しの誉れも高いドイツの88ミリ高射砲を、太平洋戦争以前に日本軍も入手していたのだ。後はそれを自走砲化するだけで、太平洋の島嶼戦は一変するのである。
アメリカは反攻の第一歩として、海軍が飛行場を建設中のガダルカナル島に上陸を開始する。これを知った伊○潜は、ただちに敵の補給路を絶つ作戦に出た。しかしニミッツは、伊○潜の刺客として、掃討部隊を送り込んできた。そして連合艦隊も、全力を挙げてガダルカナル奪回に意欲を燃やす。南海の小島を巡って、両軍相乱れての激戦が始まった。煙たなびく鉄底海峡に、男たちの熱い戦いが繰り広げられる。最後に勝利を掴むのは一体どちらか。
対ソ戦の出撃拠点として中東欧諸国の背後に兵站補給基地を計画した日米両国はドイツに残っている軍需工場の再生を急ぐ…。狙い通りスターリンはトルーマンの和平提案を蹴った。ここにソ連への攻撃が開始された。連合国軍第1空挺軍所属の6個空挺師団がバルト三国に飛びたった。そしてエストニアの首都・タリンには本間第9軍の第1師団と第5戦車旅団が、本隊の第9師団と第10師団はラトビアのリガに上陸を敢行した。連合国軍150個師団に及ぶソ連侵攻作戦の大展開。
毛利輝元と小早川隆景には秀吉の狙いが読めていた。四国の長曽我部攻略の際の大船団も毛利水軍を中核とさせ、九州の島津攻略にも参戦を強いられた。毛利の戦力を削ごうというのである。さらに小早川・吉川の両家を毛利から離そうと画策している…。毛利元就の天下統一の野望を実現させるべく、輝元と隆景は対秀吉、対家康への大知略戦を展開させる。
「人の斬りようを考えよ」という師・伊藤弥五郎の言葉一途に体で剣を学ぶ小野善鬼。当然、敵も多くなる。今も、彼に殺された飯田勘解由左衛門の門弟たちが待ち伏せている。善鬼は走りながら人数を数えてみた。21人いた。斬る相手を選んでいる暇はない。敵はみな斬り捨てるのだ…。若き頃の自分と同じ激しい太刀節を善鬼にみる弥五郎。その師との葛藤の中で磨く善鬼の剣。
総力を挙げてレイテ湾突入を計る連合艦隊。その作戦をストップさせた第1戦隊の宇垣中将は、第2艦隊の栗田中将に故山本五十六元連合艦隊司令長官の遺書を見せた。そこには海軍として、この戦争をどう終決させるかというメッセージが記されていた…。この山本五十六の零号作戦にそい、連合艦隊は大決戦を挑むべく全艦出撃した。
基地空母として、零戦の空輸作戦を行っていた巨大空母大和に、バミューダ派遣が命ぜられた。ハワイから喜望峰を回ってバミューダまで、大和の長い航海が始まる。学徒出陣の予備士官も、3人が初めての母艦パイロットとして乗り組んでいた。16000浬の彼方で彼らを待っていたのは、いかなる作戦であったのか。そしてヨーロッパでは、ヒトラーが英本土上陸作戦を敢行しようと準備を進めていた。装甲空母大和は前進基地として、大西洋を東へ西へ駆け巡る。
ドイツ国境地帯への進撃を準備していた連合国軍の前戦に、ドイツ装甲軍が大攻勢をかけた。アルデンヌを突破し、ミューズ河を渡り、ブリュッセルを抜いてアントワープ陥落を目指すヒットラーの起死回生の電撃作戦である。アルデンヌに展開しているのはホッジス米第1軍麾下の百武第17軍だった。ドイツ軍の猛攻を凌ぎ、補給路が伸びきったところで、百武第17軍は反撃に出た。ジークフリート・ラインを突破してルーデンドルフ橋を確保し、ラインを渡河して快進撃が続く…。
若いOLが自宅のマンションで惨殺された。喉は掻き切られ、乳首を噛みとられ、陰部も抉られていた。この事件の1ヵ月前にも女子大生が同じように惨殺されていた。どちらもスタンガンで意識がなくなったところを、大型カッターナイフで切り刻まれていた…。殺しは憎しみか悦楽か。異常犯罪者の恐怖の行動と殺意。
開戦からわずか2カ月で、米東海岸に歩を進めた大機動部隊。今や名軍師となった大野光男の采配はますます冴えを見せ、強大な航空部隊は縦横無尽に暴れ回る。さらに、鹵獲したB-17をコピーした日本初の本格的戦略爆撃機、二式重爆の部隊が、この戦いに決着をつけるべく太平洋を渡った。限りなく広い米本土、待ち受ける迎撃戦闘機、日本軍は果して勝利を掴むことができるか。そして大野が描いた対米戦のシナリオは、いかなる結末を迎えるのか。渾身の完結編。
ねねは栄耀栄華にほとんど関心がなかったが、夫秀吉は大変な野心家で、あれよあれよという間に長浜12万石の大名になってしまった。以前は戦国の世であっても夫に抱かれて死ねればいいと考えていたが、今では夫の仕事に参加して、それに身をゆだねた上で、死を覚悟せねばならなくなったことに夫婦の絆を感じて…。
油問屋の伜・喜八郎は、根岸村にある六地蔵の前で、死客人・お藍に女房の敵討を依頼した。女房のお稲が五間堀の万蔵という岡っ引に弄ばれて、縊死をした恨をはらしてくれというのである…。お藍こと紅白粉行商人の藍三郎は、殺し屋稼業に身を置きながら、惨殺された両親の仇敵を探しているのだ。凄絶な殺陣と濃厚なエロチシズムの中で描く異色の時代小説。