1987年9月30日発売
龍を見た男龍を見た男
天に駆けのぼる龍の火柱のおかげで、見失った方角を知り、あやうく遭難を免れた漁師の因縁(表題作「龍を見た男」)。駆落ちに失敗して苦界に沈んだ娘と、幼な馴染で彼女をしたう口がきけない男と心の交流(「帰って来た女」)。絶縁しながらも、相手が危難の際には味方となって筋を通す両剣士の意地(「切腹」)。その他、市井の人々の仕合せと喜怒哀楽を描いて卓抜な技倆を示す傑作時代小説集。
スターヴェルの悲劇スターヴェルの悲劇
スターヴェル屋敷が焼失し、主人と召使夫妻の焼死体が焼け跡から発見され、金庫の中の紙幣が大量に灰になるという事件が起こった。微かな疑問がもとで、スコットランドヤードからフレンチ警部が乗り出すことになった。だが、フレンチの懸命な捜査を嘲笑うように、事件は予想外の展開を見せるのだった。クロフツ初期の傑作として名高い作品の完訳。
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