1991年2月1日発売
ある完全犯罪ある完全犯罪
レスビアンの私は、楚々とした美女・高子に女同士だけが味わえる恍惚の味を教え込んで恋人にした。だが、高子は男のもとへ走り、やがて私は拾てられた。相手が男であることで凄まじい嫉妬に陥った私は、高子を殺そうと決意するが…。嫉妬が生み出した奇怪な犯罪を描く表題作をはじめとする異色官能サスペンス集。
ドライヴしない?ドライヴしない?
子を捨てて自由な恋愛に生きる母親。女が女を愛してしまった果てのない自問。孤独な精神の無菌室を壊して再生をはかるまでの手記が三番目の父親へ託された。第104回芥川賞候補作、「海燕」新人文学賞受賞作を含む大型新人の第一創作集。
白羊宮の火星白羊宮の火星
強引にポーランドに侵攻したナチス・ドイツを、占星学でいう白羊宮(牡羊座)の守護星、軍神マルス(火星)になぞらえて象徴的に描いた、ホレーニアの代表作。当然のごとくナチスの逆鱗にふれ、発禁処分にもなった幻の小説。
啜り泣く肢体啜り泣く肢体
人妻に惚れて家出した兄を追って、妹のダンサー、アキは夜の深海魚たちが乱れ狂う、ミラーボール廻る世界へ…。いつか兄のことも忘れ、肉悦の啜り泣く快感の日々に溺れていく…。華やかなダンスホールを舞台に、男と女の官能の世界を、スリリングに、かつ情感豊かに描く著者の最新官能長編。