日本のロダンと称賛されながらもひたすらアウトサイダーに徹した雨田光平を内側から描く-。
時は昭和2年。加藤唐九郎から借り受けた芝居の台本が、焼物原料業を瀬戸で営む加藤庄三の後の人生を変える。瀬戸の窯神・加藤民吉と九州に置き去りにしたとも伝わる現地妻との哀しい物語であった。民吉が新しい焼もの技術を九州で盗み出したという通説は違うのではないか。「第69回オール読物新人賞」「第12回小説CLUB新人賞」受賞作家である著者自らが、カルチャー・サスペンスと名付ける書下ろし最新作。