1988年発売
現実と夢の間をさ迷う、純白のウェディング・ドレスの少女メラニー。血染めのドレスに暗示される、両親の突然の死。メラニーは、奇怪な玩具店の経営者、繰り人形に異常な執着を示す叔父フィリップの欲望に巻きこまれていく…。性の目覚めとそれに伴う様々な喪失。少女の成長の痛みを鮮烈に捉えた、いまイギリスで最も注目を集めているアンジェラ・カーターの意欲作。
本書は、徳富蘆花「不如帰」泉鏡花の「婦系図」夏目漱石の「坊ちゃん」森鴎外の「雁」尾崎紅葉「金色夜叉」菊池寛「父帰る」樋口一葉の「たけくらべ」谷崎潤一郎の「痴人の愛」などの明治大正の名作と呼ばれている近代古典の代表的な作品を八つ選び、それをパロディにして推理小説化したものである。
コマンドゲームの最中、突如現われた黒ずくめのライダーに“幽弾”で撃たれ、『幽界レベル1』へ送り込まれた田村省平。そこで長老・大友宗之介から、暴力団太平組の殱滅を命じられる。それは、総長・白藤安右衛門に4億円の遺産を騙し取られたうえ犯され、殺された松尾絹江の怨霊の依頼だった。現世へ戻るべく、復讐を誓った省平は、グリンベレー教官・龍池青児の肉体に幽体離脱し、白藤邸に乗り込む。だが、替玉作戦にひっかかり、あえなく失敗。そのころ、青児の自宅では妻と娘が連れ去られ、戦いは凄絶なクライマックスを迎えるが…?
タイ領事館に勤務する親友から、黄金の三角地帯で消息を絶った大物財界人の娘、由香の捜索依頼を受けた和智耕造はタイの奥深い村へ潜入した。手懸りを求め、行動を開始した耕造は誘拐事件の背後に蠢めく陰謀に巻き込まれる。麻薬の利権を巡る国民党と麻薬王クン・サーの確執。そして内部反乱とアメリカ連邦麻薬取締局(DEA)工作員の謀略。由香を拉致した目的とは?真実を知った耕造の怒りの殺戮が始まった。
超売れっ子タレント須磨屋いわしが何者かに拉致された!カルくて調子はいいが、笙子には気になる男。なんと、いわしの恋人照美は次期総裁最有力候補の娘だったが、彼女も行方不明に…。各派しのぎを削る激烈な総裁選。暗躍する大物政治家。美人警視が政界の深部に潜入し、巨悪を斬る!ますます好調、待望の第10弾!
出石藩仙石家の変人武士、白鳥大三郎と一柳主税は、美貌の娘二人を助けた。藩主の御落胤のお墨付を持つ袖姫と待女・糸枝。4人は、主家乗っ取りを企む一派が起こしたお家騒動をのがれ、江戸へ向け珍道中に出発!
男と女。短い出会い。長いお別れ…。いま、N.YよりもL.Aよりも、この六本木にはホットで洒落た物語が転がっている…。青春エンタテインメントの旗手があなたに贈る、お洒落なストーリー。
偶然に教会で出会った10人の男女がそれぞれ1話ずつ10日間話した100の物語。間男が扉をたたく合図の音を聞きとがめられ、幽霊だと夫をごまかしたり、夫の帰宅に間男をあわてて樽の中に入れ、中をたしかめている買主だとだまし、夫に男を送らせるなど、浮気をごまかすために数数の知恵を働かす妻たち。逆に女をだましてものにする司祭や修道院長たち。だましだまされ、虚々実々の人間模様がつぎつぎに展開されて、大団円へ。
「鏡の国」は「不思議の国」の7年後に書かれた物語である。「不思議の国」にくらべ、透明感は増し、言葉遊びの意味は深まり、物語全体が「チェス盤」の上で進行するという特異な構成となっている。より論理性が強調された「鏡の国」は、キャロルの数学者としての面目を示し、物語の完成度も高いといえる。言葉遊びと論理の展開に充分の配慮をした、新たな日本語訳の誕生である。
筋骨逞しいローマ帝国軍団兵士カスカ。十字架上のイエスに槍を突き上げた彼は,罰として死ぬことのできない身体にされてしまう。しかも、つねに戦いつづける存在として…。平安を願いながらも、奴隷、剣闘士、傭兵と、さまざまに身分は変わり、苦しみに満ちた永遠の生を送らなければならないのだ!虚無を見つめ、歴史をめぐる戦士を描いた異色作。
季節は冬。キャットマンの脅威は去ったが、アンドリューとカリスタの新しい生活は、けして容易なものではなかった。地球人とコミンのあいだの壁のみならず、彼女の深層心理に刻みこまれた〈監視者〉ゆえの壁があったのだ…さらに、アンドリューに敵意を抱く、オルトン家の私生児ディージの存在。ヒューゴー賞候補となった、『カリスタの石』続編。
アリリンの権威者レオニーに、〈塔〉の掟に律された〈監視者〉の悲劇を訴えるデーモン・ライドナウ。が、あくまでも頑なな彼女は、彼ら4人が〈上界〉につくりあげた〈禁断の塔〉を〈監視者〉の掟に背くものと断じる…。〈監視者〉に、ありうべき姿を取り戻さんと抵抗するデーモン。未来をもたらすのは、果たしてアリリンか、〈禁断の塔〉か。
鎌倉署の二階堂警部の妻・日美子はタロットカード占いの名手だ。高校時代の同級生が日美子に占いの依頼のために相次いで訪ねて来た。南米に旅立つ商社社長を父に持つ川島恭子、証券会社支店長が父の藤村和江の二人だが、恭子の父は旅先の南米で、和江の父はジョギング中に海岸でそれぞれ非業の死を迎えた。その後も写真館の主人、幼稚園園長、不動産業者と死者が続出した。それらの死者は江の電に面した駐車場の周囲に縁のある者ばかりで、死因はそれぞれ犯罪の臭いが濃厚だった。日美子は友人が関係していることもあって、得意のタロットカードを駆使して行動を開始した!長篇推理小説。