出版社 : twililight
トワイライライトトワイライライト
きっと誰もが、この物語の中にいる。福島県から上京し、三軒茶屋でひとり暮らしをはじめた大学生・森谷未明。ある日、思い切って本屋「twililight」に入ったことから、未明の生活は変わっていく。友達と出会い、夜の街を歩き、初めてお酒を飲む。そして、恋をする。twililightの屋上から眺める夕暮れに染まる三軒茶屋、未明は何を探し、何を見つけるのか。
インディアナ、インディアナインディアナ、インディアナ
切れぎれの回想、現在のノアの心理、オーパルからの手紙、ノアの父ヴァージルや母ルービーをめぐる一連の奇妙な逸話…。事実は見えなくても、ノアの胸に満ちる強い喪失感は、一ページ目からはっきり伝わってくる。その静かな哀しみが、ノアと猫たちとのどこかとぼけたやりとりや、ノアの父親ヴァージルのやたらと衒学的な物言いなどから浮かび上がる淡いユーモアと絶妙に混じりあい、それらすべてが、文章教室的規範から逸脱することを恐れない自在の文章で語られることによって、この作品を、昨今の小説には稀な、とても美しい小説にしている。(訳者・柴田元幸)哀しみを抱えるすべての人へ。2006年刊行の「とても美しい小説」を復刊。
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