出版社 : 22世紀アート
[商品について] ー「普通かどうか」より、もっと大切なことがあるー 夫と妻、そして3人の子供。どこにでもある「一般的な家庭」。でも、少し変わったところがあるとすれば、それは子供たちが学校へ通わず、家庭を拠点として学習を行う「ホームスクーリング」を導入していること。これは、そんな「とある家族」の日々を小説仕立てで綴った小さくて大きな物語。--怪我を負ったカラスと少年の絆を描いた「カラスの恩返し」、まるで磁極のように、似たもの同士だからこそ反発し合ってしまう親子の様相を母親目線で綴った「NとNの時間」、誰に何を言われようと、自分の「好き」を貫く女の子の等身大の宣言「This is me !」など「とある家族」をめぐる11のエピソードを収める。巻末には長男と次男が「今まで人類が犯してきた過ちを1つの国に集約したらどうなるのか」という着想をもとに、5年の歳月を費やして制作した物語「オモチャの世界の住人たち」も収録。 [目次] ヨウヘイ一家の精神──出版に寄せて まえがき カラスの恩返し 唯一無二の男 申述後の光景 わたしは「みなも」 創世宣言 とある家族の生きる道 NとNの時間 Rencontre à Kyoto 〜結び合う奇跡〜 This is me ! 礫(つぶて) 人生最大で最小の汚点 あとがき おまけ オモチャの世界の住人たち 著者略歴 [担当からのコメント] 子供たちが家庭で学びを行う「ホームスクーリング」を実践している一家の物語ですが、中にはその環境ゆえに「本当の自由とは何なのか」と葛藤する子の内情を描いた作品もあるなど、子育てや教育にかかわる方にとって、本作はその本質を見つめ直すきっかけになるはずです。一方で、個性豊かな家族が織りなす物語の数々は、ページをめくる手が止まらないような楽しさに溢れていますので、ぜひ「とある家族」の日々を存分にお楽しみください。 [著者プロフィール] とある家族 父母長男次男末娘の5人家族。 世の中に溢れかえる「普通」に惑わされず、自分たちの感覚や感情に正直に生きることをモットーに暮らしています。 ホームスクーリングから始まった「新しい生き方の形」を実践中です。
[商品について] ー「寄り添う」ということは「たたかう」ことー 教室に自分の居場所が見つけられず、次第に心を閉ざしていく子。脳腫瘍と診断され、生死の境をさまよう母親を献身的に支える子。ある出来事をきっかけに、人を信じる気持ちを見失ってしまった子。 主人公の「さと子先生」は、今日も心にさまざまな痛みを抱える子どもたちやその保護者と向き合う。一人の小学校教諭として、そして一人の人間として、彼女は何を思い、何を語るのか。--障害児学級での講師経験を持つ著者が描く、学校現場でのリアルな苦悩と喜びに焦点を当てた感動の短編小説集。 [目次] 1 自分の居場所 2 蛍 3 走る少年 4 さまよう親 5 マンゴーシャワー 6 シクラメン 7 空のにおい 8 扉 9 普通の子 10 卒業 あとがき 著者略歴 [担当からのコメント] 本作を読むと、子どもやその保護者が抱える悩みが実に多様であり、それゆえに学校の先生に課される課題や責任も多大なものなのだと改めて実感します。しかし一方で、先生という立場だからこそ味わえる感動があることも本作は教えてくれます。軽やかな文体でありながら、学校現場のリアルを丁寧に描いた本作。現役の先生はもちろん、将来先生になることを目指して勉強に励む学生さんにもぜひ読んでいただきたい1冊です。 [著者略歴] おにつか るみ 1951年福岡県田川郡生まれ。三重大学教育学部卒業。現在、京都府の小学校で講師(障害児学級)をしながら、執筆活動。 著書に『さとこ先生のホームルーム』(新日本出版社)、絵本『赤いランドセル』(文芸社)
[商品について] ーあなたの近所にも、「北川家」はいるかもしれないー 仕事に対する気力がなく、コンビニ店員のパートに甘んじている北川健司は、学生時代の同級生、恵梨香といわゆる「できちゃった婚」を果たす。夜の仕事で一家の生活費を稼ぐ一方、家にいないことが多く気性の荒い母と、常識や知恵がなく十分な稼ぎも得られない、かといって育児もままならない父。そしてそんな両親のもとに生まれた息子の洋。この北川家に襲いかかる課題やトラブルを見ていくと、日本社会の抱える問題点が次々と明らかになる。--市井に生きる一家の日常を通して、現代日本の政治的な課題を浮き彫りにした挑戦的な小説。 [目次] はじめに 第1章 すべて私のおかげ 第2章 虐待からいじめに 第3章 拾ってきた犬 第4章 魅力ある街づくり 第5章 近所のもめごと 第6章 木のない家 第7章 みんなで節電しょう 第8章 助け合う隣組 第9章 子供をだめにする子育て 第10章 夏休みはなくしてほしい 第11章 地域の子供はみんなで育てる 第12章 学費なしで、遊んで暮らす 第13章 両親の離婚 第14章 馬鹿な子供ほど可愛い 第15章 楽な就活 第16章 社員の躾 第17章 安らぎの場所 第18章 親父に愛人がいた 第19章 どうする親の遺産相続 第20章 路上生活 終わりに 著者略歴 [担当からのコメント] 親からの十分な教育を受けなかったために、大人になる過程で多くの苦労を背負うことになる息子・洋の様子などを描いた本作を読むと、お金を配るだけの表層的な子育て支援では十分でないことを痛感します。みんなが幸せに暮らせる社会とはどんな社会なのか、そのことを考える上で多くのヒントをくれる1冊です。 [著者略歴] 薄井 宏彬(うすい・ひろあき) 大阪市生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学)(ドイツ経営学専攻)を卒業し、伊藤忠商事入社。入社後、海外研修生として、ドイツのケルン大学留学(ドイツ経済論専攻)。ドイツ、スイス駐在などを経て、2001年11月IT Corporation創立、2002年4月創業。 現在、会社経営のかたわら、エッセイストとして、会社/社員研修、学校/図書館/全国自治体、文化センター/カルチャーセンターなどでセミナーや講演活動中。
[商品について] ーこころから愛するすべてのものたちへー 生声に 涙止まらず 母となりしや 子の幸せを 願うばかりし 探したる 四葉見つけし 幸せの 願いを込めて 本にはさむや 七夕の 短冊飾り 願いしや 平和を信じ 今を生きたる 柿を取り 干し柿作り 思い出す 母の手作り 懐かしい味 (本文より) 家族、自然、命、平和…。そんなこの世のすべてへの讃歌を、いま届けたい。--かけがえのない瞬間と大切な人への等身大の想いを詠った短歌に加え、幼い頃の息子あっくんが春夏秋冬の自然や動物たちと育んだぬくもりの日々を描いた童話「あっくんとまほうの庭」を収録。こころにあたたかな火を灯す短歌・童話集。 [目次] 「あっくんとまほうの庭」 プロローグ 春 初夏 夏 秋 冬 エピローグ 短歌 著者メッセージ [担当からのコメント] 本書に収録された「あっくんとまほうの庭」は童話ではありますが、自然や動物たちとお話しするあっくんの姿には心がほっこりと温まるような安らぎを感じます。お子さんと読むのももちろんおすすめですが、日々仕事や家事などで心が疲れてしまいがちな方にもぜひ読んでいただきたい一書です。 [著者プロフィール] 大森 富士子(おおもり ふじこ)
[商品について] ー私、とても幸せでした。身麿さまを知ってから、ずっと。- 76歳の身麿は完成したばかりの真間の継橋を渡り、その喜びと感動を感じていた。この真間の地に立派な橋を架けることこそが彼の長年の夢だと知っていた身麿の息子・麻呂は、完成した橋をじっと眺める父からある話を聞く。それは、かつて彼がこの橋の完成を約束した、ある少女の話だった。--「万葉集」において、山部赤人や高橋虫麻呂らによって歌が詠まれている美女、手児奈(てこな)。その美貌から様々な逸話が残されている手児奈だが、本書はそんな彼女を巡る美しくも儚い愛の物語を瑞々しい筆致で書き綴った古代ロマンス小説である。 [目次] 継橋の完成 真間に国衙を 狩の朝 恋心 刺客 手児奈の夢 人間模様 暗雲 都をはなれて 手児奈の入水 著者略歴 [担当からのコメント] 日本には、その地域に根づいた逸話や伝説などが数多く残されていますが、本書のテーマとなっている「真間の手児奈」もその一つです。古代日本の空気を感じつつ、いつの時代も変わらない人間の愛の尊さを本作から感じ取っていただければ嬉しく思います。 [著者略歴] 中津攸子(なかつ・ゆうこ) 東京都台東区浅草に生まれる・東京学芸大学卒・日本ペンクラブ会員・大衆文学研究会会員・俳人協会会員・竹早教員養成所講師・NHK文化センター古典講師 著書『万葉の悲歌』『かぐや姫と古代史の謎』『戦国武田の女たち』『万葉集で読む古代争乱』『小説松尾芭蕉』『天平の望郷歌』(以上新人物往来社)『ジュニア版 市川の歴史』(市川よみうり新聞社)『こんにちは中国』(器書房)『葛飾を歩く』(NTT出版)『インドネシア旅行記』(市川市メダン市姉妹都市協会)『観音のあるまち行徳・浦安』(中山書房)他。
[商品について] ー「今僕が失いたくないものは何なのか……」- 中学卒業まで壮絶ないじめを受けていた矢島健一は、高校で太陽のような少女、沢野まひると出会う。固く閉ざされた健一の心にやさしく寄り添うまひると、彼女のおかげで少しずつ自分を取り戻していく健一。やがて二人は互いに惹かれ合うが、そんな矢先、まひるが不慮の事故により命を落とす。--それから5年の月日が流れ、健一は二十歳を迎えていた。かつて自分を苦しめた中学のクラスメイトとの再会、そしてまひるをつい重ねてしまう女の子、京子との出会い。京子を選ぶことは、まひるを忘れることなのか……。悩み、傷つき、もがきながら、健一は大人への階段を一歩ずつ上っていく。 [目次] まえがき 1 6年目のその日 2 6年目のクラス会 3 心を砕く言葉 4 和みの時間 5 あこがれと恋の間で 6 交錯する思い 7 絶望の淵から 8 ときめきの時間 9 策略と葛藤と誘惑と 10 酒と酒樽 11 気付いた心 12 思い出をたどりながら…… 13 約束から誓いへ 終章 つながる時間、つながる思い あとがき 著者プロフィール [担当からのコメント] 高校時代に、恋人であり恩人でもある少女を失った主人公、健一のその後を描いた一作となっています。前作から続けてお読みいただくのがおすすめですが、本作では愛する人を失った主人公の葛藤と成長の様子が丹念に綴られておりますので、本書から読み始めても充分にお楽しみいただけるはずです。ぜひご一読ください。 [著者プロフィール] 潮 史晶(うしお ふみあき) 会社員 60歳 著書に『君との約束』(2015年、文芸社)がある
[商品について] ーやり直すんじゃないわ。これから始めるの。- 正式な天使となるための最終試験に落ちた修行中の天使・フェリス。彼女はその罰として、地上界に人間として堕とされてしまう。その際、老天使が彼女に与えた試練は「1000人の人間の夢を叶えよ」というものであった。--人間・洋子として生まれ変わったフェリスの中に眠る衝撃の過去とは。そして同じように地上に舞い降りた悪魔・ラルフとの出会いを経て、彼女が最後に選び取った運命とは。壮大なスケールで展開する物語を通して、人間にとっての本当の幸せとは何かを問うた力作の長編小説。 [目次] 第0話 千人夢 第1話 花のように 第2話 永久に愛しき人と 第3話 幸福交換 第4話 栄光の結末 第5話 神と悪魔だけが 第6話 その身を犠牲にして 第7話 死なせて・・・ 第8話 失われた過去の先に 第9話 すべての始まりと別れと 第10話 力を与えるものは 第11話 再会と希望と絶望と別れ 第12話 審判と粛清と 第13話 帰るべき場所へ 第00話 新たなる歴史へ 著者略歴 [担当からのコメント] 人間の願いを叶える天使の物語。そう思って読み進めていくと、ストーリーは次第に思わぬ展開を迎え、ついページをめくる手が止まらなくなってしまいます。私たちの身近にあるような人間ドラマと、まるで映画を見ているような壮大な映像イメージが折り重なる本作、ぜひじっくりとご堪能ください。 [著者プロフィール] 潮 史晶(うしお ふみあき) 会社員 60歳 著書に『君との約束』(2015年、文芸社)がある
なぜ動物を大切にしなくてはいけないの? 目が覚めたジュンちゃんは、真っ白な毛に覆われた犬の姿になっていたのでした。 タローの言葉がわかるようになったジュンちゃんは、人に捨てられた犬たちと不思議な世界を旅します。 ジュンちゃんとタローは一体どうなるのでしょうかー。 この作品はフィクションではあるものの、言葉を話せない動物の立場を疑似体験できる物語。 子どもに是非とも読ませたいファンタジー。 目次なし
[商品について] ーその宝石が、人の本性と愛を暴くー 高校で英語を教える29歳の敬太はある日、マンネリ化した日常から逃れるように、長期休暇を利用してタイへと旅立つ。トゥクトゥクでの移動や、バンコク市内の寺院巡りなど、束の間のひとり旅を楽しむ敬太だったが、帰国後に高値で売れるという現地の店員の甘い言葉に乗せられ、ある宝石店で30万円相当の宝石セットをつかまされてしまう。その夜、ホテルで冷静になった敬太は、騙された金を取り返すことを決意するが、それは後に恋人の亜希子をも巻き込む一大事件へと発展してしまうのだった。--人間に潜む善悪や欺瞞、そして愛の行方を緻密に描いたスリリングな推理&ロマンス小説! [目次] Trip to Thailand タイ旅行 Encounter with seemingly kind guys 親切そうな人たちとの出逢い Visit to temples 寺院巡り Tailor shop 洋服店 Trimuk Palace トリムク宮殿 Another tailor shop 別の洋服店 Wat Bovonniwet ワット・ボウォニウェート Jewelry shop 宝石店 Paying cash 現金払い Back to hotel ホテル到着 Nightmare 悪夢 Consultation with hotel staff ホテルスタッフに相談 Bound for Ayutaya アユタヤへ出発 Ayutaya Remains アユタヤ遺跡 Akiko in Japan 日本にいる亜希子 Go to police with hotel staff ホテルスタッフと警察へ Consider tailor 洋服屋への思い Snake Show スネイクショー Direct talk to tailor 洋服屋との対話 Specific talk to hotel staff ホテルスタッフとの具体的な話 Tourist Police 観光警察 A day before Keita's departure 敬太の出発前日 Leave Bangkok タイ出国 At the Airport of Bangkok バンコクの空港にて Talk to Akiko 亜希子と会話 Talk to Akiko and exchange e-mails with hotel staff 亜希子と会話、ホテルスタッフとメール交換 Keita chats with his colleague about Bangkok 敬太、バンコクについて同僚とおしゃべり Consult with Akiko about the case 事件のことで亜希子に相談 Akiko Talks to her father about the trip 亜希子、父と旅行の話 Travel to Thailand again 再びタイ旅行 Meet hotel staff again ホテルスタッフと再会 Go to jewelry shop with Tourist police 観光警察と宝石店へ Go to police station 警察署へ Consult with the underground organization 闇組織との協議 Posture of hotel side ホテル側の姿勢 Akiko goes to jewelry shop 亜希子、宝石店へ Letter from mafia マフィアから手紙 Phone call from mafia マフィアからの電話 Akiko in a secret room 密室の中の亜希子 Endeavor to solve the case 事件解決への努力 Body massage ボディマッサージ The end of the case 事件の結末 著者略歴 [担当からのコメント] 本書は、異国の地で詐欺事件に巻き込まれてしまった男の冒険ともいえる数日間を描いた小説ですが、その隅々にはタイの風景や社会の様子が鮮やかに綴られています。海外で悪に立ち向かう主人公の姿と、タイという国のリアルな空気感を全身で感じ取っていただける一作です。 [著者プロフィール] 上西 幸治(うえにし こうじ)
[商品について] ーマンションは、世の中の縮図だー マンション管理士を務める北山のもとには、今日も頭を悩ませるトラブルが次々と舞い込む。独裁的な理事長体制には嫌気が差していたものの、いざ輪番制になると役員の就任を拒否する住民たち。自身の出世のためには今すぐマンションの大規模修繕工事を遂行したいはずなのに、なぜか急に「工事に関する議案は一旦取り下げたい」と言い出す管理会社フロントの男。理想のマンションを語るのに、どういうわけか吉見百穴の話を始める相談者……。マンションを取り巻くあれやこれやに懸命に立ち向かうマンション管理士、北山を主人公にした短編集、待望の第5弾が登場! [目次] 一 輪番制の幻想 二 僧源信母の手紙 三 シンギュラリティ 四 無為自然 五 小樽運河 著者略歴 [担当からのコメント] 私たちの生活に欠かせない三大要素、衣食住の「住」に大きく関わるマンションですが、そこで巻き起こるさまざまなトラブルやドラマが描かれた短編集です。マンションに住んでいる方、管理人や清掃員など、マンションに関係する仕事をしている方にとっては、面白くてためになること間違いなしの1冊です。 [著者略歴] 庵名路久(あんな・みちひさ) 1953年 宮城県仙台市出身。本名・船山弘美。 1977年 東北大学法学部卒業。 囲碁研究家。 北海道庁勤務後、作家活動に入る。
[About the product] Beyond the tracks, at the end of a fleeting journey, and past the land of blessed waters-what do they see, and what do we feel? A multitude of overlapping worlds, each existing with and alongside people, weave together over time. In these depths, a current flows, sometimes stirring the silt from the bottom. This collection presents seven paired stories that delve into such intertwined lives. [Contents] (1) THE BOY AND THE RAILROAD TRACKS (2) MAGIC DAY (3) THE BOYS AND THE MONKEYS (4) MY FRIEND, THALES (5) THE OLD MAN WHO IS AFRAID OF CHILDREN (6) A MONK’S WISH (7) THOSE WHO OPEN UP THE WASTELAND COMMENTARY [AUTHOR'S INTRODUCTION] [Comments from the Editor] Even if we liken life to a single road, that road may be chaotic, like a bustling boulevard of an ancient capital, filled with cars and people, with clouds of dust rising into the air. Along this path, we get lost, turn back, and repeat the same actions among the crowds-just as we do today. And perhaps in the future, we will continue to do the same. When you find yourself caught in such thoughts, take a moment to focus on the deep, flowing current that lies beneath the surface of this book. [Author's Introduction] Akitoshi Sone Born in Kobe in 1942. Representative of Thales, a general art studio. After working as a newspaper reporter, opened ""Ama deus"" in Motomachi, Kobe in 1987. In 1991, in the year of Mozart's death, he founded the ""Association for the Construction of a Mozart Statue in the 200th Anniversary of His Death."" On November 2, 1991, a Mozart statue 200 years after his death was erected in Kobe's Old Settlement Park, and the Austrian Ambassador to Japan was invited to the unveiling ceremony. In 2007, he has organized the Kobe Classical Music Festival, and in 2013 the Amadeus Minor Concerts. In 2011, he published a book titled ""Koyomi Sen-nen no Kodoku (Calendar Thousand Years of Solitude)"". Currently resides in Hyogo Ward, Kobe City.
『テス』に隠された双面神ヤヌスー。 19世紀のイギリス文学を代表する小説の一つトマス・ハーディ作「ダーバヴィル家のテス」。 ーヒロイン・テスの悲劇的な一生を描いた本作は、なぜか「門」や「出入口」などへの言及が多い。 テスの運命を翻弄する二人の男の名前、クレアとアレックは、よく見ると一字違いのアナグラム(字句の入れ替え)。 ーこれらは何を意味するのか? 筆者はそこにローマ神話の双面の門神ヤヌスの隠れた存在を見抜き、ヤヌスを鍵にして物語を読み解いていく。 ギリシア・ローマ神話や聖書や、シェイクスピアやミルトンなど、西欧文化史を彩る多様な成果を縦横に駆使しながら、入念に織り上げたテクスチュアから立ち現れてくる、秘められた花にも似たテスのドラマをご覧ください。 [目次] 『ダーバヴィル家のテス』梗概ーー未読の方々のために 序章 コードとしてのローマ建国伝説とヤヌスの神話 (1)『テス』と西欧文化史 (2)『縛られたプロメテウス』から『アエネイス』、『ルークリースの凌辱』へ (3)『金枝篇』とヤヌスの神話 第1章 名前の〈二重性〉とアイデンティティ (1)ヤヌスとしてのクレアとアレック (2)「自身(セルフ)」をめぐる関係性の劇とアイデンティティ 第2章 アレックによるアイデンティティの分裂とヤヌスの影 (1)冥界の地獄タルタロスへ (2)冥界からの帰還を願って 第3章 クレアによるアイデンティティの分裂とヤヌスの影 (1)冥界の楽園エリュシオンの野へ (2)ふたたびタルタロスへ 第4章 悲劇の構造としてのヤヌス (1)プルトの王国にて (2)〈青鷺〉の町アルデアにて 第5章 復讐の政治学と魂の救済 (1)〈命名〉によるアイデンティティの支配と復讐 (2)ヤヌスの神話と楽園喪失・回復神話による〈戯れ〉と〈救済〉 注 引用文献(参照文献を含む) あとがき 電子版に寄せて──ヤヌスは顕現する 著者紹介
【2022年に発刊された『潮の音ーー生と死の季節、夏の海辺の町で』の改訂版です】 ー何の前触れもなく、その幻は現れたー 西伊豆の海辺の小さな町。定年を間近に控えた高校教師の邑井は、夏も終わりに差し掛かったある日、30年前に亡くなった教え子・駿一の姿を幻のように目の前に見る。希望に満ちた未来を夢見ていた駿一を襲った事故。夫を亡くし、女手一つで息子を育て上げた母。そしてそんな親子を襲ったあまりに悲しい結末ーー。自身の教員人生を振り返る傍ら、そんな忘れがたい駿一親子に切実なる思いを馳せる邑井がたどり着いた想いとは。過ぎ去った日々の記憶を手繰りながら、生と死を見つめた男の感動の物語。 [目次] 突然の来訪 父母面談 交通事故 駿一の話 美枝子 山月記 卒業式 家庭訪問 転勤 教員生活 職員会議 教員仲間 別れ 戸田再訪 海が鳴る 倭文の苧環 潮の音 著者略歴 [担当からのコメント] 本作は、ある教え子の記憶を通して、生と死を見つめる主人公の心情を克明に描くと同時に、多感な時期を生きる子供達と向き合ってきた一人の教師の軌跡を辿った物語でもあります。自身も国語科教員として教壇に立った経験を持つ著者が綴る教師と生徒の心の物語を通して、ぜひ教育の価値や本質と向き合ってみてください。 [著者略歴] 田村英敏 一九四四年(昭和19)静岡県湖西市に生まれる。 京都大学文学部卒業後、国語科教員として静岡県の県立高校に勤務。一九八五年(昭和60)から二年間、日本語講師として上海外国語学院(現上海外国語大学)に派遣される。 教え子の手ほどきで剣道を始め、現在、剣道七段。 著書に『合歓の花咲くころ』(新風舎)、『潮の音ーある鎮魂歌ー』(文芸社)、『上海余音』(文藝書房)がある。 静岡県藤枝市在住。