1991年2月発売
ソ連軍部内で大統領暗殺が企てられているー。日本国内では、大統領来日にさいしての警護対策が練られ、砦洋介に率いられる特殊部隊も出動した。刺客は誰か、どこで仕掛けるのか?…湾岸戦争、ペレストロイカの現状、北方領土問題など現実の世界情況を、軍事分析家の著者が新聞未発表の情報などを駆使して描く衝撃作。
おれは26歳、強靭な肉体を誇る。ある夜、絶世の美女に迫られ、男の液を放つ。「夢精した」と気付くと、おれは棚の天女像を見上げた。股間が汚れている。『日本霊異記』に同じ話があるので、驚いた。棚の一方には誰かの髑髏がある。おれは愛液で、それを磨き、供養したつもりだ。が、不思議な現象が次々と…。他に会心作を満載。
60人を越す死者が出たバスの転落事故で、たった一人生き残った男…宝くじを買えば、その賞金の十倍という袋くじの特賞に当たる。果たして、この世の中にそんな男が存在するのか?写真週刊誌の記者・白岩百合子は、彼に興味を持ち、追跡を開始するが…(表題作)。小気味よい推理短編の醍醐味。
南紀・白浜で女性が毒殺され、その所持品から呼び出しの手紙が発見された。差出人はT・H。そして、手紙と同じイニシャルの男性が、「私がやりました」という遺書を残して潮岬で死んでいた。同じ頃、伊豆・下田を訪ねていた壮と美緒も、殺人事件に巻き込まれた。南紀と伊豆を結ぶ見えないラインとは。逆転トリックの本格推理傑作。
南米の熱帯雨林の奥深く、人跡未踏のギアナ高地で、昆虫学者アザートン教授率いる米化学探険隊が新種の毒グモを捕獲。が、この大発見は、同時に恐怖の予兆でもあった。聖域を冒され激怒したクモは、現地でカメラマンを殺し、さらに棺に隠れて米本土に潜入。異常繁殖した毒グモは次々と殺人を重ね、カリフォルニアの田舎町はパニックに…。-S・スピルバーグとフランク・マーシャルのコンビがディズニー映画より放つスリラー・コメディの完全小説化。
フェリーサ・ダールがまだ13歳のとき、ダーリントン公爵は、虐待されている彼女を残酷な父親から救った。公爵は、彼女を連れ帰り、フランスの修道院へ預けた。それから5年-。70万ポンドの遺産を相続したフェリーサのもとに、財産めあての不審な男たちが、頻繁に訪れているという。公爵は、彼女をイギリスにつれ戻すために、パリに向かった。5年ぶりに会うフェリーサは、美しい女性に成長していた。しかし、子供時代に受けた心の傷は、今も癒えていない。-美しいフェリーサは男が怖いのだ。だが、どうすれば彼女の心を開くことができるのだろう?公爵は、茫然とした目で、フェリーサを見つめた。
リー・ブラムウェルは、高利貸デマルコから追われていた。以前から、デマルコをよく知っていたリーは、FBIからデマルコに対する不利な証言をしてほしいと協力を依頼されていた。しかし、デマルコは、その証言を阻止するためには、手段を選ばない男なのだ。ある日、逃亡生活を続けるリーのもとに、ひとりの男が現われた。野性的な瞳と、ひげが印象的な男。彼も、デマルコの手下、それとも…。
富士の樹海で消息を絶った親友を追って、良平、恭子、浩の3人は、想像もつかない事件に巻き込まれていく…。守護霊の力で解決していく画期的なシステムのRPG、ここに誕生。シナリオ集もついていて、あなたもすぐに冒険ができます。
男の願望、それは女性の中に眠る官能的資質を引き出し、昇天させることだ。その女体追求に生きる若き英雄的有名カメラマンが本編の主人公である。ある日、放送局のオーディションに現われた女優志願の娘と寝ていらい、美人ニュースキャスターに奇妙な仕事を頼まれ、彼の女体遍歴にはもう一つの意味が加わる。“絶頂の時、やすら姫の歌を歌いだす女を探せ”-女体の中に仕組まれた4百年前の遺伝子工学の陰謀と巨額の黄金伝説の秘密は、“あの声”が解く…。夢とロマンあふれる新機軸超官能小説。
リトル・ドリットの父ウィリアムは、破産して長いこと債務者監獄暮らしをしていた。家族と共に。リトル・ドリットに心ひかれるアーサーは、何とか助け出せないものかと奔走する。その結果、ウィリアムは莫大な遺産を得、25年にわたる監獄生活から解放されることになった。19世紀イギリス社会における影の部分を描きだす問題作。
わたしは河口のただ中に立ちつくし、猛烈な罪悪感に襲われていた。落ち着きがなく、何やら相談ありげだった昨夜のスヴェン。その不安を、自分は受けとめてやることができなかった。結果、老人は死体となって、今、目の前にいる。事故か自殺として処理されそうな雲行きに、わたしはひとり捜査を開始したが…。開発に揺れるカリフォーニアの町。そこに展開する哀しい人間ドラマ。
銀河系を股にかけた賞金稼ぎたちの間で、30年来囁き交わされている幻の名があった。“サンティアゴ”。悪業の限りを尽くし巨額の懸賞金をかけられたこの男は、数多の追撃をかわし、今も正体を謎に包んだままだった。今日もまた一人の男がサンティアゴを追って〈辺境〉へ流れてくる。彼の名はカイン。元革命家の、名うての賞金稼きだ。ヒューゴー賞作家が贈る、遥かなる未来叙事詩。
幻の男サンティアゴを追ういくつもの人間の足跡が、いまひとつに交わろうとしていた。そこには様々な思惑が入り乱れていた。ある者は自らの名声のために、ある者は彼にかけられた巨額の懸賞金のために、そしてある者は…。最後にサンティアゴと雌雄を決するのははたして誰か?悪にまみれた彼の経歴に隠された真実とは?遥かなる大銀河の追跡行は、いかなる結末を迎えるのか。
アメリカ海軍の切り札、空母ほどに巨大な原子力潜水艦〈インペレーター〉。ハイテク兵器を満載したこの黒いモンスターは、いま北極海をめざしていた。ソ連が北極海の軍事的支配をもくろんでいるのだ。断固阻止せねばならない。だが、すでにソ連潜水艦部隊の精鋭は、モンスターを仕留めるべく厚い氷の下で待ち受けていた。無数の魚雷が飛び交う沈黙の戦場で、虚々実々の駆け引きの果てに生き残るのは…。ハイテク軍事スリラー巨編。
ある夏の日、カールとレギッツェの老夫婦は家族や旧友たちを招きパーティーを開く。にぎやかな宴の中、二人の心に去来する様々な想い。家族、友人、夫婦、愛とは-。人生の真実を淡々と描く、デンマークの国民的ベストセラー小説。