1988年2月1日発売
野獣たちの熱い夜野獣たちの熱い夜
小柳丸雄は産婦人科医。近所で評判の開業医だが、好色なのがタマにキズ。ある日の昼休み、待合室でぼうっとしていた小柳のもとにその女性はやって来た。小柳は女の顔を見てびっくり。彼が大ファンの有名女優そっくりだったのだ。持ち前の好色がムクムクと頭をもたげてきた小柳は、診察にかこつけてスキ放題。ついにはSM道具まで持ち出した。だが、女が妻のお茶会での相弟子だったからサァ大変。しかしそこは一筋縄ではいかない小柳。こともあろうに自宅の茶室で妻を目の前にして…。人妻から中学生まで、診察室を訪れる美女たちとの“獣の宴”の数々を描く、連作長篇官能小説。
天の子天草四郎天の子天草四郎
鎖国政策によって「交易収入」を断たれた唐津島原両藩は凶作に苦しむ民百姓から「妊婦を水牢に投げ込むほどの地獄の取立て」を断行する。幕閣の要人はそれを知って糾明するが、高額のワイロがばらまかれると口を噤む。長崎から帰った15歳の学究天草四郎は非道の政治に命を捧げて抵抗する決意を固めた。島原の孤城に押し寄せる25倍の大軍迫りくる智謀松平伊豆の牙-。
長く素晴らしく憂鬱な一日長く素晴らしく憂鬱な一日
今夜も「ですですだはだは」と、酒場への階段をおりる、新宿派文筆業者は、日常茶飯的大事件をするどくブンガクするのだ。-ブルータス連載『明日は明日の風よ吹け』に、著者撮り下ろしの写真も入った比類なき東京小説。