1990年6月5日発売
牢獄の花嫁牢獄の花嫁
十手捕縄をとって30年、捕物の神様とうたわれた名与力・塙江漢が、突如、暴風のように襲った悪魔により、晩年の幸福を引きちぎられる。倅郁次郎は無実の罪で獄舎に繋がれ、その許嫁花世の身辺にも魔手は及ぶ。一命を投げうって巨漢に挑む江漢の努力は、花世の花嫁姿に報われる。
新書太閤記(四)新書太閤記(四)
出る杭は打たれる。-永禄の終りから元亀の初めにかけての信長が、まさにその状態に置かれていた。東北には武田・上杉の古豪が若輩何するものぞと眼を光らし、西北には浅井・朝倉が虎視眈々と隙をうかがっている。折も折、西上を打診しつづけていた信玄は、信長の盟友徳川家康を襲った。浜松城北方の台地・三方ケ原に徳川軍をおびき出し、これを粉砕した。家康、生涯唯一の完敗であった。
新書太閤記(五)新書太閤記(五)
家康と信長の援軍が三方ケ原で完敗を喫してから僅か三年、信長・家康の連合軍は、宿敵武田軍に潰滅的な打撃を加えた。世にいう長篠の合戦である。武田の騎馬軍団を織田の鉄砲軍団が完膚なきまでに叩きのめした一戦であり、素早く実戦に鉄砲威力を採り入れた信長の炯眼が光っていた。また、三河武士の名をあげたものに、鳥居強右衛門の懦夫をも起たす鬼神の働きがあり、家康も面目を施す。
新書太閤記(六)新書太閤記(六)
信長の天下統一の最後の難敵が、中国の毛利一族であった。この征討にあたるのが秀吉である。しかし、連戦連勝を重ねた金瓢も、今度はどうしたものか生気がない。一城を奪えば、また奪回され、戦線は膠着。信長の苛立ち、秀吉の苦慮。そして秀吉が股肱とも頼む、竹中半兵衛、黒田官兵衛の身にも異変は起きた。一方、衰運急な武田氏は春の淡雪と共に消え、戦国地図は大いに変ろうとしている。
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