1982年7月27日発売
新樹の言葉新樹の言葉
麻薬中毒と自殺未遂の地獄の日々から立ち直ろうと懸命の努力を重ねていた時期の作品集。乳母の子供たちとの異郷での再会という、心温まる空想譚のなかに再生への祈りをこめた『新樹の言葉』。“男爵”と呼ばれる無垢な男と、昔その家の女中で今は大女優となっている女性との恋愛譚『花燭』。ほかに『懶惰の歌留多』『葉桜と魔笛』『火の鳥』『八十八夜』『老ハイデルベルヒ』など全15編。
泥流地帯泥流地帯
大正15年5月、十勝岳大墳火。突然の火山爆発で、家も学校も恋も夢も泥流が一気に押し流してゆく…。上富良野の市街からさらに一里以上も奥に入った日進部落で、貧しさにも親の不在にも耐えて明るく誠実に生きている拓一、耕作兄弟の上にも、泥流は容赦なく襲いかかる。真面目に生きても無意味なのか?懸命に生きる彼らの姿を通して、人生の試練の意味を問いかける感動の長編。
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