1988年発売
外資系商社社長の秘書を務める和美は、独身主義者と噂され、仕事の面でもやり手の副社長・奥村と熱い恋におちる。一方、長く深くつき合って来た浩一の存在もあった。そして、奥村と仕事の両面で、解決多難な出来事に遭遇する。その後、奥村は社長との争いのすえ、オーストラリアにとばされる。和美はその社長と副社長との確執の中身の真実を知った。そして、和美の愛にとって決定的な事実も。誤解と迷いの中から彼女は新しい人生へ。
美しき水の都マンチス。だが観光気分で来たわけじゃない。阻う獲物は俺の爺っちゃま、ルパン一世の恋の形見、ヴィーナス像だ。しかし、この彫刻、ただのお宝じゃあなかった。突然現われた小生意気な若僧に俺の計画はみーんな見抜かれていやがった。「ホームズ家の名誉にかけて、ヴィーナス像は渡さない!」なんと、そいつはかの名探偵、ホームズの孫だったんだ!畜生、作戦の立て直しだ。次元や五右衛門も探さなきゃなんねェ。さあ、名探偵対大泥棒の大勝負が始まるぜ!
20年にわたる暴力と謀略の世界に別れを告げ、FBIを辞めたピート・ケッターは静かな町カスケードへ帰ってきた。法律家として再出発し、平穏な生活を送ることを夢みて。だがー次々と女性が殺されるという事件に彼の夢は破られた。一見穏やかな故郷の荒廃に気づいたピートは、姿なき殺人者を追ううち、捨てたはずの「狩人」としての情熱の甦りを感じていくー。苦悩する男の変貌を息子との交情を通じて描く、新鋭ウイルツの人間ドラマ!
引退したギャングのボス、フランク・ディシリアが死んだ。未亡人カレンには、400万ドルとフロリダの豪邸が遺された。ただし、条件があった。フランクは、カレンが浮気しないよう遺産管理者に命じて、彼女に近づく男たちを脅迫するようにしたのだ。そこへ2人の男があらわれた。用心棒ローランドと流れ者のマグワイア。400万ドルとカレンの魅力に目がくらんだ男たちが火花を散らす、これこそまさしくレナードの真髄、人間味あふれる悪党たちの物語だ。
ヒューストンの広告会社ランガー・メディア社で映像技師がむごたらしい刺殺死体で発見された。技師は殺される数時間前に戦争カメラマンからあるビデオカセットを受け取ったがそれは現場から消えていた。戦争カメラマンは戦場の暴力シーンをビデオに収めるのが得意な男だった。長期休暇中のヘイドン刑事は同僚から現場復帰を誘われこの事件を担当。捜査を進めるヘイドン刑事の前に、暴力に憑かれた異様な男の姿が浮び上がった…。
小柳丸雄は産婦人科医。近所で評判の開業医だが、好色なのがタマにキズ。ある日の昼休み、待合室でぼうっとしていた小柳のもとにその女性はやって来た。小柳は女の顔を見てびっくり。彼が大ファンの有名女優そっくりだったのだ。持ち前の好色がムクムクと頭をもたげてきた小柳は、診察にかこつけてスキ放題。ついにはSM道具まで持ち出した。だが、女が妻のお茶会での相弟子だったからサァ大変。しかしそこは一筋縄ではいかない小柳。こともあろうに自宅の茶室で妻を目の前にして…。人妻から中学生まで、診察室を訪れる美女たちとの“獣の宴”の数々を描く、連作長篇官能小説。
鎖国政策によって「交易収入」を断たれた唐津島原両藩は凶作に苦しむ民百姓から「妊婦を水牢に投げ込むほどの地獄の取立て」を断行する。幕閣の要人はそれを知って糾明するが、高額のワイロがばらまかれると口を噤む。長崎から帰った15歳の学究天草四郎は非道の政治に命を捧げて抵抗する決意を固めた。島原の孤城に押し寄せる25倍の大軍迫りくる智謀松平伊豆の牙-。
今夜も「ですですだはだは」と、酒場への階段をおりる、新宿派文筆業者は、日常茶飯的大事件をするどくブンガクするのだ。-ブルータス連載『明日は明日の風よ吹け』に、著者撮り下ろしの写真も入った比類なき東京小説。
歴史の激しい息使いが聞こえてくる!巨大な時代の波涛の中斬る男。斬られる男たち!局長芹沢鴨の背後で暗躍する男とは…悲業の最後を遂げた男の新たな人間像に迫る異色の大型時代小説。
「今、君にキスしたら、多分、君を不幸にするかもしれない」謎めいたセリフを残したままフィアンセの宙太からはナシのツブテ。星子、浮気心がムズムズ!そんな時、宙太から結婚式を挙げたいと電話がきた。ところが、春之介の予知によると、宙太のフィアンセがあとふたりいるという。真相を確かめに、原宿の宙太のマンションに向かう星子に前に、殺人事件の幕が切って落とされようとしていた!
あたし、水島秋。これでも池猫中学探偵同好会の会長よ。『乙女心はハードボイルド』事件なんてのも解決しちゃったことあるのよ。(読んでくれた?)それに、あたしのBF気どりの三崎圭介ってエッチマンと、気まじめ人間の長島くんっていう部下だっているの。そなんあたしに、また調査衣頼!(わーお)桂美穂って美少女が「私を尾行して」だって。いったい、どんな事件が待っているのかしら?
高校に入学したばかりの皐にとって、唯一の友は異性の蒼だった。元来人付き合いの苦手な皐だが、植物を愛する蒼とは入試以来ずっと付き合っている。級友から作家の家住湊のサインを頼まれた皐は、従姉の亮子に連れられて初めて湊の家を訪れた時、部屋いっぱいに大きな水槽が置かれている光景に驚いた。湊は亮子の恋人だったが、皐は湊と話していると、蒼にはない心のやすらぎを感じた。
清水先輩に会えないあたし(南子)は、なんとなく失恋気分。ま、あたしに惚れている遠藤クンがいるからいいか。今度の事件は、見知らぬ男のコから星型ペンダントをもらったのが発端だった。続いて公園での焼身自殺を目撃。遺書には、星のマークが無数に描かれているだけ。星のマーク、何か事件に関係ありそう、と思っていたとき、ペンダントをくれたコが電車に飛び込み自殺。どうなってるの?
「マラソンが好きなら、コーチしてやるよ」「ほんと?それなら、陸上部に入る!」-そんな出会いから、3度目の春。佐知子は緑が丘高陸上部のマネージャー、小沢は400mの選手になっていた。そして、夏のインターハイには出場できたものの、思わぬ誤解からケンカ別れ。でも佐知子は“ぼくたちの最後のレース”をするためにフルマラソンに挑戦することにした。