1991年8月1日発売
マ-カム家の海の物語(7)マ-カム家の海の物語(7)
すべての帆を揚げて走りに走り、ファビアンはついにニューオーリンズにたどりついた。この地の司令官パターソンは、階級は下だが思慮深く、現地の事情に精通していた。信頼できる男だ、ファビアンはこの男と協力してイギリス軍を要撃しようと思った。力強い味方がもう一人いた。いとこのギデオンである。一方つらい役目もあった-。
風馬(ルンタ)の耀き風馬(ルンタ)の耀き
古くからの宗教的救済と現代文明への渇望と混沌が渦巻くチベット社会-そのチベット民族の歴史文化、民族の運命をまるごと掴むべく、循環あるいはねじれた小説時間の手法を駆使して描く新しいチベット文学の全貌を伝える待望の短篇集。
窯神伝説窯神伝説
時は昭和2年。加藤唐九郎から借り受けた芝居の台本が、焼物原料業を瀬戸で営む加藤庄三の後の人生を変える。瀬戸の窯神・加藤民吉と九州に置き去りにしたとも伝わる現地妻との哀しい物語であった。民吉が新しい焼もの技術を九州で盗み出したという通説は違うのではないか。「第69回オール読物新人賞」「第12回小説CLUB新人賞」受賞作家である著者自らが、カルチャー・サスペンスと名付ける書下ろし最新作。