1963年11月発売
総会屋錦城総会屋錦城
直木賞受賞の表題作は、株主総会の席上やその裏面で、命がけで暗躍する、財界の影武者ともいえる総会屋の老ボスを描く評判作。ほかに交通事故の時だけタクシー会社の重役の身代りで見舞いや弔問にゆく五十男の悲しみを描いた『事故専務』をはじめ、資本主義社会のからくり、陰謀などを、入念な考証に基づき、迫力あるスピード感と構成力で描く本格的な社会小説7編を収める。
更級日記更級日記
一地方官の娘として育った作者が、父につれられ京へ上る時の紀行から始まり、『源氏物語』を手にして「后の位も何にかはせむ」と、几帳の蔭で読み耽った夢みがちの少女時代、そして恋愛、結婚、夫との死別、50代のわびしい一人住いを綴って日記は終っている。全盛期の平安時代が次第に翳りをおびてくる、そうした社会に生きた一人の女性の記録。
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