1991年8月1日発売
アメリカ政財界の大物たちの息子ばかりを集めた全寮制学校が、過激な武装テロ・グループに占拠された。人質となった数十名の生徒の親たちがいずれも政府に影響力を持つため、ホワイトハウスはかつてないほど対応に苦慮する。だが、生徒のひとり、ビリー・テッパーは持ち前の才知と勇気を武器に、大胆かつ奇抜なテロリスト掃討作戦を開始した。スリルとサスペンスに富む話題の映画の原作。
シモーヌ・ド・ボーヴォワールについてはもう語り尽くされていると思うのはまちがいだ。これまでさまざまな出版社から執筆を依頼されてもエレーヌは断りつづけた。しかし、姉亡きいま、エレーヌは姉について、シモーヌという女性について思い出を語った。こうしてできあがったのが本書である。
ある日、一本の悩み相談がラジオ局に寄せられる。だが、その電話の女性は、すでに数週間前に殺されていた。その殺人事件を捜査陣は『目』で追う。放送局のディレクター青木聡美は、死者からの人生相談の謎を『耳』で追う。犯人を追う目と耳の追撃戦。
元アイドルタレントの阿季子は若手敏腕プロデュサーと結婚、子供にもめぐまれ何不自由ない幸せな生活をおくっていた。テレビ界へのカムバックも決まった12月、彼女は夫の知人や高校時代の友人を招いてホームパーティを開いた。ところがその日に送られてきた宅急便の袋の中には顔の部分を無数の針で刺した阿季子のブロマイドが入っていた。そしてもう一個の宅急便にも悪意の品が…。阿季子の周辺で小さな亀裂がしだいに重なり合っていく。
星ヶ丘市は星空が名物の小さな地方都市。転校生の三田村絵理は、クラスメート・相原淳の誘いで町の不思議な骨董店〈有宝堂〉に足を踏み入れる。そしてその日から、少年と少女のひと夏の冒険がはじまる…。ファンタスティック・ロマンの新鋭が贈る、新しいスタイルの青春イキイキ・ストーリー、ここに登場。
花の高校一年生、神無木良太が入学した私立神堂学園は、“日本の頭脳中枢”といわれるS学園都市にある。創設者は良太のおじいちゃんで、理事長は伯父さんという、小さな学校だ。ところがそこの学校ときたら、教室の扉を開ければカッパが立ってるし、クラスメートの美少女は二階の窓からヘーキで出入りするし、一体こいつらなんなんだ!?実は彼らの正体は、あるプロジェクトのために、全国から密かに集められた妖怪たちだった…。ハイテク都市を舞台にモンスターたちが駆け巡る、新鋭・霜島ケイのスーパーアクション。
秋田県・男鹿で、大晦日に初嫁が殺された。動機不明の殺人に、調査依頼を受けた郷土史家・実相寺禅堂とアシスタントの佐緒里を待っていたのは、ナマハゲによる威嚇と警告だった。ところが、殺された初嫁は中国人で、しかも、太平洋戦争中の日本で起きた中国人暴動事件の生き残りの娘だったとわかり…。戦時下の日本の暗部をえぐる書下ろし長篇ミステリー。
帝の勅命により「鬼」退治を命ぜられ京に上った上総の国守源頼光は、渡辺綱、卜部季武、坂田金時、碓井貞光らの活躍により羅城門において首尾よく「鬼」を倒すのだが、意外にも彼らが倒した「鬼」の姿は人間と寸分違わぬものだった。これが人を食らうという「鬼」なのか?人もまた「鬼」になれるのか?人を遥かに越えたあの力は何なのか?彼ら五人の心の中には、しだいにその正体に対する疑問が脹らみつつあった。そんなおり、頼光とその一党は帝の住吉神社参詣の供を命じられるのだったが-。「鬼」の正体とは何なのか、その真の目的とは?平安京を舞台に新鋭が描くファンタジー伝奇ロマン第二巻。
すべての帆を揚げて走りに走り、ファビアンはついにニューオーリンズにたどりついた。この地の司令官パターソンは、階級は下だが思慮深く、現地の事情に精通していた。信頼できる男だ、ファビアンはこの男と協力してイギリス軍を要撃しようと思った。力強い味方がもう一人いた。いとこのギデオンである。一方つらい役目もあった-。