1991年11月1日発売
“博多どんたく”の群衆の中と、翌日の上り特急「あさかぜ」の中で男が次々と刺殺された。「まつお」というダイイングメッセージから同じ車輌に乗っていた共通友人松尾浩史への容疑が深まっていった…。二つの刺殺事件の接点を求めて捜査は二転、三転し、やがて犯人を追いつめるが、捜査人の前に二重密室の完璧なトリックが重くのしかかってくる…。
上山公一郎の惨殺写真を見たとき、修羅場には馴れている女探偵・元織緋佐子でさえ、思わず目をそむけた。これが東大医学部名誉教授・文化勲章受章の威厳に満ちた老紳士なのか。-まるで仁王像のように目を見開き顔を血で赤黒く染めている。しかも千手観音像のように十数本の竹槍で突き刺されていた。さらに上山家では長男の公人も自殺、孫の高校生唯人には家出癖がある。呪われた一家には、どんな秘密が隠されているのか?周到なトリックと衝撃の大どんでん返し。未婚の母でキャリア・ウーマンの緋佐子が大活躍する、著者会心の書下ろし新・探偵小説登場。
天下に威名をはせた武将織田信長が、腹心明智光秀に焼き討ちにされた戦国時代最大の謀叛・本能寺の変-。しかし、炎の跡にその遺体はなかった。月刊誌「歴史日本」に執筆する高校教師・岩井康彦は、担当編集者の戸木田いずみに奇妙な謎を投げかけた。“信長は本能寺を脱け出て、ある場所に生きのびたのだ”山のスパイ・伊賀の忍者や伊集院の虚無僧の密命、海の逃避行ルート、鉄砲伝来の秘史、徳川家康と島津藩の不可解な関係-。散り散りの史実の断片を綴り合わせる二人の前に現われた、四百年前の意外な「真実」とは。“周知の事実”のほころびを見逃さぬ著者が、眼光鋭く歴史の裏の裏を焙り出した、長編歴史推理小説力筆。
詐欺商法でのし上がった悪徳会社「シルクハウス」の会長が殺された。捜査陣は対立していた専務・工藤をマーク、しかし、彼には鉄壁のアリバイがあった。工藤有罪を信じる刑事・沢月は、執念の捜査の末アリバイを崩し、工藤を逮捕。若き美人弁護士・槙村ゆり子は、工藤の無実を証明するため、法廷で検察側と真っ向から対立するが…。気鋭の新境地。本格推理秀作。
名作『野菊の墓』に隠された謎が、殺人事件の鍵を握る。「日比野さんは殺された…」北峰瞳子と名乗る女性から東邦新聞に殺人を告発する電話が入った。社会部記者・瀬沼は事件を追う。一方、同新聞の文芸部勤務の牧田は、一通の投書に興味を持つ。『野菊の墓』には、恐るべき秘密があるというその投書にも、瞳子の名前が…。
両親を亡くして、1人で暮らすバレッサはその日食べるものにも不自由するほど困窮していた。ある日、落馬してかつぎこまれたサラ・バートン侯爵夫人から晩餐会のゲームに参加してほしいと頼まれる。それはウインドンベリー侯爵にふられたサラが仕組んだ復讐劇だった。
人気俳優ダミアンのマネジャーのリンは仕事を離れてもダミアンに夢中だった。しかしダミアンは、リンのことを事務所の備品ほどにしか考えていない。そこで、リンは子供の頃から兄のように慕っているアダムに相談すると、アダムはある名案を思いついた。それは、アダムがリンの恋人役になり、ダミアンにやきもちをやかせるというものだった。
敵に四方を包囲され、援軍を待ちわびるロスコー准将の部隊は、もはや命運もつきかけ、餓死寸前の状態に追い込まれていた。娘ミュアリアルの身を案じたロスコー准将は、士官たちに問う。「もしもの時には、娘を射殺してくれるだけの勇気のある者はいるだろうか」と。「お嬢様のためなら地獄も通り抜けましょう」そう答えた男の瞳には、不敵ともいえる豪胆な光が宿っていた。ニック・ラトクリフ-孤高の鷲を思わせるこの男の手に、ミュアリアルの命は委ねられた…。
プティプイの街にレーデルランの友人を訪ねた一行。まくら投げをしたり、遊園地に遊びにいったり。しかし、この街は…。大人気のエディス、レーデルラン、キリルの新米魔女3人組+ヒューベ、ゆうのす、トンガリの魔女猫3匹のファンタジー冒険譚。
おまちどうさま!魔女になって冒険するRPG・ウィッチクエストをさらに楽しむためのサプリメントです。追加魔法や完全ワールドガイド、すぐに使えるシナリオ(2本)。そして、シナリオや街がカンタンに作れる新カード“ストラクチャーカード”つきヨ。
日本初の海上保安庁女艇長として辣腕をふるう小麦色美人沖田澪子に、政府から緊急秘命が下った。機関砲搭載の特捜艇「しおかぜ丸」の舵を取り、海自・海保の手出しできない超極秘任務に就くことになったのだ。北はオホーツク海から遠くペルシャ湾まで、国際紛争解決のため花の生命を賭けて航海に。胸ときめく独身官僚洞内の指示のもと、部下23人を従えて、いざ危険海域へ。『夢みる婦警』シリーズに続き、ベストセラー作家が贈る本邦初『海上保安官』シリーズ第二弾。
覚醒した“蛇御子”を胎内に宿し、殺人鬼と化した美少女花房詩央里を救うべく、不死身の男葛城乱は九頭の蛇巫子に協力を求めた。一方、眠れる母優里子を蘇生させるため超能力者狩りを続ける双子の弟花房優希夫は、強大な生命力を貪る思念中毒に陥り“光明の方舟”教団の信者16人を血の儀式に捧げた。箱根山中の地下祭殿で繰り広げられる乱、詩央里、優希夫の凄絶な闘いと運命…。危険な魅力を満載した〈アーバン・ユニコーンシリーズ〉絶頂の完結編。
「姉を、助けて」新進作家霞田志郎は、ファンの女子高生水沢美智子に、失踪した姉圭子の捜索を依頼された。姉妹の父正一は、中国陶磁蒐集で知られ、悲劇の武将岳飛愛用の“上海香炉”が自慢だった。志郎が水沢家を訪れた夜、香炉の飾られた寝室で、正一の愛人で美人タレント高岡聖子が殺された。失踪と殺人。この二つの事件に関連はあるのか?志郎は妹千鶴と謎に迫るが、やがて第二の殺人が…。本格推理界期待の新鋭が贈る知的興趣あふれる問題作。
明治政界を揺がす陸軍省を舞台にした汚職・贋札事件。それを追う司法省警保寮少警部の謎の死と薩長土肥の暗闘。小栗上野介が秘匿したといわれる財宝をめぐって事件は意外な展開へ…。“秘宝シリーズ”第3弾。サントリーミステリー大賞受賞作家が放つ渾身の歴史ミステリー。