1992年12月25日発売
元禄四年の早春、天下の副将軍水戸黄門とお供の渥美格之進、佐々木助三郎の三人旅は、奥州路へと向かっていた。-おなじみ水戸黄門漫遊記を描く長編快作。奥州宇多郡中村六万石相馬大膳之亮の城下から、伊達領の一万八千石安房守宗良の領内へと老公の旅は続いていく。各地で老公の裁きによって事件は解決する。一ノ関への山中で三万石一ノ関田村右京太夫の家来脇田新三郎と出会い、真影一刀流牧主水之助の娘お梅との伯もとりもってやった。庄内村で出会った百姓吉右衛門の話から、酒井家の重臣田川新五左衛門の悪事をも老公はみごとに裁いてやった。奥州路の旅から江戸へ戻った三人旅は、次には東海道を京へ上ることになった。老公を待つ次なる事件とは…。
都内のアパートで若い女性の死体が発見された。情況は殺人だが、ドアも窓も内側からロックされている。密室殺人?ただちに警視庁から御存知八木沢警部補たちが出動する。物盗りの仕業ではなさそうだ。しかし被害者の人間関係を洗っても殺されるような動機はまったく見つからない。死体の胸元から平泉の絵葉書が発見される。ダイイングメッセージ?やがて第二の殺人が湯沢で起こる。そして第三の殺人が東京の夜の路上で…。被害者はいずれも若い女性、そして平泉の絵葉書が登場するのだった。
東京の高級住宅地・自由ヶ丘にマンション一棟を所有している29歳の笹岡夏美が自室で、下着もつけず裸同然の姿で殺された。その後千葉県市川市で中年の女性書家・木村初江が殺されているのをフリーライターの叶雅之が発見した。殺された二人は叔母姪の関係で犯人は同一と推測された。叶は事件のひと月ほど前、霧深い納沙布岬で偶然出会った女性に強く印象づけられていたが、その女性によく似たひとが被害者の身近におり、事件と何らかの関係があるように思われてならなかった。書き下ろし長編ミステリー。