1991年3月発売
永遠の生命を求めて作家W・S・ホールらは古代エジプト神話的西方浄土へと旅する。彼らは神の操る根本倫理を超越し、迷宮宇宙をくぐりぬけなければならない。バロウズ74歳(’87年)の圧倒的傑作最新長篇。
徳を尊ばれた男が、荒野の国の人々に謀殺された後に鬼と化し、迷いの世界を生きかわり死にかわる姿を説話的に描く表題作ほか、破壊するにはあまりに凡庸な現代の生を、そして書く行為を根源的に凝視する六篇。
ユダヤ民族離散の過程で死語と化していたヘブライ語を日常語として再生させ、故国再興への道を開いたエリエゼル・ベン・イェフダとその家族の苦闘を長男ベン・ツィオンの目から描いた異色のセミドキュメント。本邦初訳。
貨物用にすえられたクレーンに住みつき、女たちが誘っても、戦争が始まってさえ、そこを離れようとしなかった男の奇妙な物語「クレーン」。よりよい暮らしをもとめて旅を続ける夢想家たちの寓話「タイコたたきの夢」。寓意にあふれた物語の底に、深いペーソスをたたえたチムニクの代表作二編を収録。
職員会議の真最中、スカートの奥へ忍びこむ淫手にうろたえる女教師、中野季実子。股間をまさぐる男性教師の指がパンティを剥ぐ。淫靡な指が肉唇をめくり、膣口へ。綾子、季実子、久美、美沙子…。レイプの標的は美しすぎる女教師。
息子の若い肉茎が胎内におさまった時、美保は母であることを忘れた。突きだしたヒップを悩ましくくねらせ、より深く強い侵入をうながす…。だが、許されない行為に溺れる母子に、悲劇の時は刻々と近づいていた…。
《青春》は、みずからが、たゆみなく、みずからの情熱の全量で、磨き上げつづけていかねばならぬ。その強靭な志向は、誰もが負わねばならぬ痛ましい運命とは異って、やがて人格の正直な《無垢》へと通じ合うだろう。梶井基次郎と三好達治の二人の青春は、そこにつきあおうとするものの心に、新鮮な抒情の無垢の所在を、まるで腹立たしいほどの輝やかしい狂気のように、容赦なく突きつけてくるのである…。
グループのトップの座をねらう藤田は、桐子をスキャンダルに巻き込むため、巧妙な殺人事件を計画。しかし、そこは桐子たちの絶妙なチームワークで危険を脱出した。追いつめられた藤田は、自ら女社長へ魔の手をのばす。一方の桐子は思い深まり、恋人殺害を計画、でも桐子が真に愛するのは…。華やかな大団円、鮮やかなどんでん返し、毎日を精いっぱい生きる元気の女社長のラブ・サスペンス。