出版社 : NHK出版
昭和という激動の時代、福島の老舗呉服店の跡取りとして育った主人公・古山裕一は、たび重なる挫折を経験しながらも、音楽への夢を膨らませていく。やがて行動力にあふれる運命の女性・音と出会い、二人は夫婦に。個性豊かな周りの人々を巻き込みながら、裕一と音は二人三脚で、人々の心に寄り添う数々のヒット曲を生み出していくー。少し気弱で天才肌の作曲家の夫と、行動力にあふれる明るい妻が織りなす、波乱万丈な物語。第1週〜第十三週の放送台本をもとに小説化。
ユゴーの『ノートル=ダム・ド・パリ』は神話や叙事詩に似た「開かれた構造」を持つ「神話的小説」です。その前近代的な構造にもかかわらず、二十一世紀に生きる私たちにも訴求する超近代的な人間ドラマが展開し、現代を予言するようなテーマも描かれています。映画の手法をも先取りした幻視者である天才によって書かれた、驚嘆すべき快作なのです。
アニメーションにしかできない表現を求めてーアニメーターへの憧れを胸に上京し、アニメーション制作の現場へ飛び込んだ奥原なつ。生き別れた家族との再会や人間味あふれる新宿の人々との出会いを経て、個性豊かなアニメ仲間たちと切磋琢磨しながら女性アニメーターとして成長していくー。夢と冒険、愛と感動のドラマ、ここに堂々完結!
製菓会社に寄せられた一本のクレーム電話。広報部員・岸はその事後対応をすればよい…はずだった。訪ねてきた男の存在によって、岸の日常は思いもよらない事態へと一気に加速していく。不可思議な感覚、人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない鳥。打ち勝つべき現実とは、いったい何か。巧みな仕掛けと、エンターテインメントの王道を貫いたストーリーによって、伊坂幸太郎の小説が新たな魅力を放つ。
戦争で両親を失った奥原なつは、9歳のとき、北海道・十勝で牧場を営む開拓民の家族に引き取られ、広大な自然と、開拓者精神にあふれた強く優しい大人たちのもと、たくましく育っていく。やがて、成長したなつは、十勝で育まれた豊かな想像力と開拓者精神を生かし、当時まだ「漫画映画」と呼ばれていたアニメーションの世界へチャレンジするー。
仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か?なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?罪と罰、正義が交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実ー。